白い船での話
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レイラがいない。
って言っても大体の居場所は特定できてる。
「おい、イゾウ、入るぞ」
イゾウと銃の手入れをしてるか、
「残念だな、俺だけだ」
「サッチ、なんか食うモン!あとレイラいるか?」
キッチンで皿洗いしてるか、
「夕飯は2時間後だ!レイラちゃんは俺っちも会いたい!」
「…」
ナースたちとお茶会してるか、
「エース隊長、レイラもいないしお菓子もあげないわよ」
「マルコー、レイラ来てるか?」
マルコの部屋で事務作業手伝ってるか。
「いらっしゃいエース」
「…オメェ、自分の隊の報告書も出さずいい度胸だよい!!」
…ここに居られるのが正直一番面倒だ。
いつもより目を吊り上げたマルコに迫られる。
「いやーそれはですね、」
「ここに持って来たら一緒に手伝えるよ、エース」
「あまりこいつを甘やかさねぇでくれよい」
「ごめんごめん」
「おっし今持ってくる!」
両手にぎりぎり抱えられる量の書類を持ち込むと二人が溜息をついた気がした。
さっきは書類で山積みになっていたレイラの隣の机がきれいになっていて、まずはそこに持ってきた書類を降ろす。
ついいつもの癖で扉に歩き出そうとすると、後ろからベルトを掴まれ、前にはマルコが立ちふさがった。
「逃げられると思ってるのかよい…?」
「手伝うとは言ったけどやらなくていいとは言ってないよね…!?」
*
なんとかすべての書類を形にして、倒れるように眠り始めたエースの髪を、レイラがなでる。
「一応マルコのチェックが必要だけど、内容はたぶん大丈夫。
たとえ間違っててもマルコのほうで直せるとこだと思うから」
「…ひとまず締切が近いものは済んだかねい」
「一カ月先の締切の書類までは完了してるわ」
「さすがレイラ、秘書に欲しいくらいだよい」
「そしたらみんな書類やらなくなっちゃうでしょう」
あれからレイラは隣の席のエースの書類を整えて指示を出しながら、他の隊の書類のチェックを同時並行で進めて、明後日までに処理したかった量が今日一日で終わりを迎えた。
「ほんと助かったよい」
「いいの、じゃあ、約束守ってくれる?」
「あァ、仕方ねぇよい」
「そう来なくっちゃ」
「その前にレイラ、なんか飲むかよい」
「いいのー?ココア!疲れた時は甘いもの!」
「わかったよい」
むくり、とエースが起きる。
「俺も飲む!」
「あれココア好きだっけ?」
「腹減ったから」
「あ、そうね」
「…なァ、約束ってなんだ?」
「聞いてたのかよい」
「あァ、何約束したんだよ?」
レイラが少し困った顔でこちらを見る。
「たいしたことじゃないんだけど…」
「たいしたことじゃないなら教えられるだろ」
「…いい?マルコ」
「あァ俺は構わねえよい」
このじれったいやり取りに末弟の機嫌がどんどん下降するのが見て取れる。
「…書類が今日中に終わったら、マルコに、」
「あァ」
「二日間お休みを取ってもらおうと思って」
「…は?」
「だから、マルコに休暇を」
「なんでレイラがマルコに休み取らせる約束してんだよ?ふつう逆じゃねえか?」
「だよな、俺もそう思うよい」
「だって!この間キューカ島滞在日数みたら、みんな一週間くらいとってるのに、
マルコだけ0日なのよ?一番大変な仕事なのに!」
「…大変だから取れないんだって説明したんだけどよい」
「それなら何人かでやればいい話なのに、マルコ全然周りに振らないから」
「…それでその約束になったってワケか」
「そう。エースが来てよかったわ、じゃなきゃもう一日完了が伸びるとこだったもの」
わいわいと言い合う末弟とその連れを見ながら、兄弟だけじゃなくその周りの人間にも恵まれていることを実感する。
「さ、ココア出来たよい。飲んだら夫婦喧嘩はよそ行ってやってくれよい」
「夫婦喧嘩じゃないから!」
「お、いただきまーす」
って言っても大体の居場所は特定できてる。
「おい、イゾウ、入るぞ」
イゾウと銃の手入れをしてるか、
「残念だな、俺だけだ」
「サッチ、なんか食うモン!あとレイラいるか?」
キッチンで皿洗いしてるか、
「夕飯は2時間後だ!レイラちゃんは俺っちも会いたい!」
「…」
ナースたちとお茶会してるか、
「エース隊長、レイラもいないしお菓子もあげないわよ」
「マルコー、レイラ来てるか?」
マルコの部屋で事務作業手伝ってるか。
「いらっしゃいエース」
「…オメェ、自分の隊の報告書も出さずいい度胸だよい!!」
…ここに居られるのが正直一番面倒だ。
いつもより目を吊り上げたマルコに迫られる。
「いやーそれはですね、」
「ここに持って来たら一緒に手伝えるよ、エース」
「あまりこいつを甘やかさねぇでくれよい」
「ごめんごめん」
「おっし今持ってくる!」
両手にぎりぎり抱えられる量の書類を持ち込むと二人が溜息をついた気がした。
さっきは書類で山積みになっていたレイラの隣の机がきれいになっていて、まずはそこに持ってきた書類を降ろす。
ついいつもの癖で扉に歩き出そうとすると、後ろからベルトを掴まれ、前にはマルコが立ちふさがった。
「逃げられると思ってるのかよい…?」
「手伝うとは言ったけどやらなくていいとは言ってないよね…!?」
*
なんとかすべての書類を形にして、倒れるように眠り始めたエースの髪を、レイラがなでる。
「一応マルコのチェックが必要だけど、内容はたぶん大丈夫。
たとえ間違っててもマルコのほうで直せるとこだと思うから」
「…ひとまず締切が近いものは済んだかねい」
「一カ月先の締切の書類までは完了してるわ」
「さすがレイラ、秘書に欲しいくらいだよい」
「そしたらみんな書類やらなくなっちゃうでしょう」
あれからレイラは隣の席のエースの書類を整えて指示を出しながら、他の隊の書類のチェックを同時並行で進めて、明後日までに処理したかった量が今日一日で終わりを迎えた。
「ほんと助かったよい」
「いいの、じゃあ、約束守ってくれる?」
「あァ、仕方ねぇよい」
「そう来なくっちゃ」
「その前にレイラ、なんか飲むかよい」
「いいのー?ココア!疲れた時は甘いもの!」
「わかったよい」
むくり、とエースが起きる。
「俺も飲む!」
「あれココア好きだっけ?」
「腹減ったから」
「あ、そうね」
「…なァ、約束ってなんだ?」
「聞いてたのかよい」
「あァ、何約束したんだよ?」
レイラが少し困った顔でこちらを見る。
「たいしたことじゃないんだけど…」
「たいしたことじゃないなら教えられるだろ」
「…いい?マルコ」
「あァ俺は構わねえよい」
このじれったいやり取りに末弟の機嫌がどんどん下降するのが見て取れる。
「…書類が今日中に終わったら、マルコに、」
「あァ」
「二日間お休みを取ってもらおうと思って」
「…は?」
「だから、マルコに休暇を」
「なんでレイラがマルコに休み取らせる約束してんだよ?ふつう逆じゃねえか?」
「だよな、俺もそう思うよい」
「だって!この間キューカ島滞在日数みたら、みんな一週間くらいとってるのに、
マルコだけ0日なのよ?一番大変な仕事なのに!」
「…大変だから取れないんだって説明したんだけどよい」
「それなら何人かでやればいい話なのに、マルコ全然周りに振らないから」
「…それでその約束になったってワケか」
「そう。エースが来てよかったわ、じゃなきゃもう一日完了が伸びるとこだったもの」
わいわいと言い合う末弟とその連れを見ながら、兄弟だけじゃなくその周りの人間にも恵まれていることを実感する。
「さ、ココア出来たよい。飲んだら夫婦喧嘩はよそ行ってやってくれよい」
「夫婦喧嘩じゃないから!」
「お、いただきまーす」