白い船での話
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…何を話したらいいんだろう。
今になって思えば、あの時のエースの態度も少しは理解できる。
よく彼が心の中で言っていた「おれは鬼の子だ」。
海に出て知った。ゴールドロジャーが鬼と呼ばれていたこと。彼に拒絶される前の日、私はガープさんに「自分の家族は海賊王の子供狩りで死んだ」と話していた。
もし、エースがそれを聞いてしまっていたら?もしくは、誰かから伝わっていたら?
実は責任感の強いエースのことだ。「おれが存在しなければこいつの家族は死ななかったんじゃないか」ってきっと思っただろう。自分の存在についての罪悪感とか、私が知ったらどう思うかっていう恐怖とかがごちゃまぜになって、拒絶という形を取ったんじゃないだろうか。
そう考えついた時、私はあの時フーシャ村を出るという選択をしたことを初めて後悔した。もう少し一緒に居たら、彼が何を思って拒絶したか分かったかも知れないのに。そしたら言えたかもしれないのに。きみが誰の子供であっても、それとは関係なく私はきみが好きだよって。
何を言ったらいいのかわからない。でも、何も言わずに別れたら後悔する。
「ねえ、エース」
「なんだ」
「この街にはいつまでいるの?」
「ログが溜まるまでだから5日ってとこだな」
「…その間、何回か会えないかな」
エースが弾かれたようにこっちを見る気配がした。私の視線は手元のグラスに落としたままだ。今日偶然会って、お互い目を見て話すこともできないのに、伝えたいことを全部話せるとは思えない。
「今日たまたま会えて、それっきりになっちゃったら私、」
”おれは人生にくいはのこさねえ”
一度きゅっと目を瞑る。開くと同時にエースの方に顔を向けた。
「悔いが残ると思うの」
改めて見ると本当に男らしくなったなあと思った。
エースが12歳、私が14歳の時にフーシャ村を離れて5年。
あの時のことを、後悔していた。
「…そうだな」
今になって思えば、あの時のエースの態度も少しは理解できる。
よく彼が心の中で言っていた「おれは鬼の子だ」。
海に出て知った。ゴールドロジャーが鬼と呼ばれていたこと。彼に拒絶される前の日、私はガープさんに「自分の家族は海賊王の子供狩りで死んだ」と話していた。
もし、エースがそれを聞いてしまっていたら?もしくは、誰かから伝わっていたら?
実は責任感の強いエースのことだ。「おれが存在しなければこいつの家族は死ななかったんじゃないか」ってきっと思っただろう。自分の存在についての罪悪感とか、私が知ったらどう思うかっていう恐怖とかがごちゃまぜになって、拒絶という形を取ったんじゃないだろうか。
そう考えついた時、私はあの時フーシャ村を出るという選択をしたことを初めて後悔した。もう少し一緒に居たら、彼が何を思って拒絶したか分かったかも知れないのに。そしたら言えたかもしれないのに。きみが誰の子供であっても、それとは関係なく私はきみが好きだよって。
何を言ったらいいのかわからない。でも、何も言わずに別れたら後悔する。
「ねえ、エース」
「なんだ」
「この街にはいつまでいるの?」
「ログが溜まるまでだから5日ってとこだな」
「…その間、何回か会えないかな」
エースが弾かれたようにこっちを見る気配がした。私の視線は手元のグラスに落としたままだ。今日偶然会って、お互い目を見て話すこともできないのに、伝えたいことを全部話せるとは思えない。
「今日たまたま会えて、それっきりになっちゃったら私、」
”おれは人生にくいはのこさねえ”
一度きゅっと目を瞑る。開くと同時にエースの方に顔を向けた。
「悔いが残ると思うの」
改めて見ると本当に男らしくなったなあと思った。
エースが12歳、私が14歳の時にフーシャ村を離れて5年。
あの時のことを、後悔していた。
「…そうだな」