雛菊のはなし
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「落ち着いたかよ」
「うん…」
「何があった」
「お客さんが泊まりはしないのかって肩抱いてきて…」
「そうか」
「…ごめん、仕事中に」
「見ての通り開店休業だ」
「そう、」
通りの方から時を報せる声が聞こえた。
「お座敷、行かなくちゃ」
「今日は辞めておけ。ウソ八がなんとかしてんだろ」
「でも、」
「おい、アサ。無理すんなって言っただろ」
今となってはこの人しか呼ばなくなった名だ。
「…わかった」
掴みっぱなしだった着流しから手を離す。
抱きすくめられていて体は離せないけれど、胸板に触れていた頬を離して顔を見上げた。
「仕事あるなら行くんだよ、兄ちゃん」
「…うるせェ」
*
「おーサン五郎!!さっきはありがとな!!」
「雛菊ちゃんのためだ、礼には及ばねぇよ。それより、大丈夫だったか」
「あー、まぁな!このウソ八様の手に掛かれば、こんなピンチは屁でもねェよ!」
「そうか。そりゃ頼もしい」
「…で、あいつちゃんとゾロ十郎に会えてたか?」
「おう、確かに送り届けたぜ」
ウソ八が辺りを窺って声を潜めた。
「雛菊がああなった時は、気を失うかあいつのとこに連れてくかするまで落ち着かねぇんだよ。助かったぜ」
「…なァ、ちょっと聞きてェんだけどよ」
周りの気配を探る。声の届く範囲には誰も居なさそうだ。
「あのふたり、なんなんだ?」
「…それはおれの口から言うべきことじゃねぇんだ、悪いな」
「あぁいや、良いんだ。ちょっと気になっただけだから」
「ま、本人達に聞けば簡単に話すかもしんねぇけど」
「そうか、わかった」
「あら、ウソ八にサン五郎」
「おロビ!さっきはありがとな、助かった」
「おロビちゃーん!!今日も一段とお美しいー!!!」
「いいのよ、雛菊ちゃんにはいつもお世話になっているし、ちょうど空いていたから」
「ウソ八おめぇ、おロビちゃんに代役頼んだのかよ」
「まァな」
「大丈夫かしら、彼女」
「それなら問題ねぇよ、ゾロ十郎のとこ着いたみてぇだし」
「ったく、行儀の悪い客もいるもんだなァ」
「最近は減っていたのだけど…」
「おれも防ぎきれなくて悪かったと思ってんだ。次からはこのウソ八様がー」
「おう、お前は雛菊ちゃんとおロビちゃんの盾として体を張れよ」
「頼りにしてるわ」
「…任せとけ!チクショウ!」
「うん…」
「何があった」
「お客さんが泊まりはしないのかって肩抱いてきて…」
「そうか」
「…ごめん、仕事中に」
「見ての通り開店休業だ」
「そう、」
通りの方から時を報せる声が聞こえた。
「お座敷、行かなくちゃ」
「今日は辞めておけ。ウソ八がなんとかしてんだろ」
「でも、」
「おい、アサ。無理すんなって言っただろ」
今となってはこの人しか呼ばなくなった名だ。
「…わかった」
掴みっぱなしだった着流しから手を離す。
抱きすくめられていて体は離せないけれど、胸板に触れていた頬を離して顔を見上げた。
「仕事あるなら行くんだよ、兄ちゃん」
「…うるせェ」
*
「おーサン五郎!!さっきはありがとな!!」
「雛菊ちゃんのためだ、礼には及ばねぇよ。それより、大丈夫だったか」
「あー、まぁな!このウソ八様の手に掛かれば、こんなピンチは屁でもねェよ!」
「そうか。そりゃ頼もしい」
「…で、あいつちゃんとゾロ十郎に会えてたか?」
「おう、確かに送り届けたぜ」
ウソ八が辺りを窺って声を潜めた。
「雛菊がああなった時は、気を失うかあいつのとこに連れてくかするまで落ち着かねぇんだよ。助かったぜ」
「…なァ、ちょっと聞きてェんだけどよ」
周りの気配を探る。声の届く範囲には誰も居なさそうだ。
「あのふたり、なんなんだ?」
「…それはおれの口から言うべきことじゃねぇんだ、悪いな」
「あぁいや、良いんだ。ちょっと気になっただけだから」
「ま、本人達に聞けば簡単に話すかもしんねぇけど」
「そうか、わかった」
「あら、ウソ八にサン五郎」
「おロビ!さっきはありがとな、助かった」
「おロビちゃーん!!今日も一段とお美しいー!!!」
「いいのよ、雛菊ちゃんにはいつもお世話になっているし、ちょうど空いていたから」
「ウソ八おめぇ、おロビちゃんに代役頼んだのかよ」
「まァな」
「大丈夫かしら、彼女」
「それなら問題ねぇよ、ゾロ十郎のとこ着いたみてぇだし」
「ったく、行儀の悪い客もいるもんだなァ」
「最近は減っていたのだけど…」
「おれも防ぎきれなくて悪かったと思ってんだ。次からはこのウソ八様がー」
「おう、お前は雛菊ちゃんとおロビちゃんの盾として体を張れよ」
「頼りにしてるわ」
「…任せとけ!チクショウ!」