本編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
寝ていると、ガラガラと玄関が開く音がした。
いつもは聞こえる「ただいま」の声がない。
「帰ったのか」
居間から玄関で靴を脱ぐ後ろ姿に声をかける。
返答はない。
「…おい」
「…ごめんなさい」
背中を向けたまま隣のタタミの部屋に向かう。
「ちょっと、一人にして」
ぴしゃん、とフスマが閉まった。
何とはなしに、その前に座り込む。
時々、引き攣れるような呼吸の音が聞こえる。
泣いてやがんのか。
鼻先を割り込ませてフスマを開けた。
小さい背中が見える。
肩が細かく震えていた。
少しの間眺めていたが、だんだん苛立ちが募り始めた。
どこのどいつに泣かされたんだよ。
なに勝手に泣かされてんだよ。
ごり、と体をねじ込ませて部屋に入る。
「あ、…っと、」
「…」
「、ごめん、」
何謝ってんだよ、と思いながら、泣き顔から目が離せなくなった。
透明感ってのはこういうのを言うのか、と場違いに思った。
おれは無意識にその涙を舐め取っていた。
いつもは聞こえる「ただいま」の声がない。
「帰ったのか」
居間から玄関で靴を脱ぐ後ろ姿に声をかける。
返答はない。
「…おい」
「…ごめんなさい」
背中を向けたまま隣のタタミの部屋に向かう。
「ちょっと、一人にして」
ぴしゃん、とフスマが閉まった。
何とはなしに、その前に座り込む。
時々、引き攣れるような呼吸の音が聞こえる。
泣いてやがんのか。
鼻先を割り込ませてフスマを開けた。
小さい背中が見える。
肩が細かく震えていた。
少しの間眺めていたが、だんだん苛立ちが募り始めた。
どこのどいつに泣かされたんだよ。
なに勝手に泣かされてんだよ。
ごり、と体をねじ込ませて部屋に入る。
「あ、…っと、」
「…」
「、ごめん、」
何謝ってんだよ、と思いながら、泣き顔から目が離せなくなった。
透明感ってのはこういうのを言うのか、と場違いに思った。
おれは無意識にその涙を舐め取っていた。