私が22歳だったころ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ここだ」
「わあ、すごい本の量!」
部屋の壁全部が本棚で、それに収まりきらない本が床に積まれている。
「いま引っ越しの準備してるから散らかってるんだ」
「へえ、引っ越すんだね」
「うん。それより、何の本探してるんだ?」
本の名前を伝えると、チョッパーは少し考え込んだ後、隣の部屋から一冊の茶色い本を持ってきた。
「これか?」
<世界の医術 第一巻>
「それ!ありがとう!!」
「ドクトリーヌが書庫に案内したってことは読んでいいってことだ」
目次を開く。
<夢による治癒―カラワヤ族 P.172>
これだ。海軍の図書館では、にじんで読めなかった本題。
*
カラワヤ族:
グランドラインの夏島に古代より暮らすカラワヤの一族は、別名、夢見の一族と呼ばれる。
生まれる子供の半分に特別な能力があり、中でも能力が強い「治癒者」が医療行為を行う。
治癒者に触れられながら眠った者(被治癒者)は痛みや疲労、体の損傷の回復が著しく速まる。
その速度は、治癒者と被治癒者の力の均衡がとれている場合に最も早くなる。
回復中の被治癒者の夢は治癒者により操作され、これが夢見の一族と呼ばれる所以である。
あまりに損傷が大きい場合、治癒者本人の肉体が損傷を受けることがある。
損傷をどこまで引き受けるかは治癒者本人に委ねられるが、過去には損傷を過度に引き受け死亡した例が報告されている。
治癒者の能力・特性によっては、被治癒者が眠らなくても回復が可能なものや、上記とは別の方法で治癒を行うものも存在する。
一族全体でも薬草の知識や倫理観に優れた文化が継承されており、近年の薬学・医療倫理の発展に大いに寄与した。
*この本の創刊の直前、カラワヤ族は滅亡した。
治癒者の肉体が不老長寿に効果を発揮するという誤った情報により、時の権力者による「医学研究」という名の大量虐殺が行われたためである。
医学の名の元に犠牲になった尊い命に、謹んで哀悼の意を表すると共に、後世には正しい知識と倫理をもって医学の発展に寄与することを、大いに期待するものである。
*
静かに本を閉じる。
ああ。そうか。
それで、おばあちゃんは私に、絶対に誰にも言わないように教えたのか。
海軍が攻めてくると言ったのもあながち嘘ではないらしい。
「どうだ?」
「…うん、知りたかったことが書いてあったよ」
「そうか!良かったな!」
「うん、ありがとうチョッパー」
「別に感謝されても嬉しくなんかねえぞ!」
「ふふ、ドクトリーヌにもお礼言わなくちゃ」
「ドクトリーヌ、書庫見せて戴いてありがとうございました!」
「ヒーッヒッヒ、それじゃあ謝礼はそうだねえ、」
「…もしよかったらお引越し手伝いましょうか?」
「バカ息子から聞いたのかい」
「ええ、私荷造りとか片付けとか得意です」
「それはいい、死ぬほど働いてもらうよ!」
「ふふ、喜んで!」
「わあ、すごい本の量!」
部屋の壁全部が本棚で、それに収まりきらない本が床に積まれている。
「いま引っ越しの準備してるから散らかってるんだ」
「へえ、引っ越すんだね」
「うん。それより、何の本探してるんだ?」
本の名前を伝えると、チョッパーは少し考え込んだ後、隣の部屋から一冊の茶色い本を持ってきた。
「これか?」
<世界の医術 第一巻>
「それ!ありがとう!!」
「ドクトリーヌが書庫に案内したってことは読んでいいってことだ」
目次を開く。
<夢による治癒―カラワヤ族 P.172>
これだ。海軍の図書館では、にじんで読めなかった本題。
*
カラワヤ族:
グランドラインの夏島に古代より暮らすカラワヤの一族は、別名、夢見の一族と呼ばれる。
生まれる子供の半分に特別な能力があり、中でも能力が強い「治癒者」が医療行為を行う。
治癒者に触れられながら眠った者(被治癒者)は痛みや疲労、体の損傷の回復が著しく速まる。
その速度は、治癒者と被治癒者の力の均衡がとれている場合に最も早くなる。
回復中の被治癒者の夢は治癒者により操作され、これが夢見の一族と呼ばれる所以である。
あまりに損傷が大きい場合、治癒者本人の肉体が損傷を受けることがある。
損傷をどこまで引き受けるかは治癒者本人に委ねられるが、過去には損傷を過度に引き受け死亡した例が報告されている。
治癒者の能力・特性によっては、被治癒者が眠らなくても回復が可能なものや、上記とは別の方法で治癒を行うものも存在する。
一族全体でも薬草の知識や倫理観に優れた文化が継承されており、近年の薬学・医療倫理の発展に大いに寄与した。
*この本の創刊の直前、カラワヤ族は滅亡した。
治癒者の肉体が不老長寿に効果を発揮するという誤った情報により、時の権力者による「医学研究」という名の大量虐殺が行われたためである。
医学の名の元に犠牲になった尊い命に、謹んで哀悼の意を表すると共に、後世には正しい知識と倫理をもって医学の発展に寄与することを、大いに期待するものである。
*
静かに本を閉じる。
ああ。そうか。
それで、おばあちゃんは私に、絶対に誰にも言わないように教えたのか。
海軍が攻めてくると言ったのもあながち嘘ではないらしい。
「どうだ?」
「…うん、知りたかったことが書いてあったよ」
「そうか!良かったな!」
「うん、ありがとうチョッパー」
「別に感謝されても嬉しくなんかねえぞ!」
「ふふ、ドクトリーヌにもお礼言わなくちゃ」
「ドクトリーヌ、書庫見せて戴いてありがとうございました!」
「ヒーッヒッヒ、それじゃあ謝礼はそうだねえ、」
「…もしよかったらお引越し手伝いましょうか?」
「バカ息子から聞いたのかい」
「ええ、私荷造りとか片付けとか得意です」
「それはいい、死ぬほど働いてもらうよ!」
「ふふ、喜んで!」