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光を失ってから取り戻すまで

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革命軍の夜は浅くて長い。
恐怖を夢に閉じ込めている人がとても多いから。
寝ているといろんな人の夢を拾ってしまって、正直休まらない。

その中で毎晩、とりわけ大きな悲鳴で私を呼ぶ夢があった。
ゆかりのある人の夢は色濃く影響を受けるみたいだ。

深夜の廊下を進む。
そっと部屋に入って、ベッドに座る。
スプリングの軋みにも気づかないほど、夢に囚われているサボの額にそっと手を置いた。
閉じた瞼に、目の前の彼と、小さかった頃のあの人が映る。

{最後にお前と会いたかったよ、サボ}
{エース、待て、}
{…}
{許してくれ…!オレは、何も知らずに!!お前を忘れたまま!!}
{…なあ、サボ}
{お前に何もしてやれずに!!!}

エースが小さいままだ。
あの日炎に焼かれたエースの姿になっても、声は小さい頃のエースのままだった。
それもそうか、サボは声変わりした後のエースの声を知らない。
…そろそろ、引き戻してあげないと、心が壊れてしまいそう。

「サボ!」

目の前の青年は一声でくっきりと目を覚ました。

「…、レイラ
「おはよう」
「…っ」

身を起こしてサボは頭を抱えた。

「…毎晩?」
「…あァ」
「それは、サボ自身が望んで見てるの?」
「…え?」
「サボは、つらくても夢の中でもいいから、エースに会いたいって思ってる?」
「…」

伏せた目がゆっくりと二つ瞬きをする。
まるまる1分ほど黙ったあと、彼は手を降ろして、呟くように言った。

「…そうだな。たとえ、悪夢の中でもいいから、俺は、あいつに会いたい」
「そっか。…じゃあ、」

覚悟ができているのか、夢を見せながら見極めよう。

「見せてあげる」

サボの首元に抱き着いて、夢に突き落とした。
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