あかいふねでのおはなし
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事の発端は、お頭の腕が無くなったことだった。
あの一件の後、お頭は命が危ういほどの高熱を出した。
クルー交替で看病していたが、レイラが看病した夜が明けると熱は下がった。
次の日また高熱が出て、試しにレイラをつけるとまた熱が下がった。
それが幾度も繰り返され、いつしかうちの姫さんはお頭のベッドで一緒に寝るようになっていた。
最初に気づいたのは船医だった。
「なあ、レイラ」
「なあに?」
「ちょっと左手見せてみろ」
手を取られたレイラはひどく顔をゆがめる。
二の腕を押されて飛び上がった。目に湧き上がる涙。
「…ったい」
「…どこかに、ぶつけたか?」
「うーん、わかんない」
「…ベックマン」
「なんだ」
「姫さん、最近戦闘に加わったことなかったよな?」
「あァ、ないな」
「…ふうむ。ちょっと左手痛くないようにするか」
「…うん」
船医に押されて小さい背中は船内に入っていった。
「…ベックマン、ちょっといいか」
「筋挫傷?」
「あァ、しかも不思議なことに表面には出血や打撲はなく、見事に筋肉だけが損傷してる」
「そんなこと、起きるのか」
「常識では考えにくいが…ここはグランドラインだからな」
「ハハっ、そうだな」
*
シャンクスの左肩にくっつく。
日なたの匂い。
目を閉じる。
ゆらりと揺れて気が付くとシャンクスが目の前に立ってる。
ここで会うシャンクスには腕がある。でも、きっともうすぐ腕も消えるんだ。
目の前にいるシャンクスの腕と頭にさわる。
段々腕が重くなって、痛みがつよくなる。
それでも、手は離さない。
痛みが強くなりすぎて、ほんとうに気を失う時まで、シャンクスの痛みをもらい続ける。
目が覚める。
まだ真っ暗だから夜中だ。
左腕がジンジンして、吐きそう。
体を起こすともっと痛くなるから、痛さと気持ち悪さのなかにただじっとする。
そのうち勝手に眠くなるはず、と自分におまじないをかけながら。
あの一件の後、お頭は命が危ういほどの高熱を出した。
クルー交替で看病していたが、レイラが看病した夜が明けると熱は下がった。
次の日また高熱が出て、試しにレイラをつけるとまた熱が下がった。
それが幾度も繰り返され、いつしかうちの姫さんはお頭のベッドで一緒に寝るようになっていた。
最初に気づいたのは船医だった。
「なあ、レイラ」
「なあに?」
「ちょっと左手見せてみろ」
手を取られたレイラはひどく顔をゆがめる。
二の腕を押されて飛び上がった。目に湧き上がる涙。
「…ったい」
「…どこかに、ぶつけたか?」
「うーん、わかんない」
「…ベックマン」
「なんだ」
「姫さん、最近戦闘に加わったことなかったよな?」
「あァ、ないな」
「…ふうむ。ちょっと左手痛くないようにするか」
「…うん」
船医に押されて小さい背中は船内に入っていった。
「…ベックマン、ちょっといいか」
「筋挫傷?」
「あァ、しかも不思議なことに表面には出血や打撲はなく、見事に筋肉だけが損傷してる」
「そんなこと、起きるのか」
「常識では考えにくいが…ここはグランドラインだからな」
「ハハっ、そうだな」
*
シャンクスの左肩にくっつく。
日なたの匂い。
目を閉じる。
ゆらりと揺れて気が付くとシャンクスが目の前に立ってる。
ここで会うシャンクスには腕がある。でも、きっともうすぐ腕も消えるんだ。
目の前にいるシャンクスの腕と頭にさわる。
段々腕が重くなって、痛みがつよくなる。
それでも、手は離さない。
痛みが強くなりすぎて、ほんとうに気を失う時まで、シャンクスの痛みをもらい続ける。
目が覚める。
まだ真っ暗だから夜中だ。
左腕がジンジンして、吐きそう。
体を起こすともっと痛くなるから、痛さと気持ち悪さのなかにただじっとする。
そのうち勝手に眠くなるはず、と自分におまじないをかけながら。