光を失ってから取り戻すまで
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最近、コアラちゃんからトゲのある気配を感じる。サボに対するモヤモヤが、そのまま私に向いているような。恋なのか、なんなのか。プライバシーだから覗かないように気を付けている。
ある日の昼食、コアラちゃんが隣の席を陣取ってきた。
「ねえレイラちゃん、私と手合わせしてよ!」
「手合わせかあ、今鈍ってるからなあ」
「いいでしょ?レイラちゃんと手合わせしてみたいの」
「…そこまで言うなら」
鍛錬場に初めて入る。
結構広めの部屋だから、かなり実践的な立ち回りが出来るだろう。
それにしても。
コアラちゃんの気配が気になる。
*
「サボ」
「あぁロビンか、どうした?」
「今、コアラがレイラを連れて鍛錬場に入っていくのが見えたんだけど」
「…何かやる気か?」
「手合わせするって言ってたわ」
「手合わせ…」
「見に行ってあげたら?参謀総長さん」
鍛錬場に足を向ける。
近くなるほどに強くなる焦り。
扉を開けると、異様なほどの緊張感が辺りを包んでいた。
コアラが繰り出す正拳突きをレイラが舞い上がり躱す。
レイラの飛び蹴りに間合いを取り、リーチが伸び切った瞬間に突っ込んでいくコアラ。
コアラの手がレイラの足を捕える。
-背中から地面に叩きつける気だ、
「おいコア」
レイラの足を地面に向かって振り下ろす、その瞬間。
逆にコアラが浮き上がった。
コアラを足にぶら下げたままレイラが宙に浮いている。
ハッと見上げたコアラに向かって、レイラは自由な方の足を振り下ろした。
「っキャアァ!!」
コアラが床に叩きつけられる瞬間、受け身を取る。
地面に降り立つレイラ。
跳ね起きて間髪入れずに向かっていくコアラ。
息を呑む攻防が続く。
でも、戦いの最中のはずなのに、二人の動きが流れるようで、
優雅な舞を見ているような妙な気分に陥った。
ある瞬間、不意にコアラがレイラの腕を捉えた。
肩に担いで、一本背負いの姿勢を取ったコアラ。
脳天から地面に落ちるコンマ数秒の間に、レイラは体を丸めて、逆にコアラの下に回り込む姿勢を取った。
並みの動体視力の人間が見れば、コアラが投げようとしていたのに
急に両者が左右に弾け飛んだように見えただろう。
レイラが空気を蹴って、その反動でコアラは床に、本人は壁へ飛び、壁の反力を使いながら手刀を携えて一気にコアラの喉元へ飛ぶ。
手刀が喉に当たる、と思った寸前でレイラはぴたりと止まった。
微動だにしないレイラ。
細かく震えるコアラ。
「勝負、あったかしら」
瞬間、静まり返った鍛錬場が、一気に歓声に包まれる。
「スゲェ!レイラが一本取っちまった!!
「コアラさん相手になんて実力だ!」
レイラがゆっくり体を翻して、元の立ち位置に戻る。
コアラが身を起こして、その場に立ち上がる。
ふたりが向き合う。
そして、ゆっくりと交わされる礼。
まるで何かの儀式のようだった。
ふと、レイラの顔がこちらへ向く。
視線が合った気がして目で追う。
群がるギャラリーに軽く手で応えながら、レイラは鍛錬場を後にした。
立ち尽くすままのコアラに近寄る。
「…サボ君、見てたんだ」
「あァ」
「…怒らないの?初めて手合わせする相手に掛ける技じゃないって」
「んーまあ、最初はそう言おうと思ったけど」
「…」
「…相手があの実力だからな」
「…うん、レイラちゃん、強かった」
うつむいたコアラに声をかけるべきか少し考えて、やめた。
「医務室行っとけよ」
ある日の昼食、コアラちゃんが隣の席を陣取ってきた。
「ねえレイラちゃん、私と手合わせしてよ!」
「手合わせかあ、今鈍ってるからなあ」
「いいでしょ?レイラちゃんと手合わせしてみたいの」
「…そこまで言うなら」
鍛錬場に初めて入る。
結構広めの部屋だから、かなり実践的な立ち回りが出来るだろう。
それにしても。
コアラちゃんの気配が気になる。
*
「サボ」
「あぁロビンか、どうした?」
「今、コアラがレイラを連れて鍛錬場に入っていくのが見えたんだけど」
「…何かやる気か?」
「手合わせするって言ってたわ」
「手合わせ…」
「見に行ってあげたら?参謀総長さん」
鍛錬場に足を向ける。
近くなるほどに強くなる焦り。
扉を開けると、異様なほどの緊張感が辺りを包んでいた。
コアラが繰り出す正拳突きをレイラが舞い上がり躱す。
レイラの飛び蹴りに間合いを取り、リーチが伸び切った瞬間に突っ込んでいくコアラ。
コアラの手がレイラの足を捕える。
-背中から地面に叩きつける気だ、
「おいコア」
レイラの足を地面に向かって振り下ろす、その瞬間。
逆にコアラが浮き上がった。
コアラを足にぶら下げたままレイラが宙に浮いている。
ハッと見上げたコアラに向かって、レイラは自由な方の足を振り下ろした。
「っキャアァ!!」
コアラが床に叩きつけられる瞬間、受け身を取る。
地面に降り立つレイラ。
跳ね起きて間髪入れずに向かっていくコアラ。
息を呑む攻防が続く。
でも、戦いの最中のはずなのに、二人の動きが流れるようで、
優雅な舞を見ているような妙な気分に陥った。
ある瞬間、不意にコアラがレイラの腕を捉えた。
肩に担いで、一本背負いの姿勢を取ったコアラ。
脳天から地面に落ちるコンマ数秒の間に、レイラは体を丸めて、逆にコアラの下に回り込む姿勢を取った。
並みの動体視力の人間が見れば、コアラが投げようとしていたのに
急に両者が左右に弾け飛んだように見えただろう。
レイラが空気を蹴って、その反動でコアラは床に、本人は壁へ飛び、壁の反力を使いながら手刀を携えて一気にコアラの喉元へ飛ぶ。
手刀が喉に当たる、と思った寸前でレイラはぴたりと止まった。
微動だにしないレイラ。
細かく震えるコアラ。
「勝負、あったかしら」
瞬間、静まり返った鍛錬場が、一気に歓声に包まれる。
「スゲェ!レイラが一本取っちまった!!
「コアラさん相手になんて実力だ!」
レイラがゆっくり体を翻して、元の立ち位置に戻る。
コアラが身を起こして、その場に立ち上がる。
ふたりが向き合う。
そして、ゆっくりと交わされる礼。
まるで何かの儀式のようだった。
ふと、レイラの顔がこちらへ向く。
視線が合った気がして目で追う。
群がるギャラリーに軽く手で応えながら、レイラは鍛錬場を後にした。
立ち尽くすままのコアラに近寄る。
「…サボ君、見てたんだ」
「あァ」
「…怒らないの?初めて手合わせする相手に掛ける技じゃないって」
「んーまあ、最初はそう言おうと思ったけど」
「…」
「…相手があの実力だからな」
「…うん、レイラちゃん、強かった」
うつむいたコアラに声をかけるべきか少し考えて、やめた。
「医務室行っとけよ」