私が22歳だったころ
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霧の中を月歩する。
アラバスタが頭をよぎって軽く頭を振った。
あの時は手伝う必要はなかったけど今回はちょっとマズそうだ。
ルフィはもう意識がなくて、ゾロが誰かと何か話してるのが聞こえる。
相手の“声”はくぐもって聞こえない。
急がなくちゃ、と思っても、体は言うことを聞かない。
途中からゾロの声は叫び声に変わる。
苦痛。
待って、これ、死ぬんじゃないか。
長かった叫び声が不意に止む。
まだ、ほんの少し、声がする。
降り立ったとき、ゾロはいわゆる虫の息だった。
ああ、これ、触れるだけじゃダメなやつだ。
でもこの状態でのアレは間違いなくお互い死ぬ。
となると、残る手段は一つ。
「ごめんね、」
エース、ゾロ、あとルフィ。
意識を失ったゾロにくちづける。
その途端、引き裂かれるような痛みが全身を貫いた。
*
もう痛みを感じねェ。
あァ、これが死か。
近くまで来るとあっけねェもんだな。
ぼやけ始めた視界になにかがうつる。
目の前に降り立ったそれは、金色の髪に白い服だった。
「…しに、がみじゃ、…ねぇのか」
まさか天使が迎えに来るとはな。
天国なんざ興味ねェし、行くとしたら地獄だろ。
「死神で、合ってるよ」
この声、ルフィの姉貴か。
「ごめんね、」
次の瞬間、俺の意識は闇に墜ちた。
目を開けると、目の前にはルフィの姉貴。
…今、キスしてねェか?
こいつ、エースの女だよな?
途端に全身に感覚が戻ってくる。
正しく言えば、痛覚が脈打って、全身が燃えるように熱い。
「…命は、つないだ、から」
唇を離して地面に倒れ込んだレイラが言う。
「ゾロ、なら、きっと、だいじょうぶ」
「…何を…した」
「…内緒ね、」
口の端が上がる。
見た目には一つも怪我はないが、引きつった浅い呼吸はさっきまでの俺と同じもの。
「あなたが、いないと…ルフィは…強く、いられない、」
「…おい」
「ルフィの…力が要るの、これは、貸しじゃないわ、私の…目的のため」
にこ、と濃くなる笑み。
「みんな、起きたみたい」
「…お前、」
…助けられた、のか、俺は。
「じゃあ、ね」
女が消えて、後ろからコックの声が聞こえた。
アラバスタが頭をよぎって軽く頭を振った。
あの時は手伝う必要はなかったけど今回はちょっとマズそうだ。
ルフィはもう意識がなくて、ゾロが誰かと何か話してるのが聞こえる。
相手の“声”はくぐもって聞こえない。
急がなくちゃ、と思っても、体は言うことを聞かない。
途中からゾロの声は叫び声に変わる。
苦痛。
待って、これ、死ぬんじゃないか。
長かった叫び声が不意に止む。
まだ、ほんの少し、声がする。
降り立ったとき、ゾロはいわゆる虫の息だった。
ああ、これ、触れるだけじゃダメなやつだ。
でもこの状態でのアレは間違いなくお互い死ぬ。
となると、残る手段は一つ。
「ごめんね、」
エース、ゾロ、あとルフィ。
意識を失ったゾロにくちづける。
その途端、引き裂かれるような痛みが全身を貫いた。
*
もう痛みを感じねェ。
あァ、これが死か。
近くまで来るとあっけねェもんだな。
ぼやけ始めた視界になにかがうつる。
目の前に降り立ったそれは、金色の髪に白い服だった。
「…しに、がみじゃ、…ねぇのか」
まさか天使が迎えに来るとはな。
天国なんざ興味ねェし、行くとしたら地獄だろ。
「死神で、合ってるよ」
この声、ルフィの姉貴か。
「ごめんね、」
次の瞬間、俺の意識は闇に墜ちた。
目を開けると、目の前にはルフィの姉貴。
…今、キスしてねェか?
こいつ、エースの女だよな?
途端に全身に感覚が戻ってくる。
正しく言えば、痛覚が脈打って、全身が燃えるように熱い。
「…命は、つないだ、から」
唇を離して地面に倒れ込んだレイラが言う。
「ゾロ、なら、きっと、だいじょうぶ」
「…何を…した」
「…内緒ね、」
口の端が上がる。
見た目には一つも怪我はないが、引きつった浅い呼吸はさっきまでの俺と同じもの。
「あなたが、いないと…ルフィは…強く、いられない、」
「…おい」
「ルフィの…力が要るの、これは、貸しじゃないわ、私の…目的のため」
にこ、と濃くなる笑み。
「みんな、起きたみたい」
「…お前、」
…助けられた、のか、俺は。
「じゃあ、ね」
女が消えて、後ろからコックの声が聞こえた。