本編
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あいつが泣いて帰ってきた日から3日。
帰るまであと2週間。
あれから、おれたちの世界について質問してくることが多くなった。
呼び出し音が鳴り、あいつが玄関に出る。
のそりと顔を上げると、聞いたことのある声が響いた。
「ミオちゃーん!おかず作り過ぎたから持って来たわよ!!」
「え、いいんですか?」
「ほらこれこれ、あんた肉じゃが好きでしょう」
「わー!タカコおばさんの肉じゃが!!しかも塩味のほう!!」
わいわいと話しながらあいつとオバハンが居間に入ってきた。
横目で見てまた寝る体勢に入る。
オバハンはちゃぶ台の前に座り、あいつは台所でお茶を淹れ始めた。
「あらっもうちょっと尻尾振ってもいいのに!」
「それがあんまり愛想いいタイプじゃなくって…」
「まあでもこういうタイプほど、心許した相手には誠実なのよねえ」
「…そういうものですか?」
「そういうものよ、犬も、男もね」
あいつがお茶をちゃぶ台に出す。
「このワンちゃんが来たのっていつだっけ?」
「…2週間くらい前の…火曜日でしたかね」
「ずいぶん懐いてるわね?」
「そうですかね」
「あっそうだ、写真!撮っていいかしら!」
「写真ですか?」
「そう!スマホの練習したくてね、大丈夫よどっかにばら撒いたりしないから!」
「あはは、それなら安心ですね」
カシャ、という音に目を開けると、小さい板を構えたオバハンがこっちを見ていた。
「…」
「剣士さん、だいじょうぶ。危険なことではないから」
「ケンシちゃんって言うの?ケンシちゃーん!にっこりしてー!」
くだらねえ、と思ってまた寝る体勢に入る。
ひとしきりカシャカシャやっていたオバハンは、気が済んだのかさっさと帰っていった。
「言っとくけどこっちにもカメラくらいあるぞ」
「えっそうなの?無いと思って話してたわ」
「まああんな平らなカメラは初めて見たが」
「…あのカメラは実は離れた人と話もできる優れものなのよ」
「…ああ、電伝虫みたいなもんか」
「でんでんむし?かたつむりのこと?」
「遠くにいるやつと話ができる」
「え、虫を使って?」
「そうだ」
帰るまであと2週間。
あれから、おれたちの世界について質問してくることが多くなった。
呼び出し音が鳴り、あいつが玄関に出る。
のそりと顔を上げると、聞いたことのある声が響いた。
「ミオちゃーん!おかず作り過ぎたから持って来たわよ!!」
「え、いいんですか?」
「ほらこれこれ、あんた肉じゃが好きでしょう」
「わー!タカコおばさんの肉じゃが!!しかも塩味のほう!!」
わいわいと話しながらあいつとオバハンが居間に入ってきた。
横目で見てまた寝る体勢に入る。
オバハンはちゃぶ台の前に座り、あいつは台所でお茶を淹れ始めた。
「あらっもうちょっと尻尾振ってもいいのに!」
「それがあんまり愛想いいタイプじゃなくって…」
「まあでもこういうタイプほど、心許した相手には誠実なのよねえ」
「…そういうものですか?」
「そういうものよ、犬も、男もね」
あいつがお茶をちゃぶ台に出す。
「このワンちゃんが来たのっていつだっけ?」
「…2週間くらい前の…火曜日でしたかね」
「ずいぶん懐いてるわね?」
「そうですかね」
「あっそうだ、写真!撮っていいかしら!」
「写真ですか?」
「そう!スマホの練習したくてね、大丈夫よどっかにばら撒いたりしないから!」
「あはは、それなら安心ですね」
カシャ、という音に目を開けると、小さい板を構えたオバハンがこっちを見ていた。
「…」
「剣士さん、だいじょうぶ。危険なことではないから」
「ケンシちゃんって言うの?ケンシちゃーん!にっこりしてー!」
くだらねえ、と思ってまた寝る体勢に入る。
ひとしきりカシャカシャやっていたオバハンは、気が済んだのかさっさと帰っていった。
「言っとくけどこっちにもカメラくらいあるぞ」
「えっそうなの?無いと思って話してたわ」
「まああんな平らなカメラは初めて見たが」
「…あのカメラは実は離れた人と話もできる優れものなのよ」
「…ああ、電伝虫みたいなもんか」
「でんでんむし?かたつむりのこと?」
「遠くにいるやつと話ができる」
「え、虫を使って?」
「そうだ」