白い船での話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ねえ、レイラ」
「…なに?アマンダ」
「エース隊長、また港で女買ってたわよ」
「知ってるわ、そんなこと」
「怒ったり泣いたりしないのね」
「うーん…もうそういう時期は過ぎたのよ」
「本妻の余裕ってやつ?」
「最初と最後だけ私ならそれでいいわ」
「あら、じゃあエース隊長を筆おろししたのはあなたなの?」
「…」
「お互いに初めてづくしの相手ってすごいわね」
「…そんなことないわよ」
不意に声に緊張感がこもって、レイラの顔を見る。
その瞬間、レイラはフッと息を吐き、艶めいた笑みを湛えた。
「あの人の初恋は私じゃないし、私の初体験はあの人じゃないわ」
ゆらりと揺れる視線と目が合った。
「それでも、あの人は私にとって、一生に一人の人だから」
レイラの笑みの妖艶さに、女の私ですら息を呑む。
そして、二つ前の言葉の意味に思い到って、色々な意味で赤面するのだった。
*
「…一番素敵なのは初恋の人と初体験することだけれど、」
「何の話をしてるんだよい」
「普通は恋の後に初体験が来るじゃない?」
「まあ、そうだな」
「ふと思ったの。男を知った後に、初めての恋をするのって、どんな気分なんだろうって」
お酒を取りに船室に入ろうとしたところで、アマンダとマルコの声を聴いた。
自分の話だと理解して、そっと扉から離れた。
それでも見聞色が彼らの声を拾う。
「その恋を、10年間宝物みたいに大事に大事に温めているのを見て、ちょっとだけ、壊してやりたくなっちゃった」
ふふ、と笑う声がやけに悲しげで、その理由を私は一つだけ思いつく。
「誰をどう思おうとお前の勝手だけどよい」
ガタッ、と物音がする。
いま二人がどんな体勢でいるか、少し気になるような絶対に知りたくないような。
「アイツらはそう易々と壊させちゃくれねぇよい」
伝わってくる大人の気配を振り切るように、私の足は甲板へと走る。
「…なに?アマンダ」
「エース隊長、また港で女買ってたわよ」
「知ってるわ、そんなこと」
「怒ったり泣いたりしないのね」
「うーん…もうそういう時期は過ぎたのよ」
「本妻の余裕ってやつ?」
「最初と最後だけ私ならそれでいいわ」
「あら、じゃあエース隊長を筆おろししたのはあなたなの?」
「…」
「お互いに初めてづくしの相手ってすごいわね」
「…そんなことないわよ」
不意に声に緊張感がこもって、レイラの顔を見る。
その瞬間、レイラはフッと息を吐き、艶めいた笑みを湛えた。
「あの人の初恋は私じゃないし、私の初体験はあの人じゃないわ」
ゆらりと揺れる視線と目が合った。
「それでも、あの人は私にとって、一生に一人の人だから」
レイラの笑みの妖艶さに、女の私ですら息を呑む。
そして、二つ前の言葉の意味に思い到って、色々な意味で赤面するのだった。
*
「…一番素敵なのは初恋の人と初体験することだけれど、」
「何の話をしてるんだよい」
「普通は恋の後に初体験が来るじゃない?」
「まあ、そうだな」
「ふと思ったの。男を知った後に、初めての恋をするのって、どんな気分なんだろうって」
お酒を取りに船室に入ろうとしたところで、アマンダとマルコの声を聴いた。
自分の話だと理解して、そっと扉から離れた。
それでも見聞色が彼らの声を拾う。
「その恋を、10年間宝物みたいに大事に大事に温めているのを見て、ちょっとだけ、壊してやりたくなっちゃった」
ふふ、と笑う声がやけに悲しげで、その理由を私は一つだけ思いつく。
「誰をどう思おうとお前の勝手だけどよい」
ガタッ、と物音がする。
いま二人がどんな体勢でいるか、少し気になるような絶対に知りたくないような。
「アイツらはそう易々と壊させちゃくれねぇよい」
伝わってくる大人の気配を振り切るように、私の足は甲板へと走る。