巨大な猛獣の背中の上で
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
あの日、眠るのが怖かったけれど、夜の眠りで最初に見たのはローがヴェルゴという海兵を一刀両断する場面だった。
彼も随分ボロボロだったけれど、闘志も冷静さも失わずに相手を無力化したらしい。
それを見ていても経っても居られなくなって、無理に潜水艇を飛び出して、
「宴だー!!」
弟の船に来ている。
「えっじゃあ、レイラは今トラ男の船に乗ってるの?」
「うん」
「へー意外なとこが繋がるもんだな」
ローの隈は相変わらず濃い。
ほとんど寝ない人だから、眠りで癒すのは難しくて、普段はお酒の席の酩酊に乗じてダメージを拭う手伝いをしていた。
…私自身がお酒を飲むとすぐ眠くなるせいなんだけど。
「…おい」
「ん?」
「ほら」
差し出されたのは手錠。
「…大丈夫だもん」
「どの口が言うんだ」
「だってベポはいないし、今わたし丸腰よ?」
「トニー屋が要るだろ」
「いやだ。したくない」
小さな舌打ちが届く。
「勝手にしろ」
*
膝の上で眠っていたレイラが急に跳ね起きる。
遠くにあったはずの猟銃を手に、トニー屋に照準を合わせる。
「ROOM」
「シャンブルズ」
レイラの手にあった猟銃を空の酒瓶と取り換える。
「…だから言っただろ」
「…!!!ごめん、チョッパー!!!」
泣くほど謝るなら、ハナから人の言うことを聞きゃあいいんだ。
「うちのクルーに熊がいるんだが、あいつが毎回寝ぼけて熊撃ちを試みるから、うちではこうしてる」
「…それであの手錠ね」
「オレはてっきりサディストとして開き直ったのかと思ったぞ」
「ほんとごめんね、チョッパー」
「だいじょぶだ、そんなに落ち込むなよな!」
ひとしきり謝り倒した後、レイラはまた俺の膝でうとうとし始める。
今度は俺の左手とレイラの右手が手錠でつながった状態で。
「…やっぱ絵的にアレだな」
「手すりとつなげるのじゃダメなの?」
「それだとこの船が毎度破損することになるぞ」
「んーだとおぅ!?わかってんなら回避しろよぅ!?」
「あんのトラ野郎、レイラちゃんを独り占めしやがって」
麦わら屋が異様に静かに近づいてきた。
「なァ、トラ男」
「…あ?」
「レイラの事、どう思う」
「…どうもこうも」
逆なでするような笑みを浮かべて。
「こいつは今、俺の船のクルーで稼ぎ頭だ、よくやってくれてる」
「…そういうことを聞いてんじゃねえんだ」
挑発にも乗ってこない。
「レイラの事、好きか?」
「…さぁな」
「…もし、レイラが傷つくようなことがあったら」
ほんと、今日の麦わら屋はどうしちまったのか。
「たとえ友達でも、俺はお前をぶっ飛ばしに行くからな」
彼も随分ボロボロだったけれど、闘志も冷静さも失わずに相手を無力化したらしい。
それを見ていても経っても居られなくなって、無理に潜水艇を飛び出して、
「宴だー!!」
弟の船に来ている。
「えっじゃあ、レイラは今トラ男の船に乗ってるの?」
「うん」
「へー意外なとこが繋がるもんだな」
ローの隈は相変わらず濃い。
ほとんど寝ない人だから、眠りで癒すのは難しくて、普段はお酒の席の酩酊に乗じてダメージを拭う手伝いをしていた。
…私自身がお酒を飲むとすぐ眠くなるせいなんだけど。
「…おい」
「ん?」
「ほら」
差し出されたのは手錠。
「…大丈夫だもん」
「どの口が言うんだ」
「だってベポはいないし、今わたし丸腰よ?」
「トニー屋が要るだろ」
「いやだ。したくない」
小さな舌打ちが届く。
「勝手にしろ」
*
膝の上で眠っていたレイラが急に跳ね起きる。
遠くにあったはずの猟銃を手に、トニー屋に照準を合わせる。
「ROOM」
「シャンブルズ」
レイラの手にあった猟銃を空の酒瓶と取り換える。
「…だから言っただろ」
「…!!!ごめん、チョッパー!!!」
泣くほど謝るなら、ハナから人の言うことを聞きゃあいいんだ。
「うちのクルーに熊がいるんだが、あいつが毎回寝ぼけて熊撃ちを試みるから、うちではこうしてる」
「…それであの手錠ね」
「オレはてっきりサディストとして開き直ったのかと思ったぞ」
「ほんとごめんね、チョッパー」
「だいじょぶだ、そんなに落ち込むなよな!」
ひとしきり謝り倒した後、レイラはまた俺の膝でうとうとし始める。
今度は俺の左手とレイラの右手が手錠でつながった状態で。
「…やっぱ絵的にアレだな」
「手すりとつなげるのじゃダメなの?」
「それだとこの船が毎度破損することになるぞ」
「んーだとおぅ!?わかってんなら回避しろよぅ!?」
「あんのトラ野郎、レイラちゃんを独り占めしやがって」
麦わら屋が異様に静かに近づいてきた。
「なァ、トラ男」
「…あ?」
「レイラの事、どう思う」
「…どうもこうも」
逆なでするような笑みを浮かべて。
「こいつは今、俺の船のクルーで稼ぎ頭だ、よくやってくれてる」
「…そういうことを聞いてんじゃねえんだ」
挑発にも乗ってこない。
「レイラの事、好きか?」
「…さぁな」
「…もし、レイラが傷つくようなことがあったら」
ほんと、今日の麦わら屋はどうしちまったのか。
「たとえ友達でも、俺はお前をぶっ飛ばしに行くからな」