本編
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後ろから息切れのような音が聞こえて振り返ると、
タカコおばさんが走ってくるのが見えた。
「タカコおばさん!どうしたんですか?」
「ミオちゃん、よかったわ、会えて、」
呼吸を落ち着けてから、おばさんは封筒に入ったものを出した。
「これ、渡したくて」
「…あ、」
封筒を開いてみると、寝そべる犬の姿の剣士さんとそれを見つめる私が写っていた。
「あの時の写真…」
「キレイに撮れてるでしょう」
「ありがとうございます!これ、すごく嬉しいです!」
ふう、と一息ついたタカコおばさんが目線を山肌に向ける。ちょうど社の前だった。
「しばらく前にあたし、神隠しに遭っちゃイヤよ、って言ったじゃない」
「はい」
「でもね、最近そうとも思わなくなってきちゃった。あんたあんまり幸せそうなんだもの」
「え…」
視線を私に戻したおばさんは悪戯っぽい笑顔を浮かべた。
「実はあたしね、けっこう見えるのよ」
「…」
「5年位前にあんたの家の周りにいた鷹もそうだったんでしょ?」
「…えっと…」
「で、戻るのは明日の昼くらいかしら」
「…なんで、そこまで知ってるんですか?」
「この年まで生きるといろんなことを知るもんよ」
下手なウインクをしたあと、少し真面目な顔になっておばさんは私に向き直った。
「行くのね」
「…はい」
「お母さんからあんたを頼まれてたから、ちょっと複雑な気はするけど」
「…」
「…幸せに、なるのよ」
「わかりました」
おばさんが柔らかい手を伸ばして私を抱きしめてくれた。
私が思うよりずっと、見守ってくれていたんだなあと最後に気づく。
涙に濡れないように、大きく深呼吸してから、言った。
「幸せに、なります」
タカコおばさんが走ってくるのが見えた。
「タカコおばさん!どうしたんですか?」
「ミオちゃん、よかったわ、会えて、」
呼吸を落ち着けてから、おばさんは封筒に入ったものを出した。
「これ、渡したくて」
「…あ、」
封筒を開いてみると、寝そべる犬の姿の剣士さんとそれを見つめる私が写っていた。
「あの時の写真…」
「キレイに撮れてるでしょう」
「ありがとうございます!これ、すごく嬉しいです!」
ふう、と一息ついたタカコおばさんが目線を山肌に向ける。ちょうど社の前だった。
「しばらく前にあたし、神隠しに遭っちゃイヤよ、って言ったじゃない」
「はい」
「でもね、最近そうとも思わなくなってきちゃった。あんたあんまり幸せそうなんだもの」
「え…」
視線を私に戻したおばさんは悪戯っぽい笑顔を浮かべた。
「実はあたしね、けっこう見えるのよ」
「…」
「5年位前にあんたの家の周りにいた鷹もそうだったんでしょ?」
「…えっと…」
「で、戻るのは明日の昼くらいかしら」
「…なんで、そこまで知ってるんですか?」
「この年まで生きるといろんなことを知るもんよ」
下手なウインクをしたあと、少し真面目な顔になっておばさんは私に向き直った。
「行くのね」
「…はい」
「お母さんからあんたを頼まれてたから、ちょっと複雑な気はするけど」
「…」
「…幸せに、なるのよ」
「わかりました」
おばさんが柔らかい手を伸ばして私を抱きしめてくれた。
私が思うよりずっと、見守ってくれていたんだなあと最後に気づく。
涙に濡れないように、大きく深呼吸してから、言った。
「幸せに、なります」