ひとりで海に出てから
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孫の話を聞かされて、それがエースとルフィの事だったので驚いていたら、
そのまま故郷に連れていかれた。
シャンクスが腕をなくした、あの場所へ。
再会した二人は兄弟になっていて、エースは私と同じくらいの身長になっていた。
サボはいなくなっていたけど、くわしく聞いてはいけないみたいだった。
フーシャ村のガープさん宅を使っていいと言ってもらったので、
寝泊まりはその家でして、日中はルフィやエースのところへ行って、
夜はマキノさんの酒場を手伝う。
日々は、びっくりするほど忙しく穏やかに過ぎて行った。
途中から対戦にも入れられて、私とエースは3:7の実力、ルフィとは私の全勝。
いつかこれが全敗になったり、逆転される日が来るのだろうとも思った。
「おい」
声変りを始めたエースの声が、不機嫌さを隠さずに響く。
「なに?」
「手加減してんじゃねえぞ」
「…手加減はしてないけど」
「じゃあ今日なんで打ち込んでこなかったんだよ」
「…ああ、うーんと」
決して手加減をしたわけじゃない。でも。
「私、いまだに自分の攻撃で二人がケガするの恐いんだ。それで、攻撃が鈍った」
「お前は俺の攻撃でケガしてんだろ」
本当は互角ぐらいの状態なのかもしれない。
でも、ルフィはともかく、エースにケガをさせないで勝つのは、かなり難しくなってきた。
2割は私の、気持ちの弱さだ。
*
エースの眼差しが以前と変わっているような気がした。
男。
たまに心のほうの声が、私の体に動揺しているのが聞こえることもある。
できるだけ、動揺を誘わない服装を心がけてみるものの、
暑い日に首元が開いてなかったり長い丈の服を着るのは正直つらい。
8歳のルフィからそんな声が聞こえないところを考えると、
この年代の3歳差は相当大きいんだなあと思う。
組み手をしてる時に、胸が当たったり、体幹に手が回ったりするとき、
エースの動きがいつも少しだけ鈍る。
たぶん見ている人にはわからない。
組み合っている私にだけ伝わる動揺。