ひとりで海に出てから
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かけこんだ海軍の基地で「英雄」の異名を持つおせっかいなおじいさんに会って、
気に入られたのか、しばらくあずかられることになった。
海軍には「サウスブルーで海賊につかまってこの街で逃げだした」と話した。
「暗いところにいたからどんな海賊かもわからない」と。
私が男の人に対して緊張するのも、周りの人は上手く解釈してくれるだろう。
休みの日にはガープさんのお家にクザンさんという人が遊びに来る。
お茶を淹れる。
どこかのお偉いさんからの差し入れ、緑茶。
今日はガープさんがどこかへ出かけていて不在。
ほんの少しだけ、体に力が入るのを自覚する。
「…そう警戒しなくても取って食いやしないよ」
「…ごめんなさい、緊張しちゃって」
「ねェ、あんたさァ…『本当に乗ってた船のことわかんないの?』」
クザンさんの言葉を先読みし重ねる。表情は変わらないけど、瞬きから驚きが漏れている。
「いつもその質問です」
「そっかァ?そうだっけ」
「それに、何度聞かれても、っ!」
クザンさんが大きい手で私の手首をつかむ。
目線を合わせてじっと見つめられる。
たぶん、この「男」の目はわざとだ、わたしで何かをためしてる。
頭ではそうわかっていても、感情は言うことを聞かない。
いやだ、怖い。
男の人がじゃない。
私の内側の熱が、怖い。
じわり、涙が染み出す。
それを見たクザンさんの「男」の目が、少しだけ本気になる。
「…やめて、ください…」
「…はァ」
手首が解放される。
「こんなこと言える立場じゃないけどさー、その顔は逆効果だと思うわけよ」
涙は勝手に頬を伝う。
「あーほら、ごめん、泣き止んで」
「…こういうの、いやです」
*
どうも、話がしっくりこない。
このお嬢ちゃんが保護された地区に停泊していた海賊船は全部で5つ。
名の知れた海賊団から弱小海賊団まで、特筆すべきは赤髪海賊団が停泊していたこと。
弱小海賊団は近海を行動範囲にしているところが多いし、
グランドラインまで足を延ばすとすれば赤髪ぐらいだった。
おかしいのはここからで、お嬢ちゃんの話だと2年間その海賊団と行動を共にしている。
2年間監禁されていたとすれば、たいていの子供は筋力が落ちて体も小さいはず。
でも、この子は実地訓練で鍛えたような、しっかりした体に見えた。
本人の言っていることと状況が一致していない。
ただし、男に対する反応を見ると、何かあったことは間違いない。
おそらく、監禁されていたというのは赤髪との関係性を誤魔化すための嘘で、
飛び出してきた原因としては、無理やり女にされたとかそんなもんだろう。
赤髪にそんな趣味があるのかと首をかしげるが、まァ他人のことだし知りたくもない。
はらはらと無言で涙を流すお嬢ちゃんをなだめるのに頭をなでる。
これは大丈夫のようで、涙は徐々に落ち着く。
「ごめんごめん」
「…最初から怖がらせるつもりだったんじゃないですか」
「…頭のいい子はこの先苦労するよ?」
「もうしてます、今日とか」
気に入られたのか、しばらくあずかられることになった。
海軍には「サウスブルーで海賊につかまってこの街で逃げだした」と話した。
「暗いところにいたからどんな海賊かもわからない」と。
私が男の人に対して緊張するのも、周りの人は上手く解釈してくれるだろう。
休みの日にはガープさんのお家にクザンさんという人が遊びに来る。
お茶を淹れる。
どこかのお偉いさんからの差し入れ、緑茶。
今日はガープさんがどこかへ出かけていて不在。
ほんの少しだけ、体に力が入るのを自覚する。
「…そう警戒しなくても取って食いやしないよ」
「…ごめんなさい、緊張しちゃって」
「ねェ、あんたさァ…『本当に乗ってた船のことわかんないの?』」
クザンさんの言葉を先読みし重ねる。表情は変わらないけど、瞬きから驚きが漏れている。
「いつもその質問です」
「そっかァ?そうだっけ」
「それに、何度聞かれても、っ!」
クザンさんが大きい手で私の手首をつかむ。
目線を合わせてじっと見つめられる。
たぶん、この「男」の目はわざとだ、わたしで何かをためしてる。
頭ではそうわかっていても、感情は言うことを聞かない。
いやだ、怖い。
男の人がじゃない。
私の内側の熱が、怖い。
じわり、涙が染み出す。
それを見たクザンさんの「男」の目が、少しだけ本気になる。
「…やめて、ください…」
「…はァ」
手首が解放される。
「こんなこと言える立場じゃないけどさー、その顔は逆効果だと思うわけよ」
涙は勝手に頬を伝う。
「あーほら、ごめん、泣き止んで」
「…こういうの、いやです」
*
どうも、話がしっくりこない。
このお嬢ちゃんが保護された地区に停泊していた海賊船は全部で5つ。
名の知れた海賊団から弱小海賊団まで、特筆すべきは赤髪海賊団が停泊していたこと。
弱小海賊団は近海を行動範囲にしているところが多いし、
グランドラインまで足を延ばすとすれば赤髪ぐらいだった。
おかしいのはここからで、お嬢ちゃんの話だと2年間その海賊団と行動を共にしている。
2年間監禁されていたとすれば、たいていの子供は筋力が落ちて体も小さいはず。
でも、この子は実地訓練で鍛えたような、しっかりした体に見えた。
本人の言っていることと状況が一致していない。
ただし、男に対する反応を見ると、何かあったことは間違いない。
おそらく、監禁されていたというのは赤髪との関係性を誤魔化すための嘘で、
飛び出してきた原因としては、無理やり女にされたとかそんなもんだろう。
赤髪にそんな趣味があるのかと首をかしげるが、まァ他人のことだし知りたくもない。
はらはらと無言で涙を流すお嬢ちゃんをなだめるのに頭をなでる。
これは大丈夫のようで、涙は徐々に落ち着く。
「ごめんごめん」
「…最初から怖がらせるつもりだったんじゃないですか」
「…頭のいい子はこの先苦労するよ?」
「もうしてます、今日とか」
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