進展編
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地下街をどんどん進んでいく長身の背中を追いかける。
「待って、ロー!」
「お前歩くの遅過ぎるだろ」
「歩幅の問題!」
スーツケース引いてる人の速さじゃない。
というより、出張先に来た人の進み方じゃない。
「札幌詳しいの?」
「ああ、まあ、詳しいな」
「何度か来たことある感じ?」
「来たことあるというより…住んでた」
「え?そうなの?」
「子供の頃の話だ」
「知らなかった!実家、北関東じゃなかったっけ?」
「…まあ、な」
…事情のある人の言い方だな、私みたいな。
*
「こんなにおいしいお刺身がこんなに安くていいの!?」
「マナ、落ち着け」
「札幌すごいね!!」
目を輝かせて料理を頬張るところはまるで子供だ。
「こっちに住んでたって言ったろ」
「ああ、うん」
「昼間行った場所は、以前俺の父親の病院だった場所だ」
「へえ、」
「一家全焼して、俺だけ残った」
「…え、」
「関東にある実家は、育ててくれた恩人の家で、今はだれも住んでない」
「…そう、なんだ」
1人なら、行かなかったと思う。
タイミングよく料理が運ばれてくる。
「三種のフライドポテトです。こちらがインカの目覚め、こちらがきたあかり、こちらがデストロイヤーです」
「え、紫色!?」
「新種らしいな」
「お味は普通のおいしいジャガイモですよ」
店員が立ち去ってから、マナが混乱した顔で視線を投げてくる。
その両頬を片手で掴む。
「すげえ顔」
「誰のせいよ」
「ハハ、わりい」
「ま、そんな顔すんな」
「…うん」
にこりといつも通りの微笑を浮かべたマナが、それでも明らかに気を遣っているのを感じながら、グラスに口を付けて次の話題を探していた。
「待って、ロー!」
「お前歩くの遅過ぎるだろ」
「歩幅の問題!」
スーツケース引いてる人の速さじゃない。
というより、出張先に来た人の進み方じゃない。
「札幌詳しいの?」
「ああ、まあ、詳しいな」
「何度か来たことある感じ?」
「来たことあるというより…住んでた」
「え?そうなの?」
「子供の頃の話だ」
「知らなかった!実家、北関東じゃなかったっけ?」
「…まあ、な」
…事情のある人の言い方だな、私みたいな。
*
「こんなにおいしいお刺身がこんなに安くていいの!?」
「マナ、落ち着け」
「札幌すごいね!!」
目を輝かせて料理を頬張るところはまるで子供だ。
「こっちに住んでたって言ったろ」
「ああ、うん」
「昼間行った場所は、以前俺の父親の病院だった場所だ」
「へえ、」
「一家全焼して、俺だけ残った」
「…え、」
「関東にある実家は、育ててくれた恩人の家で、今はだれも住んでない」
「…そう、なんだ」
1人なら、行かなかったと思う。
タイミングよく料理が運ばれてくる。
「三種のフライドポテトです。こちらがインカの目覚め、こちらがきたあかり、こちらがデストロイヤーです」
「え、紫色!?」
「新種らしいな」
「お味は普通のおいしいジャガイモですよ」
店員が立ち去ってから、マナが混乱した顔で視線を投げてくる。
その両頬を片手で掴む。
「すげえ顔」
「誰のせいよ」
「ハハ、わりい」
「ま、そんな顔すんな」
「…うん」
にこりといつも通りの微笑を浮かべたマナが、それでも明らかに気を遣っているのを感じながら、グラスに口を付けて次の話題を探していた。