日常編
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買ってきたバナナが完熟以上になっていたので、そうだ明日はバナナブレッドにしようと思い立って黒板に書いた。
甘いもの好きな女の子たちがきっとエントリーしてくるだろう。
特に、あれはビビの昔からの大好物だから。
翌朝、黒板を見るとしっかりした字で彼女の名前が。
夜のうちに焼いておいて、足りない分は焼き足せば、忙しい朝にも簡単なメニュー。
しかも、前夜から甘い香りが漂って、朝食参加率の高いメニューでもある。
「おはようマナ」
「おはようビビ、早いわね」
「昨日からいい匂いしてたから、楽しみで起きちゃった」
彼女に初めてこのケーキを焼いたのは、確か10年も前になると思う。
当時小学生の彼女と、中学生の私と。
ミルクティーをいれる彼女を感慨深く眺める。
「スープ、ミネストローネあるけどいる?」
「うん!」
私の父が亡くなった時も、彼女とそのお父様は駆けつけてくれた。
私より彼女のほうが泣いていたように思う。
彼女のお父様には、今でもとてもお世話になっている。
「いただきます」
小さな口にバナナブレッドを入れてかみしめるその表情は、初めて会った時のまま。
「ふふ、おいしい」
「よかったわ」
ビビたちがいなかったら、今の私はなかったかもしれない。
「まだあるから、たくさん食べてね」
「ありがとう、マナ」
お礼を言いたいのはこっちよ、という言葉を込めて微笑む。
あの時、出会ってくれたおかげで。
あの日、私以上に泣いてくれたおかげで。
今も、こうして笑いかけてくれるおかげで。
私はここに立っていられる。
「こちらこそ、ありがとう」
「え?」
「そんなにおいしそうに食べてくれて、嬉しいなー」
「だっておいしいものー」
朝の光の中で微笑みあうこの瞬間が、私には宝物。
甘いもの好きな女の子たちがきっとエントリーしてくるだろう。
特に、あれはビビの昔からの大好物だから。
翌朝、黒板を見るとしっかりした字で彼女の名前が。
夜のうちに焼いておいて、足りない分は焼き足せば、忙しい朝にも簡単なメニュー。
しかも、前夜から甘い香りが漂って、朝食参加率の高いメニューでもある。
「おはようマナ」
「おはようビビ、早いわね」
「昨日からいい匂いしてたから、楽しみで起きちゃった」
彼女に初めてこのケーキを焼いたのは、確か10年も前になると思う。
当時小学生の彼女と、中学生の私と。
ミルクティーをいれる彼女を感慨深く眺める。
「スープ、ミネストローネあるけどいる?」
「うん!」
私の父が亡くなった時も、彼女とそのお父様は駆けつけてくれた。
私より彼女のほうが泣いていたように思う。
彼女のお父様には、今でもとてもお世話になっている。
「いただきます」
小さな口にバナナブレッドを入れてかみしめるその表情は、初めて会った時のまま。
「ふふ、おいしい」
「よかったわ」
ビビたちがいなかったら、今の私はなかったかもしれない。
「まだあるから、たくさん食べてね」
「ありがとう、マナ」
お礼を言いたいのはこっちよ、という言葉を込めて微笑む。
あの時、出会ってくれたおかげで。
あの日、私以上に泣いてくれたおかげで。
今も、こうして笑いかけてくれるおかげで。
私はここに立っていられる。
「こちらこそ、ありがとう」
「え?」
「そんなにおいしそうに食べてくれて、嬉しいなー」
「だっておいしいものー」
朝の光の中で微笑みあうこの瞬間が、私には宝物。