ひとりで海に出てから
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「…それって、つまり監禁よね?」
「治療だと何度言えばわかる」
「…治療でも『俺以外と会うな』はありえないでしょう」
「ベポやペンギンも許可する」
「…」
船長室から出ることを禁じられた。
ロー自身もあまり部屋から出ない。
一日中同じ部屋にこもっていることになった。
「息苦しい」
「なら窓開けろ」
潜水艇の窓は分厚いけど、海上航行中は心地いい風が入る。
「おい」
「…?」
「そっちの端に座れ」
顎でソファの左端を示される。
やることもないので素直に従うと、逆の端に座っていたローがごろんと寝転んできた。
「え。」
「動くなよ」
傍若無人な態度にカチンと来つつ、私は心地よい風に徐々に睡魔に負けていった。
*
レイラがうとうとと眠り始めた。
この間の一件以来、こいつは一日の半分以上を眠って過ごしている。
右肩を診察して驚いた。
骨格や皮膚にはなにも変化がないのに、筋肉と血管、神経だけが損傷していた。
そして、損傷具合に対しては驚くほど速い回復が見られる。
眠りがダイレクトに治癒へつながるようだった。
カラワヤの一族。
不老不死。
ジョーカーが好きそうな話だ。
「…渡さねぇからな」
*
俺達が旗揚げして数年後、近くの街に有名な薬師が出没しているという情報を聞いた。
実際に会ったのはそこから更に1年が経過した後のことだったが。
腕利きだという評判にはいつも一つの噂が付いて回っていた。
店員全員が妊娠したせいで、従業員を全員男にしなければならなくなった居酒屋の逸話。
「…で?何をしたんだ?」
「…あなたができることとほぼ同じよ」
「具体的には」
「体をスクリーニングして、滞ってる箇所を見つけたから、スムーズに流れるようにしただけ」
「…なるほどな」
「あとの人たちも同じで、酔い潰れてる時とかに夢見を使ってちょっと治したり」
「それだけで全員妊娠するか?」
「あとは男の人たちがその気になるハーブティーとか薬草酒を出したり」
「策士だな」
「光栄です」
実際に会ってみて、ただの薬師ではないことが即座に分かった。
仲間に引き入れようと画策するも、海上航行中に脱走を試み説得には応じず、情に訴えかけるも落ちずと散々な結果になった。
だから今回、治療を理由に手元に置いておくことができるのは、俺にとっては願ってもないチャンスだった。
「治療だと何度言えばわかる」
「…治療でも『俺以外と会うな』はありえないでしょう」
「ベポやペンギンも許可する」
「…」
船長室から出ることを禁じられた。
ロー自身もあまり部屋から出ない。
一日中同じ部屋にこもっていることになった。
「息苦しい」
「なら窓開けろ」
潜水艇の窓は分厚いけど、海上航行中は心地いい風が入る。
「おい」
「…?」
「そっちの端に座れ」
顎でソファの左端を示される。
やることもないので素直に従うと、逆の端に座っていたローがごろんと寝転んできた。
「え。」
「動くなよ」
傍若無人な態度にカチンと来つつ、私は心地よい風に徐々に睡魔に負けていった。
*
レイラがうとうとと眠り始めた。
この間の一件以来、こいつは一日の半分以上を眠って過ごしている。
右肩を診察して驚いた。
骨格や皮膚にはなにも変化がないのに、筋肉と血管、神経だけが損傷していた。
そして、損傷具合に対しては驚くほど速い回復が見られる。
眠りがダイレクトに治癒へつながるようだった。
カラワヤの一族。
不老不死。
ジョーカーが好きそうな話だ。
「…渡さねぇからな」
*
俺達が旗揚げして数年後、近くの街に有名な薬師が出没しているという情報を聞いた。
実際に会ったのはそこから更に1年が経過した後のことだったが。
腕利きだという評判にはいつも一つの噂が付いて回っていた。
店員全員が妊娠したせいで、従業員を全員男にしなければならなくなった居酒屋の逸話。
「…で?何をしたんだ?」
「…あなたができることとほぼ同じよ」
「具体的には」
「体をスクリーニングして、滞ってる箇所を見つけたから、スムーズに流れるようにしただけ」
「…なるほどな」
「あとの人たちも同じで、酔い潰れてる時とかに夢見を使ってちょっと治したり」
「それだけで全員妊娠するか?」
「あとは男の人たちがその気になるハーブティーとか薬草酒を出したり」
「策士だな」
「光栄です」
実際に会ってみて、ただの薬師ではないことが即座に分かった。
仲間に引き入れようと画策するも、海上航行中に脱走を試み説得には応じず、情に訴えかけるも落ちずと散々な結果になった。
だから今回、治療を理由に手元に置いておくことができるのは、俺にとっては願ってもないチャンスだった。