光を失ってから取り戻すまで
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途中からそういう気配は感じていた。
私の”仕事”に興味を持っただけではなく、女として見られているような。
だからこそ、1回目の肩の治療の時には力づくで逃げた。
ただ、目を治してもらって、この船に乗ることが決まって、彼が大きな賭けに出ようとしていると知って。
失敗すれば確実に命が失われるような話に、ほんの少し心境が変化した。
”今夜、船長室に来い”
それがどういう意味かなんて、考えるまでもなく明確だ。
ドアをノックする。
入れ、と聞こえた気がしてドアノブを捻った。
すこし猫背な広い背中が目に入る。
椅子がゆっくりと回る。
不敵な笑みを浮かべた彼が目の前に現れた。
入れ墨だらけの長い指が私の首に伸びる。
…愛しに来たんじゃない。
引き寄せられて目を閉じた。
冷たい唇が押し当てられて、思いのほか柔らかく私の唇を弄ぶ。
私は見守りに来た。あなたの賭けを。その結末を。
隣に居なくても夢でアクセスできるように。
離れていてもあなたの傷を治せるように。
腰が引かれて、彼の膝の上に座る。
スカートの裾から手が侵入して太腿を撫でた。
少し体がこわばって、私は思考を停止する。
できるだけ昔を思い出さないように、ただ目の前の人だけを考えた。
その触れ方、体温、息遣いに集中する。
こうすると快感を逃がしにくくなるんだよなあ、と心の中で苦笑した。
*
涙の跡が残るほほに触れる。
寝た後に情が移るのは女だけだと思っていた。
行為の途中で目に涙を浮かべたこいつを見て、初めは生理現象だと解釈した。
そのうち、溜まる涙が決壊したかと思うと、そのまま止まらなくなり、最終的には嗚咽を伴った号泣になった。
「…おい」
「…」
声をかけると深呼吸を始める。
「何泣いてやがる」
「…なんでも、ない」
…昔の男でも、思い出しているのか。
心の中で詫びながら、オレに抱かれているのか。
ゾクリ、と暗い欲望が背骨を這いあがる。
オレの顔を見たレイラの顔が一瞬こわばった。
たがいに見聞色の使い手だ。
戦いの最中のようなやり取りが、言葉を使わずに行われる。
それから、自分の体を使ってレイラを追い詰めた。
本人がいくら隠そうとしても弱点を知ることは容易い。
互いに果てたあと、レイラは崖から落ちるように深い眠りについた。
私の”仕事”に興味を持っただけではなく、女として見られているような。
だからこそ、1回目の肩の治療の時には力づくで逃げた。
ただ、目を治してもらって、この船に乗ることが決まって、彼が大きな賭けに出ようとしていると知って。
失敗すれば確実に命が失われるような話に、ほんの少し心境が変化した。
”今夜、船長室に来い”
それがどういう意味かなんて、考えるまでもなく明確だ。
ドアをノックする。
入れ、と聞こえた気がしてドアノブを捻った。
すこし猫背な広い背中が目に入る。
椅子がゆっくりと回る。
不敵な笑みを浮かべた彼が目の前に現れた。
入れ墨だらけの長い指が私の首に伸びる。
…愛しに来たんじゃない。
引き寄せられて目を閉じた。
冷たい唇が押し当てられて、思いのほか柔らかく私の唇を弄ぶ。
私は見守りに来た。あなたの賭けを。その結末を。
隣に居なくても夢でアクセスできるように。
離れていてもあなたの傷を治せるように。
腰が引かれて、彼の膝の上に座る。
スカートの裾から手が侵入して太腿を撫でた。
少し体がこわばって、私は思考を停止する。
できるだけ昔を思い出さないように、ただ目の前の人だけを考えた。
その触れ方、体温、息遣いに集中する。
こうすると快感を逃がしにくくなるんだよなあ、と心の中で苦笑した。
*
涙の跡が残るほほに触れる。
寝た後に情が移るのは女だけだと思っていた。
行為の途中で目に涙を浮かべたこいつを見て、初めは生理現象だと解釈した。
そのうち、溜まる涙が決壊したかと思うと、そのまま止まらなくなり、最終的には嗚咽を伴った号泣になった。
「…おい」
「…」
声をかけると深呼吸を始める。
「何泣いてやがる」
「…なんでも、ない」
…昔の男でも、思い出しているのか。
心の中で詫びながら、オレに抱かれているのか。
ゾクリ、と暗い欲望が背骨を這いあがる。
オレの顔を見たレイラの顔が一瞬こわばった。
たがいに見聞色の使い手だ。
戦いの最中のようなやり取りが、言葉を使わずに行われる。
それから、自分の体を使ってレイラを追い詰めた。
本人がいくら隠そうとしても弱点を知ることは容易い。
互いに果てたあと、レイラは崖から落ちるように深い眠りについた。