あかいふねでのおはなし
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「ぬしの隠し子か」
「冗談だろ!こいつァうちの秘蔵っ子だ」
レイラが俺の後ろに隠れる。
鷹の目にはどうしても慣れないらしい。
「…よる?」
「あ?」
「その刀の名前、よる?」
「…そうだ」
「…よると、お話ししたい」
「…妖刀だと見抜いたか」
鷹の目が黒刀を置く。
好きにしろ、というように横を向いて壁にもたれる。
おずおずと近づくレイラ。
刀の横にぺたんと座り、首をかしげて刀を見つめる。
時々うんうんと頷いたり、にこっと微笑んだりする。
レイラに手が届く範囲で壁にもたれて成り行きを見守る。
不意にレイラがこちらに歩いてきて、俺の手を掴んだ。
「鷹の目さん」
目線だけがレイラに向けられる。
「よるに触ってもいい?」
「…ぬしの好きにするがいい」
鷹の目に話しかけるときは俺の傍じゃないとダメなのか。
白い手が、黒刀の鞘に触れる。
すげえなこいつ。
あれだけの剣士の刀に素手で触ってやがる。
しばらく刀と戯れていたレイラが、ふう、と息をついて俺のほうに近寄る。
ぎゅっと手を握ると今度は鷹の目を見た。
「鷹の目さん、ありがとう。終わったよ」
「…気は済んだか」
「よるは長生きですごいね、色んなこと知ってるね」
「…これが斬ってきた輩は聞いたか」
「うーん。なんとなく」
フッと鷹の目が笑みを浮かべた。
「たいした小娘だ」
レイラの手を引く帰り道、俺は古い記憶を引っ張り出していた。
“あの人”が行く先々で石碑や木、朽ちた刀に触れ、
笑みを浮かべたり眉間にしわを寄せていた光景を。
まさか、こいつは、
“あの人”と同じ能力を持っているんじゃ。
もしそうだとすれば、それは強大な力であると同時に、
この小さな体では、その影響はとてもコントロールできるものではない。
「なァ、レイラ」
「なに?」
見上げられる笑顔が眩しい。
「…いや、何でもねェ」
「変なシャンクス―」
たとえそうだとしても、今は俺がこいつを守れる。
つないだ手に力を込めた。
「冗談だろ!こいつァうちの秘蔵っ子だ」
レイラが俺の後ろに隠れる。
鷹の目にはどうしても慣れないらしい。
「…よる?」
「あ?」
「その刀の名前、よる?」
「…そうだ」
「…よると、お話ししたい」
「…妖刀だと見抜いたか」
鷹の目が黒刀を置く。
好きにしろ、というように横を向いて壁にもたれる。
おずおずと近づくレイラ。
刀の横にぺたんと座り、首をかしげて刀を見つめる。
時々うんうんと頷いたり、にこっと微笑んだりする。
レイラに手が届く範囲で壁にもたれて成り行きを見守る。
不意にレイラがこちらに歩いてきて、俺の手を掴んだ。
「鷹の目さん」
目線だけがレイラに向けられる。
「よるに触ってもいい?」
「…ぬしの好きにするがいい」
鷹の目に話しかけるときは俺の傍じゃないとダメなのか。
白い手が、黒刀の鞘に触れる。
すげえなこいつ。
あれだけの剣士の刀に素手で触ってやがる。
しばらく刀と戯れていたレイラが、ふう、と息をついて俺のほうに近寄る。
ぎゅっと手を握ると今度は鷹の目を見た。
「鷹の目さん、ありがとう。終わったよ」
「…気は済んだか」
「よるは長生きですごいね、色んなこと知ってるね」
「…これが斬ってきた輩は聞いたか」
「うーん。なんとなく」
フッと鷹の目が笑みを浮かべた。
「たいした小娘だ」
レイラの手を引く帰り道、俺は古い記憶を引っ張り出していた。
“あの人”が行く先々で石碑や木、朽ちた刀に触れ、
笑みを浮かべたり眉間にしわを寄せていた光景を。
まさか、こいつは、
“あの人”と同じ能力を持っているんじゃ。
もしそうだとすれば、それは強大な力であると同時に、
この小さな体では、その影響はとてもコントロールできるものではない。
「なァ、レイラ」
「なに?」
見上げられる笑顔が眩しい。
「…いや、何でもねェ」
「変なシャンクス―」
たとえそうだとしても、今は俺がこいつを守れる。
つないだ手に力を込めた。