結末篇
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時々、ローがものすごく重くて固い空気を纏いながら帰ってくることがある。
ローが患者さんを亡くしたことを偶然聞いた日、その空気を纏って帰ってきて自室に直行していった。
だから、その状態のローを見かけた日は、そういう日なんだと思ってそっとしておくのが習慣になっていた。
だけど。
今日、一人でスペースに居たら、同じ空気をゾロが纏って帰ってきた。
で、何も言わずにソファでお酒を飲み始めたから、動揺した。
声をかけるに掛けられない。
日常のささいな会話ができるような空気ではないし。
でも、私が察したこれが正しいかもわからないし。
ゾロが何か言いたくなったらすぐに話せるように、一定の距離を取ったまま作業をしていく。
沈黙が5分くらい続いて、私もすることがなくなったころ。
「…なァ」
「うん?」
「飲まねぇか」
「…うん、ご相伴する」
ソファに腰かけて、日本酒を注いでもらう。
口に含んだお酒は、この空気のせいなのか味がいまいちわからない。
ゾロはさっきまでと同じように、ただ無言でお酒を口に運んでいる。
私が隣にいることに、何か意味があるのだろうか。
でももし、私が察した通りなのだとしたら、
何も言わなくても隣に誰かいたほうがいいのかもしれない。
話すことがないと飲むペースが速くなるのか、
いつもよりずっと早く酔いが回ってきた。
「…んー」
「酔ったのか」
「まだだいじょぶ」
自分が酔っているのか。
隣のこの人から出ている空気が、助けを求めているように思えるからなのか。
気づくと、ゾロの肩に頭を預けていた。
ゾロの体が一瞬こわばる。
「こうしてて、いい?」
「…あァ。構わねェ」
「ありがと」
ゾロから力が抜けた。
いや、相手に理由を求めているようで、自分がそうしたかっただけかもしれないな。
この人がこんな悲痛な状態でいるのに耐えられない。
私の、エゴだ。
そうして、いつの間にか、眠りに引き込まれていった。
ローが患者さんを亡くしたことを偶然聞いた日、その空気を纏って帰ってきて自室に直行していった。
だから、その状態のローを見かけた日は、そういう日なんだと思ってそっとしておくのが習慣になっていた。
だけど。
今日、一人でスペースに居たら、同じ空気をゾロが纏って帰ってきた。
で、何も言わずにソファでお酒を飲み始めたから、動揺した。
声をかけるに掛けられない。
日常のささいな会話ができるような空気ではないし。
でも、私が察したこれが正しいかもわからないし。
ゾロが何か言いたくなったらすぐに話せるように、一定の距離を取ったまま作業をしていく。
沈黙が5分くらい続いて、私もすることがなくなったころ。
「…なァ」
「うん?」
「飲まねぇか」
「…うん、ご相伴する」
ソファに腰かけて、日本酒を注いでもらう。
口に含んだお酒は、この空気のせいなのか味がいまいちわからない。
ゾロはさっきまでと同じように、ただ無言でお酒を口に運んでいる。
私が隣にいることに、何か意味があるのだろうか。
でももし、私が察した通りなのだとしたら、
何も言わなくても隣に誰かいたほうがいいのかもしれない。
話すことがないと飲むペースが速くなるのか、
いつもよりずっと早く酔いが回ってきた。
「…んー」
「酔ったのか」
「まだだいじょぶ」
自分が酔っているのか。
隣のこの人から出ている空気が、助けを求めているように思えるからなのか。
気づくと、ゾロの肩に頭を預けていた。
ゾロの体が一瞬こわばる。
「こうしてて、いい?」
「…あァ。構わねェ」
「ありがと」
ゾロから力が抜けた。
いや、相手に理由を求めているようで、自分がそうしたかっただけかもしれないな。
この人がこんな悲痛な状態でいるのに耐えられない。
私の、エゴだ。
そうして、いつの間にか、眠りに引き込まれていった。