進展編
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「札幌行くのか?」
後ろからの突然の声に跳ね上がる。振り返ると私のPC画面を覗き込むロー。
「…うん、再来月に学会があるんだよね」
「いつだ?」
「最終週の土日」
「…場所は」
「ここなんだけど」
参加要項を見せる。
「…宿と飛行機は」
「これから取ろうと思って」
「俺がやってやる」
「え?」
「同じ日に同じホテルで心臓外科学会だ」
「え、ほんと?」
というやり取りをしたのが約2カ月前。
私は聴講だけだけど、ローは抄録の提出と発表があるらしく、最近は帰りが遅い日が多かった。
当日の出発時刻だけ教えられて、どこに泊まるのかも知らないまま出張に行くなんて初めてだ。
そして出発当日。
「ねえロー」
「なんだ」
「仕事終わりに夜の便でも間に合ったと思うんだけど、何であえて午前の便なの?」
取れなかったならまだしも、二カ月前の予約だからそんなはずないのに。
「お前、札幌初めてか」
「うーん、子供のころに1-2回」
「冬に行ったことないだろ」
「あ、うん」
「この季節は飛行機が飛ばないリスクがあるから、可能ならできるだけ早い便に乗ったほうがいい。
例え遅延や運休があってもたどり着ける可能性は出てくる。」
「へえ、そうなんだ」
「って、医局を説得してきた」
「…丸一日休みとりたかっただけ?」
「さあな」
なんでわざわざ一緒に予約してくれたんだろうなあ、と考えながら搭乗手続きを済ませ、
座席番号を見て「もしかして」が浮かぶ。
「ロー、知らない人と隣になるの耐えられないタイプ?」
「…お前は気にならないタイプだよな」
「うん。…そういうことね」
「経費だとビジネスクラスしか取れねえだろ」
「それ普通だよ」
「どこの誰だか知らない奴と、あんな近い距離で2時間も座ってられるか」
「繊細ですねえトラファルガー先生は」
いざ搭乗したら、離陸前にローはうとうとし始めた。
目の下のクマは相変わらず濃い。
この学会に来るために仕事を詰め込んだんだろう、最近は日付が変わる前に帰ってきたのを見ていない。
少しでも疲れが取れるといいね、と心の中で声をかけながら、動き出した機体に身を預けた。
後ろからの突然の声に跳ね上がる。振り返ると私のPC画面を覗き込むロー。
「…うん、再来月に学会があるんだよね」
「いつだ?」
「最終週の土日」
「…場所は」
「ここなんだけど」
参加要項を見せる。
「…宿と飛行機は」
「これから取ろうと思って」
「俺がやってやる」
「え?」
「同じ日に同じホテルで心臓外科学会だ」
「え、ほんと?」
というやり取りをしたのが約2カ月前。
私は聴講だけだけど、ローは抄録の提出と発表があるらしく、最近は帰りが遅い日が多かった。
当日の出発時刻だけ教えられて、どこに泊まるのかも知らないまま出張に行くなんて初めてだ。
そして出発当日。
「ねえロー」
「なんだ」
「仕事終わりに夜の便でも間に合ったと思うんだけど、何であえて午前の便なの?」
取れなかったならまだしも、二カ月前の予約だからそんなはずないのに。
「お前、札幌初めてか」
「うーん、子供のころに1-2回」
「冬に行ったことないだろ」
「あ、うん」
「この季節は飛行機が飛ばないリスクがあるから、可能ならできるだけ早い便に乗ったほうがいい。
例え遅延や運休があってもたどり着ける可能性は出てくる。」
「へえ、そうなんだ」
「って、医局を説得してきた」
「…丸一日休みとりたかっただけ?」
「さあな」
なんでわざわざ一緒に予約してくれたんだろうなあ、と考えながら搭乗手続きを済ませ、
座席番号を見て「もしかして」が浮かぶ。
「ロー、知らない人と隣になるの耐えられないタイプ?」
「…お前は気にならないタイプだよな」
「うん。…そういうことね」
「経費だとビジネスクラスしか取れねえだろ」
「それ普通だよ」
「どこの誰だか知らない奴と、あんな近い距離で2時間も座ってられるか」
「繊細ですねえトラファルガー先生は」
いざ搭乗したら、離陸前にローはうとうとし始めた。
目の下のクマは相変わらず濃い。
この学会に来るために仕事を詰め込んだんだろう、最近は日付が変わる前に帰ってきたのを見ていない。
少しでも疲れが取れるといいね、と心の中で声をかけながら、動き出した機体に身を預けた。