光を失ってから取り戻すまで
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いつも通り、村人たちの不調を治してやって、家に帰ろうとしたところで、道の向こうに立つ人影を見つけた。
この平和な村に不釣り合いな黒いローブ。
ドクリ、と胸が鳴る。
危険性を感じたからではない。
フードが外された。
現れた金色の髪、済んだ黒い瞳。
「っ、マルコ、」
数十メートルの距離を一瞬で詰めて、オレの首元に飛びついて来た。
「すぐ、来られなくて、ごめんなさい」
漂ってくる昔と同じ匂いに、嫌でも感情は昂る。
「…生きててくれて、ありがとう、マルコ」
また鈴のような声が耳に届き、思わず華奢な体を抱きしめ返した。
記憶にあるより頼りなくなった体に苦笑しながら、ずっと言いたかった言葉を思い出す。
「オメェも、よく生きてたな…レイラ」
*
「よくここがわかったな」
「…頑張って探したからね」
「あれからどうしてたんだよい」
「聞く?長いよ?」
「あァ、ありがてェことに時間だけはあるからな」
「…マルコが…時間があるだなんて…!!」
目を丸くしてオレを見るコイツは、同じ船に乗っていた「家族」の一人だ。
オレから見て、「末弟の嫁」
あの船では唯一の「息子の嫁」だった。
*
「…それで今はそのルーキーの船を拠点にしてる」
コイツは相当のことがない限り拠点の船をつくらない。
「なんでルーキーの船なんだよい?」
「…治療費の関係…」
「あァ…」
コイツは薬師関連の生業でそこそこの日銭を稼いでくる。
俺らの船にいた時は、一カ月の敵襲での収入と、こいつの収入が同じだった月もあったほどだ。
「…タカられてんのかよい」
「そういう言い方…まあ、そうとも言えるけど」
「…それより、あれだけあちこちに顔出しといて、未だに手配書がねえのは大したもんだ」
「そのためのローブだからね」
こいつの名前は賞金首としてではなく、一人の薬師として世界に響いている。
「よくやるよい、歴代最高の薬師、レイラさんよい?」
口元が弧を描いた。
この平和な村に不釣り合いな黒いローブ。
ドクリ、と胸が鳴る。
危険性を感じたからではない。
フードが外された。
現れた金色の髪、済んだ黒い瞳。
「っ、マルコ、」
数十メートルの距離を一瞬で詰めて、オレの首元に飛びついて来た。
「すぐ、来られなくて、ごめんなさい」
漂ってくる昔と同じ匂いに、嫌でも感情は昂る。
「…生きててくれて、ありがとう、マルコ」
また鈴のような声が耳に届き、思わず華奢な体を抱きしめ返した。
記憶にあるより頼りなくなった体に苦笑しながら、ずっと言いたかった言葉を思い出す。
「オメェも、よく生きてたな…レイラ」
*
「よくここがわかったな」
「…頑張って探したからね」
「あれからどうしてたんだよい」
「聞く?長いよ?」
「あァ、ありがてェことに時間だけはあるからな」
「…マルコが…時間があるだなんて…!!」
目を丸くしてオレを見るコイツは、同じ船に乗っていた「家族」の一人だ。
オレから見て、「末弟の嫁」
あの船では唯一の「息子の嫁」だった。
*
「…それで今はそのルーキーの船を拠点にしてる」
コイツは相当のことがない限り拠点の船をつくらない。
「なんでルーキーの船なんだよい?」
「…治療費の関係…」
「あァ…」
コイツは薬師関連の生業でそこそこの日銭を稼いでくる。
俺らの船にいた時は、一カ月の敵襲での収入と、こいつの収入が同じだった月もあったほどだ。
「…タカられてんのかよい」
「そういう言い方…まあ、そうとも言えるけど」
「…それより、あれだけあちこちに顔出しといて、未だに手配書がねえのは大したもんだ」
「そのためのローブだからね」
こいつの名前は賞金首としてではなく、一人の薬師として世界に響いている。
「よくやるよい、歴代最高の薬師、レイラさんよい?」
口元が弧を描いた。