ひとりで海に出てから
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
グランドラインの前半に、薬草が群生する夏島がある。
おばあちゃんが残した覚え書きの材料がほぼ完ぺきに自生していたので、年に何度か採取に訪れていた。
その島に5度目に足を踏み入れた時、島民が落ち着かない様子なのを察した。
「ジグロさん」
「あーレイラちゃん、来てたのかい」
「何かあったんですか?」
「いやー裏の海岸に海賊船が泊っててみんな怖がってんのさ」
「海賊船…」
「偶然来たにしちゃ、ログが2日で溜まるところをもう1週間は居るもんで、気味が悪くてねェ」
「そうなんですね」
「あんたも気を付けなよ」
「ありがとうございます」
一通りの薬草を採取した当たりで森の中を尾けてくる気配を感じた。
開けた場所に誘導し振り返ると、長身で目付きの悪い男の人が現れた。
彼は海賊船の船長であり、医師であり、名前をトラファルガー・ローと名乗った。
私の噂と出没情報を聞いて、ここで待ち伏せていたと。
「稀代の薬師レイラってあんたのことだろ」
「…そうだって言ったら?」
「あんたの持つ薬学の知識をもらう」
「違うって言ったら」
「薬草を手に持ってんだから同じことだ」
なにこの唯我独尊ぽい人。
「知識はそう簡単に得られる物じゃないってお医者さんなら知ってると思うけど」
「あァ、簡単じゃなかったさ。あんたの噂を初めて聞いたのは去年の今頃だったからな」
「…1年間私を探してたってこと?」
「そうだな。だがそんなことはいい。うちの船に招待させてくれ」
「海賊船に招待されてはいそうですかって行く人は相当なバカか手練れじゃないかしら」
そこそこ強そうだ。船に上がれば勝ち目はないからこの場で逃げ切るのが得策。
不意に男が電伝虫を取り出した。
「おいベポ、今すぐ出港だ」
逃げよう。そう判断して踵を返して走り出す。
”ROOM”
声と共に水色の何かが追いかけてきた。
”シャンブルズ”
声を聞いたと思った瞬間、私は見知らぬ部屋の中に居たのだった。
*
拉致されたあの日、ローは「おれ達は海賊だ。欲しいものは力づくで奪う」と宣った。
脱走しようにも、水色のサークルが追いかけてきて連れ戻される。
徐々に諦めの境地に入り、意外に快適な潜水艇ライフを満喫することにした。
薬を作る工程を一部見せると、代わりにと外科的処置のやり方を教えてくれた。
3つ先の島まで乗せてもらう約束にし、1つ目の島にたどり着いた日のこと。
部屋で薬の売り上げを数えていると、急に甲板が騒がしくなった。
覇気を展開する。
甲板で誰かが陸を指して絶叫していて、何人かが船を飛び下り走っていく。
その先に、今にも死にそうなふたり。
甲板へ意識を集中する。
血まみれのシャチが、4人がかりで担がれて船へ運び込まれる。
その後ろから、今にも千切れそうな右腕をぶら下げたロー。
クルーの心の声がする。
{シャチ、これ肺まで行っちまってんじゃねえか}
{キャプテンの腕、上腕動脈損傷だな、出血が止まらない}
{今のシャチを助けられるのはキャプテンだけだけど、どう見ても腕神経叢が…}
「お前らシャチを手術室に運べ、俺とシャチの分の輸血ありったけもってこい」
「キャプテン、でも」
「この船で、一番腕のいい医者は誰だ?…早くしろ!!」
「っ、アイアーイ!!!」
おばあちゃんが残した覚え書きの材料がほぼ完ぺきに自生していたので、年に何度か採取に訪れていた。
その島に5度目に足を踏み入れた時、島民が落ち着かない様子なのを察した。
「ジグロさん」
「あーレイラちゃん、来てたのかい」
「何かあったんですか?」
「いやー裏の海岸に海賊船が泊っててみんな怖がってんのさ」
「海賊船…」
「偶然来たにしちゃ、ログが2日で溜まるところをもう1週間は居るもんで、気味が悪くてねェ」
「そうなんですね」
「あんたも気を付けなよ」
「ありがとうございます」
一通りの薬草を採取した当たりで森の中を尾けてくる気配を感じた。
開けた場所に誘導し振り返ると、長身で目付きの悪い男の人が現れた。
彼は海賊船の船長であり、医師であり、名前をトラファルガー・ローと名乗った。
私の噂と出没情報を聞いて、ここで待ち伏せていたと。
「稀代の薬師レイラってあんたのことだろ」
「…そうだって言ったら?」
「あんたの持つ薬学の知識をもらう」
「違うって言ったら」
「薬草を手に持ってんだから同じことだ」
なにこの唯我独尊ぽい人。
「知識はそう簡単に得られる物じゃないってお医者さんなら知ってると思うけど」
「あァ、簡単じゃなかったさ。あんたの噂を初めて聞いたのは去年の今頃だったからな」
「…1年間私を探してたってこと?」
「そうだな。だがそんなことはいい。うちの船に招待させてくれ」
「海賊船に招待されてはいそうですかって行く人は相当なバカか手練れじゃないかしら」
そこそこ強そうだ。船に上がれば勝ち目はないからこの場で逃げ切るのが得策。
不意に男が電伝虫を取り出した。
「おいベポ、今すぐ出港だ」
逃げよう。そう判断して踵を返して走り出す。
”ROOM”
声と共に水色の何かが追いかけてきた。
”シャンブルズ”
声を聞いたと思った瞬間、私は見知らぬ部屋の中に居たのだった。
*
拉致されたあの日、ローは「おれ達は海賊だ。欲しいものは力づくで奪う」と宣った。
脱走しようにも、水色のサークルが追いかけてきて連れ戻される。
徐々に諦めの境地に入り、意外に快適な潜水艇ライフを満喫することにした。
薬を作る工程を一部見せると、代わりにと外科的処置のやり方を教えてくれた。
3つ先の島まで乗せてもらう約束にし、1つ目の島にたどり着いた日のこと。
部屋で薬の売り上げを数えていると、急に甲板が騒がしくなった。
覇気を展開する。
甲板で誰かが陸を指して絶叫していて、何人かが船を飛び下り走っていく。
その先に、今にも死にそうなふたり。
甲板へ意識を集中する。
血まみれのシャチが、4人がかりで担がれて船へ運び込まれる。
その後ろから、今にも千切れそうな右腕をぶら下げたロー。
クルーの心の声がする。
{シャチ、これ肺まで行っちまってんじゃねえか}
{キャプテンの腕、上腕動脈損傷だな、出血が止まらない}
{今のシャチを助けられるのはキャプテンだけだけど、どう見ても腕神経叢が…}
「お前らシャチを手術室に運べ、俺とシャチの分の輸血ありったけもってこい」
「キャプテン、でも」
「この船で、一番腕のいい医者は誰だ?…早くしろ!!」
「っ、アイアーイ!!!」