白い船での話
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レイラがいない。
って言っても大体の居場所は特定できてる。
「マルコー、レイラ来てるか?」
マルコの部屋で事務作業手伝ってるか、
「いいや、来てないよい。俺も探してんだよい」
「サッチ、なんか食うモン!あとレイラいるか?」
キッチンで皿洗いして(つまみ食いして)るか、
「もう夕飯終わったろ!レイラちゃんは飯のついでか!」
「…」
ナースたちとパジャマ会してるか。
「エース隊長、レイラならいないわよ」
ここも不発となると。
「おい、イゾウ、入るぞ」
「エースか」
「あ、いらっしゃーい」
ビンゴだ。
「レイラを探しに来たのか?」
「あァ、まあな」
夜、化粧を落としたイゾウは男っぽさが増す。
「…もう寝るの?」
「いや、まだ寝ねえ」
「そっか、眠くなったら教えて」
レイラは猟銃を使うから、銃使いのイゾウと手入れとか部品について話し込んでるのをよく見る。
ここの部屋は提灯で明かりを取っていて、ほの暗い。
イゾウの手元にある銃にレイラが近寄る、同じ興味を挟んで至近距離で向き合うことを、時々たまらない気持ちで見ている自分に気づく。
無言で立ち上がる俺にレイラが視線を上げた。
「…寝る?」
「あァ」
「私も戻る」
イゾウと二言三言交わして部屋を後にするレイラ。
気づかれたくねぇ、このどす黒い嫉妬なんか。
「…明日はエースやることあるの?」
「…報告書」
「ふふ、手伝うよ」
くるりとレイラが下から覗き込んでくる。
「報告書終わったら一緒にお昼寝しよう」
にっこり、と俺の好きな笑顔が向けられる。
たぶん嫉妬したことには気づいてんだろ。
それがうっとうしいような、嬉しいような、微妙な気持ちにさせられる。
結局はそれを、本人の体にぶつけることになるわけだが。
*
「よし、これでいいかな」
「助かった、サンキュ」
「やれば早いのにねーエースは」
「めんどくせえんだよなー」
「ふふ、早くマルコに出してきて」
甲板にいるね、とひらひら手を振りながら部屋を出ていくレイラを目で追って、書類の山をマルコの部屋まで運ぶ。
地味な小言を聞き流して、それでも結構時間は食ったなぁと思いながら甲板に出ると、レイラの横にイゾウが座って、昨日と同じように銃について話をしていた。
小さくメラっと立ち上がる炎。
レイラがこっちを向いて、花が咲くように笑う。
イゾウに「じゃあ行くね」と言って、小走りに駆けてきた。
「エース、遅かったね」
「…小言くらってた」
「小言?どんな?」
「レイラがいなくてもちゃんと書類しなきゃだめだよい、とか」
「うん、正論ね」
レイラに手を繋がれる。
「さ、お昼寝日和!」
*
末弟の元に駆けていく後姿を見ながら目を細める。
自分を見つけたら必ず駆け寄ってくる存在を持つのは、どんな気分だろう。
幼馴染だというだけで、努力せずにその存在を独占している末弟を、うらやましく思う。
「イイよねぇ」
って言っても大体の居場所は特定できてる。
「マルコー、レイラ来てるか?」
マルコの部屋で事務作業手伝ってるか、
「いいや、来てないよい。俺も探してんだよい」
「サッチ、なんか食うモン!あとレイラいるか?」
キッチンで皿洗いして(つまみ食いして)るか、
「もう夕飯終わったろ!レイラちゃんは飯のついでか!」
「…」
ナースたちとパジャマ会してるか。
「エース隊長、レイラならいないわよ」
ここも不発となると。
「おい、イゾウ、入るぞ」
「エースか」
「あ、いらっしゃーい」
ビンゴだ。
「レイラを探しに来たのか?」
「あァ、まあな」
夜、化粧を落としたイゾウは男っぽさが増す。
「…もう寝るの?」
「いや、まだ寝ねえ」
「そっか、眠くなったら教えて」
レイラは猟銃を使うから、銃使いのイゾウと手入れとか部品について話し込んでるのをよく見る。
ここの部屋は提灯で明かりを取っていて、ほの暗い。
イゾウの手元にある銃にレイラが近寄る、同じ興味を挟んで至近距離で向き合うことを、時々たまらない気持ちで見ている自分に気づく。
無言で立ち上がる俺にレイラが視線を上げた。
「…寝る?」
「あァ」
「私も戻る」
イゾウと二言三言交わして部屋を後にするレイラ。
気づかれたくねぇ、このどす黒い嫉妬なんか。
「…明日はエースやることあるの?」
「…報告書」
「ふふ、手伝うよ」
くるりとレイラが下から覗き込んでくる。
「報告書終わったら一緒にお昼寝しよう」
にっこり、と俺の好きな笑顔が向けられる。
たぶん嫉妬したことには気づいてんだろ。
それがうっとうしいような、嬉しいような、微妙な気持ちにさせられる。
結局はそれを、本人の体にぶつけることになるわけだが。
*
「よし、これでいいかな」
「助かった、サンキュ」
「やれば早いのにねーエースは」
「めんどくせえんだよなー」
「ふふ、早くマルコに出してきて」
甲板にいるね、とひらひら手を振りながら部屋を出ていくレイラを目で追って、書類の山をマルコの部屋まで運ぶ。
地味な小言を聞き流して、それでも結構時間は食ったなぁと思いながら甲板に出ると、レイラの横にイゾウが座って、昨日と同じように銃について話をしていた。
小さくメラっと立ち上がる炎。
レイラがこっちを向いて、花が咲くように笑う。
イゾウに「じゃあ行くね」と言って、小走りに駆けてきた。
「エース、遅かったね」
「…小言くらってた」
「小言?どんな?」
「レイラがいなくてもちゃんと書類しなきゃだめだよい、とか」
「うん、正論ね」
レイラに手を繋がれる。
「さ、お昼寝日和!」
*
末弟の元に駆けていく後姿を見ながら目を細める。
自分を見つけたら必ず駆け寄ってくる存在を持つのは、どんな気分だろう。
幼馴染だというだけで、努力せずにその存在を独占している末弟を、うらやましく思う。
「イイよねぇ」