本編
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「ミオさん!?」
大きな声に振り替えるとスガノさんだった。
そうか、このスーパーの近くに住んでるんだっけ。迂闊だった。
「その…男性の方は?」
「あ、えっと…今預かってる犬の飼い主さんで、ちょっと様子を見に」
「様子を見にって…こんな時間にですか」
時刻は夜の8時。
この辺りを出発するバスも電車もない時間。
そして剣士さんの手にはスーパーのカート。
お酒の量が多いから、一日で飲む量じゃないと思っただろう(実際に3日分くらいあるが一晩で消える)。
「…ミオさん」
スガノさんがぶるぶる震えだした。
刺激しない程度に後ずさる。
「あなたはご自身の立場をわかっていますか!?」
急に大声を出されて体がビクついた。
私が無言でいると、さらに興奮した様子で言葉を重ねてきた。
「結婚したら退職になる慣習の由来を!!知らないあなたではありませんよね!?」
「…」
「この話を宮司さんに言えば!あなたは職を失う可能性もある!!」
「…」
「だからあれだけ毎日毎日お声をおかけして!」
「…おい」
剣士さんの低い声にスガノさんが止まった。
「さっきから何言ってんだてめえ」
「なっ、君だって知っているだろう、巫女がなぜ未婚の女性に限られるのかぐらい!!」
「知らねえよ、んなもん」
「はッ!?」
「なんで男と出歩いてんの見られただけでクビになんだよ。
こいつの仕事ぶりはそんな簡単にチャラになるようなもんじゃねえだろ」
「…ぐっ…」
「まあでも、これでクビになるんならそれでもいいかもな」
「…えっ?」
「そんなくだらねえ職場さっさと辞めて、行きたいとこに行けんだからよ」
行くぞ、とあごをしゃくった剣士さんの靴を、ぼんやりと追いかけながら歩く。
<こいつの仕事ぶりはそんな簡単にチャラになるようなもんじゃねえだろ>
<さっさと辞めて、行きたいとこに行けんだからよ>
じわり、と涙がにじんだ。
同じように、胸のあたりに温かいなにかがにじむ。
俯いたを向いたままレジを通って、買ったお酒をエコバッグに。
「なにぼんやりしてんだよ。行くぞ」
その声に顔を上げたと同時に右手をとられる。
右手に酒瓶がたくさん入った袋を持って、左手で私の手を引く剣士さんの後姿が、
無性に、いとおしいと感じている自分に気づいてしまった。
大きな声に振り替えるとスガノさんだった。
そうか、このスーパーの近くに住んでるんだっけ。迂闊だった。
「その…男性の方は?」
「あ、えっと…今預かってる犬の飼い主さんで、ちょっと様子を見に」
「様子を見にって…こんな時間にですか」
時刻は夜の8時。
この辺りを出発するバスも電車もない時間。
そして剣士さんの手にはスーパーのカート。
お酒の量が多いから、一日で飲む量じゃないと思っただろう(実際に3日分くらいあるが一晩で消える)。
「…ミオさん」
スガノさんがぶるぶる震えだした。
刺激しない程度に後ずさる。
「あなたはご自身の立場をわかっていますか!?」
急に大声を出されて体がビクついた。
私が無言でいると、さらに興奮した様子で言葉を重ねてきた。
「結婚したら退職になる慣習の由来を!!知らないあなたではありませんよね!?」
「…」
「この話を宮司さんに言えば!あなたは職を失う可能性もある!!」
「…」
「だからあれだけ毎日毎日お声をおかけして!」
「…おい」
剣士さんの低い声にスガノさんが止まった。
「さっきから何言ってんだてめえ」
「なっ、君だって知っているだろう、巫女がなぜ未婚の女性に限られるのかぐらい!!」
「知らねえよ、んなもん」
「はッ!?」
「なんで男と出歩いてんの見られただけでクビになんだよ。
こいつの仕事ぶりはそんな簡単にチャラになるようなもんじゃねえだろ」
「…ぐっ…」
「まあでも、これでクビになるんならそれでもいいかもな」
「…えっ?」
「そんなくだらねえ職場さっさと辞めて、行きたいとこに行けんだからよ」
行くぞ、とあごをしゃくった剣士さんの靴を、ぼんやりと追いかけながら歩く。
<こいつの仕事ぶりはそんな簡単にチャラになるようなもんじゃねえだろ>
<さっさと辞めて、行きたいとこに行けんだからよ>
じわり、と涙がにじんだ。
同じように、胸のあたりに温かいなにかがにじむ。
俯いたを向いたままレジを通って、買ったお酒をエコバッグに。
「なにぼんやりしてんだよ。行くぞ」
その声に顔を上げたと同時に右手をとられる。
右手に酒瓶がたくさん入った袋を持って、左手で私の手を引く剣士さんの後姿が、
無性に、いとおしいと感じている自分に気づいてしまった。