結末篇
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「家事代行は続けろ。おれの生活が回らなくなる」
「…それもそうね」
医療用ピッチが鳴る。オンコールだ。
「…悪い」
「うん、大丈夫」
「好きに飲み食いしてくれていい」
「…でも」
「呼び出したのはおれだ。恥かかせんな」
「わかった」
バタバタと玄関へ駆けていくローの後ろ姿に思わず声をかけた。
「ロー!」
立ち止まって振り返るローの顔はいつも通りの無表情だ。
ごめん、と言おうとしてやめた。
「いってらっしゃい」
初めて、ローの顔が少し悲痛に歪んだ気がした。
*
「お飲み物どうなさいますか?」
ウェイターに声をかけられて少し考える。
次は肉料理らしい。
ローなら赤ワイン頼んだかしら。
「…じゃあ、キティを」
「かしこまりました」
正直なところ、オンコールが鳴ってくれてホッとした。
あのまま楽しく食事しようなんて、私の精神はそこまで図太くない。
ローを振った。
心は痛い。
札幌の夜、悪夢にうなされるローを思い出す。
きっと、彼の力にはなれた。
でも。
今回と同じようなことが起こった時のことを考えた。
ローに失礼だと思った。
*
「デザートのお飲み物はどうなさいますか?」
「コーヒーをお願いします」
「かしこまりました」
見た目にもキレイなデザートが運ばれてくる。
緑色をしたジェラートにスプーンを入れる。
ローに選択を迫られたことで皮肉にも気づいてしまった。
私、ゾロが好きだ。
本当は前から気づいていた。
好きになりかけていて、でもそのまま進むと傷つくと思って、自分にストップをかけたつもりでいた。
ストップをかけようとした時点で、もう好きになったことを認めたのと変わらないのに。
向こうがこっちを好きになってくれる保証もない。
それでも、心をそっちに残したまま他の人と付き合うことは私にはできなかった。
香り高く冷たい甘さが舌に抜ける。
「…それもそうね」
医療用ピッチが鳴る。オンコールだ。
「…悪い」
「うん、大丈夫」
「好きに飲み食いしてくれていい」
「…でも」
「呼び出したのはおれだ。恥かかせんな」
「わかった」
バタバタと玄関へ駆けていくローの後ろ姿に思わず声をかけた。
「ロー!」
立ち止まって振り返るローの顔はいつも通りの無表情だ。
ごめん、と言おうとしてやめた。
「いってらっしゃい」
初めて、ローの顔が少し悲痛に歪んだ気がした。
*
「お飲み物どうなさいますか?」
ウェイターに声をかけられて少し考える。
次は肉料理らしい。
ローなら赤ワイン頼んだかしら。
「…じゃあ、キティを」
「かしこまりました」
正直なところ、オンコールが鳴ってくれてホッとした。
あのまま楽しく食事しようなんて、私の精神はそこまで図太くない。
ローを振った。
心は痛い。
札幌の夜、悪夢にうなされるローを思い出す。
きっと、彼の力にはなれた。
でも。
今回と同じようなことが起こった時のことを考えた。
ローに失礼だと思った。
*
「デザートのお飲み物はどうなさいますか?」
「コーヒーをお願いします」
「かしこまりました」
見た目にもキレイなデザートが運ばれてくる。
緑色をしたジェラートにスプーンを入れる。
ローに選択を迫られたことで皮肉にも気づいてしまった。
私、ゾロが好きだ。
本当は前から気づいていた。
好きになりかけていて、でもそのまま進むと傷つくと思って、自分にストップをかけたつもりでいた。
ストップをかけようとした時点で、もう好きになったことを認めたのと変わらないのに。
向こうがこっちを好きになってくれる保証もない。
それでも、心をそっちに残したまま他の人と付き合うことは私にはできなかった。
香り高く冷たい甘さが舌に抜ける。