本編
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「そろそろ時間かなあ」
「んー、たぶんな」
「もしこれで全然嘘だったらどうしよう」
「まあそん時はそん時だ」
「そっか、そうね」
また無言に戻って、日差しだけを浴びていた。
家は長期旅行にいく時くらいには片付けてきた。
きっと、遠い親戚にあたるタカコおばさんが何とかしてくれるだろう。
職場には何も言っては来なかった。
あれ以来よそよそしくなったスガノさんも、いつもきつく当たってきた巫女の先輩たちも、
なぜか私にばかり仕事を頼む神主さんたちや言われたことしかしない後輩たちも、
きっと最初は困るだろうけどそのうち慣れて、忘れてくれるはず。
もっと寂しい気持ちになるかと思ったのに、
思ったよりずっと清々しい気持ちでその時を待っている自分が面白いと思った。
「あ!」
「なんだよ、忘れ物か?」
「うん、私ゾロくんに名乗ってないよね!?」
「…あァ。そういやそうかもな」
「どうりでおいとかお前とかしか呼ばれないと思ったよ」
ゾロくんに向き直る。
彼の背中にはバックパック、中にはあの着流しが入っている。
貸していた父の形見の着流しを、彼は気に入ったと言って持ち帰ることにしたのだ。
「私の名前はカンザキ・ミオ」
「あァ」
「これから、よろしくお願いします、ゾロくん」
そう言って頭を下げた瞬間、ぐわんと世界が揺れた。
驚いて頭を上げようとして、急に抗えないほど強い眠気に襲われた。
「んー、たぶんな」
「もしこれで全然嘘だったらどうしよう」
「まあそん時はそん時だ」
「そっか、そうね」
また無言に戻って、日差しだけを浴びていた。
家は長期旅行にいく時くらいには片付けてきた。
きっと、遠い親戚にあたるタカコおばさんが何とかしてくれるだろう。
職場には何も言っては来なかった。
あれ以来よそよそしくなったスガノさんも、いつもきつく当たってきた巫女の先輩たちも、
なぜか私にばかり仕事を頼む神主さんたちや言われたことしかしない後輩たちも、
きっと最初は困るだろうけどそのうち慣れて、忘れてくれるはず。
もっと寂しい気持ちになるかと思ったのに、
思ったよりずっと清々しい気持ちでその時を待っている自分が面白いと思った。
「あ!」
「なんだよ、忘れ物か?」
「うん、私ゾロくんに名乗ってないよね!?」
「…あァ。そういやそうかもな」
「どうりでおいとかお前とかしか呼ばれないと思ったよ」
ゾロくんに向き直る。
彼の背中にはバックパック、中にはあの着流しが入っている。
貸していた父の形見の着流しを、彼は気に入ったと言って持ち帰ることにしたのだ。
「私の名前はカンザキ・ミオ」
「あァ」
「これから、よろしくお願いします、ゾロくん」
そう言って頭を下げた瞬間、ぐわんと世界が揺れた。
驚いて頭を上げようとして、急に抗えないほど強い眠気に襲われた。