光を失ってから取り戻すまで
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ものすごく懐かしい感覚だった。
「サボくん!どうやったらこんなに書類溜まるのよ!!」
「いやァ、興味ねえヤツばっかだからな!」
「興味なくても仕事は仕事でしょ!?」
机に近づいて、雪崩を起こさないように気を付けながら書類を一枚手に取る。
紙から流れ込む情報。
置いてったのは名前を知らない黒髪短髪の男の人。
焦ってはいるけど、きっと遅いだろうなあって諦めモード。
提出先は倉庫、サボが目を通したらしまう書類。
隣の書類を手に取る。
置いて行ったのはハックさん。
これは必死だ。
提出先はドラゴンさん。
「…明日からここを離れる幹部の人はいる?」
急に喋ったから二人の視線が集まるのがわかる。
「…ドラゴンさんが少しの間離れるはずだけど」
「じゃあこれ、今日中に処理しないと困るんじゃない?」
ひらりと書類をサボの手に置くと、え、と声が漏れた。
「…お前、見えてんのか!?」
「んーん、見えてない」
にっこり笑って首をかしげる。
「わたし、魔女だから」
*
開いた口が塞がらないってこのことだ。
普段書類に埋もれて何が何だか分からなくなっているサボくんの机が、
あっという間に片付いていく。
「サボ、次これ」
「これ期限やべえじゃん!」
「うん、よろしく」
書類の山が半分になってきたのを、奇跡を見るような心境で見つめる。
レイラちゃんが女神さまに見える。神々しい。
ただ、だんだんサボくんのペースが落ちてくるのがわかる。飽きてきたみたいだ。
レイラちゃんがサボくんをじっと見て(見えてないんだけど)、
別に分けてあった紙を手渡した。
「サボ、これなあに?」
「あァ!!!」
サボくんが両手で紙を受け取る。
「これ!!探してたんだ!どっかになくしちまったかと思ってた!!」
「書類に埋もれてたよ」
「ありがとう、レイラ!!」
「何が書いてあるの?」
熱く語り始めたサボくんに、レイラちゃんはうんうんと耳を傾ける。
タイミングよくお昼ご飯のサンドイッチが差し入れられて、三人で食べながらも、
サボくんの話は止まらない。
話の盛り上がりがピークに達したその時。
「よし、じゃあ続きがんばろ!」
「えーこっからがいいとこなのに!」
「終わったら聞かせて?」
「…わかった、巻きで終わらす」
そこからのサボくんの巻き返しはすごかった。
この一カ月、私達がどんなに言っても全然進まなかった書類が、
夕方お部屋を訪ねた時には残り数枚になっていた。
部屋に入る私に顔を上げるレイラちゃん。
サボくんは机に集中している。
「コアラちゃん」
レイラちゃんの小さな呼び声に近づく。
「これ、どこに渡しに行ったらいいかな」
「あ、これなら私が持ってくよ」
「いいの?ありがとう、助かる!」
なんて優秀な秘書さんだろう。
私みたいな周囲の人への気遣いも欠かさない。
…こんな人がサボくんの隣にずっといてくれたらなあ…。
「サボくん!どうやったらこんなに書類溜まるのよ!!」
「いやァ、興味ねえヤツばっかだからな!」
「興味なくても仕事は仕事でしょ!?」
机に近づいて、雪崩を起こさないように気を付けながら書類を一枚手に取る。
紙から流れ込む情報。
置いてったのは名前を知らない黒髪短髪の男の人。
焦ってはいるけど、きっと遅いだろうなあって諦めモード。
提出先は倉庫、サボが目を通したらしまう書類。
隣の書類を手に取る。
置いて行ったのはハックさん。
これは必死だ。
提出先はドラゴンさん。
「…明日からここを離れる幹部の人はいる?」
急に喋ったから二人の視線が集まるのがわかる。
「…ドラゴンさんが少しの間離れるはずだけど」
「じゃあこれ、今日中に処理しないと困るんじゃない?」
ひらりと書類をサボの手に置くと、え、と声が漏れた。
「…お前、見えてんのか!?」
「んーん、見えてない」
にっこり笑って首をかしげる。
「わたし、魔女だから」
*
開いた口が塞がらないってこのことだ。
普段書類に埋もれて何が何だか分からなくなっているサボくんの机が、
あっという間に片付いていく。
「サボ、次これ」
「これ期限やべえじゃん!」
「うん、よろしく」
書類の山が半分になってきたのを、奇跡を見るような心境で見つめる。
レイラちゃんが女神さまに見える。神々しい。
ただ、だんだんサボくんのペースが落ちてくるのがわかる。飽きてきたみたいだ。
レイラちゃんがサボくんをじっと見て(見えてないんだけど)、
別に分けてあった紙を手渡した。
「サボ、これなあに?」
「あァ!!!」
サボくんが両手で紙を受け取る。
「これ!!探してたんだ!どっかになくしちまったかと思ってた!!」
「書類に埋もれてたよ」
「ありがとう、レイラ!!」
「何が書いてあるの?」
熱く語り始めたサボくんに、レイラちゃんはうんうんと耳を傾ける。
タイミングよくお昼ご飯のサンドイッチが差し入れられて、三人で食べながらも、
サボくんの話は止まらない。
話の盛り上がりがピークに達したその時。
「よし、じゃあ続きがんばろ!」
「えーこっからがいいとこなのに!」
「終わったら聞かせて?」
「…わかった、巻きで終わらす」
そこからのサボくんの巻き返しはすごかった。
この一カ月、私達がどんなに言っても全然進まなかった書類が、
夕方お部屋を訪ねた時には残り数枚になっていた。
部屋に入る私に顔を上げるレイラちゃん。
サボくんは机に集中している。
「コアラちゃん」
レイラちゃんの小さな呼び声に近づく。
「これ、どこに渡しに行ったらいいかな」
「あ、これなら私が持ってくよ」
「いいの?ありがとう、助かる!」
なんて優秀な秘書さんだろう。
私みたいな周囲の人への気遣いも欠かさない。
…こんな人がサボくんの隣にずっといてくれたらなあ…。