本編
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剣士さんが来て3日が経った。
今日、帰ろうとしたら権宮司のスガノさんに呼び止められた。
神社で二番目に偉い人だ。
「ミオさん、ちょっといいですか」
「はい」
「最近この辺りに白っぽい野犬が出るみたいで、危ないですし家まで送りますよ」
本人としてはニコリと笑っているつもりの、ニヤリとした笑顔。
「…あ。それ、私の家に居る犬かも知れません」
「え?犬を飼い始めたんですか?」
「飼っているというか…一ヶ月だけ、預かっているような形で」
「そうでしたか」
「私が帰る時には庭で大人しくしているんですけど…ちょっと気を付けてみますね」
「それにしても何で急に犬なんて」
「ちょっと知人から頼まれまして。では、失礼します」
言うが早いかきっぱりと踵を返してスガノさんに背を向けた。
根はいい人なのだが、いつもそれとなく個人的な関係に持ち込もうとするので、
毎回なんとなく受け流してかれこれ1年。
社の前に剣士さんが待っていた。もちろん犬の姿だ。
「…ここにいたのね」
「おう」
「しー。おうちまで静かにして」
大人しく後ろをついてくる剣士さんに、知らずに笑みがこぼれる。
かわいい。なんて言ったら怒るだろうけど。
「ただいまー」
「誰もいないのに言うのかそれ」
「一人の時も言ってたもの」
「律儀なこった」
床に膝をついて剣士さんと目線を合わせた。
「剣士さんのこと、周りで噂になってるかも」
「噂?」
「白っぽい野犬がうろついてるって」
「…ああ」
「お散歩してるの?」
「あァ。動物の気配がして外に出たんだが、この辺りは神隠しでも起きるのか?」
「え?」
「道が無くなる」
「…道が、なくなる…?」
「そうだ」
「…うーん、私は道が無くなったことはないけど…ってそうじゃなくて、」
「あ?」
「周りの人がびっくりするから、外歩くのは私と一緒の時にしてほしいの」
「めんどくせえ」
「そう言わずに。日の入り以降は鍛錬するんでしょ?日があるうちは身体休めないと」
ね?と念押しする私に、剣士さんは渋々と言った顔でうなづいた。
今日、帰ろうとしたら権宮司のスガノさんに呼び止められた。
神社で二番目に偉い人だ。
「ミオさん、ちょっといいですか」
「はい」
「最近この辺りに白っぽい野犬が出るみたいで、危ないですし家まで送りますよ」
本人としてはニコリと笑っているつもりの、ニヤリとした笑顔。
「…あ。それ、私の家に居る犬かも知れません」
「え?犬を飼い始めたんですか?」
「飼っているというか…一ヶ月だけ、預かっているような形で」
「そうでしたか」
「私が帰る時には庭で大人しくしているんですけど…ちょっと気を付けてみますね」
「それにしても何で急に犬なんて」
「ちょっと知人から頼まれまして。では、失礼します」
言うが早いかきっぱりと踵を返してスガノさんに背を向けた。
根はいい人なのだが、いつもそれとなく個人的な関係に持ち込もうとするので、
毎回なんとなく受け流してかれこれ1年。
社の前に剣士さんが待っていた。もちろん犬の姿だ。
「…ここにいたのね」
「おう」
「しー。おうちまで静かにして」
大人しく後ろをついてくる剣士さんに、知らずに笑みがこぼれる。
かわいい。なんて言ったら怒るだろうけど。
「ただいまー」
「誰もいないのに言うのかそれ」
「一人の時も言ってたもの」
「律儀なこった」
床に膝をついて剣士さんと目線を合わせた。
「剣士さんのこと、周りで噂になってるかも」
「噂?」
「白っぽい野犬がうろついてるって」
「…ああ」
「お散歩してるの?」
「あァ。動物の気配がして外に出たんだが、この辺りは神隠しでも起きるのか?」
「え?」
「道が無くなる」
「…道が、なくなる…?」
「そうだ」
「…うーん、私は道が無くなったことはないけど…ってそうじゃなくて、」
「あ?」
「周りの人がびっくりするから、外歩くのは私と一緒の時にしてほしいの」
「めんどくせえ」
「そう言わずに。日の入り以降は鍛錬するんでしょ?日があるうちは身体休めないと」
ね?と念押しする私に、剣士さんは渋々と言った顔でうなづいた。