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拠点の船を変えたあと

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「危ねェ、避けろ!!」

レイラに向かって叫んだ瞬間、また立ってられねぇくらいの風が吹いた。
髪を押さえて顔を上げたレイラが、落ちてくるフランキーに気づく。
瞬間、白い体が黒く変色した。

ところが。
次の瞬間、レイラは元の白に戻って、大きな衝撃音が強風にさらわれた。



「本~~ッ当―に面目ねェ!!!」
「大丈夫よ、治るケガだから」
「イヤでもよ、嫁入り前の嬢ちゃんをキズモノにしちまって…!!」
「ちょっとアンタ、その言い方辞めなさいよフランキー」
「ある意味嫁入り済みじゃねェ?」
「別にキズモノとは言えないでしょうし」
「そうだぞ、跡は残らねぇからな!」

私が寝かされているベッドをみんなが取り囲んでいる。
マストから落下したフランキーの下敷きになった私を、心配しているのだ。

「右の鎖骨にヒビ、左腕も折れてるな。右足もだ」
「でもあの高さとフランキーの重さ考えたら、これくらいで済んで良かったんじゃない?」
「フランキーが無傷なのが皮肉よね」
「ロボのくせに」
「ロボのくせに」
「いやロボだからだろ」
「本ッッ当すまねぇ!!」
「だーから、仕方ないってば事故よ事故!」

ひとしきり心配の嵐にあって、優秀な船医による体の大半の固定を済ませて、
一人になったところで医務室を抜け出した。

「何してんだ、こんなところで」

ゾロに声をかけられて肩をすくめる。さっそく見つかった。

「うーん、気分転換?」
「チョッパーが騒ぐぞ」
「そうだけど…風にあたりたくて」

ゾロが手摺にもたれて夜の海に視線を投げた。

「あの時、なんで覇気を解いた」
「…」
「あのまま武装色を纏えばお前はケガしなかったはずだ」
「…バレてたのね」

苦笑して夜空を見上げる。

「あの時、フランキーが背骨を折る図が見えて。ほら、背中は生身だから」
「…そうだな」
「受け身取れる私の方が軽傷で済むって思ったの」
「つっても骨折だろうが」
「でもここまで自力で来られるくらいだし」
「…」

“打ち所が悪ければ即死だったんだぞ!!”と怒り顔で言う船医がまぶたに蘇る。

「避けりゃあ良かったじゃねェか」
「立ってるのもやっとの風で避けられないでしょ」
「…ったく」

ゾロが海に背を向けて手摺に腰かける。

「テメェは自分のケガを軽く見すぎだ。今回のだってテメェが体張る必要なかっただろ」
「…それを、ゾロに言われると思ってなかった」
「あ?」
「いつも真っ先に体張りに行くくせに」
「何言ってんだ。お前は女だろうが。同じように考えんな」

…この人は本当に、女子供に甘い。

「…ふふ」
「なに笑ってんだよ。ちゃんと聞いて、」
「ありがとう」
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