23:24、スマホが鳴る。
見ると、マナからの連絡。
マナからの連絡…！？

＜起きてる？＞
＜起きてるぞ＞

間髪入れずに着信が入った。

「遅くにごめんね」
「なんだ、どうした？」
「お願いがあるんだけど」

一瞬、決意するような間があった。

「今日、泊めてもらえないかな」

…一瞬頭の中が真っ白になった。
あれだけ寄り付かなかったマナが？

「シャンクス？」
「あァ、いいぞ。迎えに行くか？」
「自分で行けるけど」
「いや、迎えに行く。どこに行けばいい？」

てっきり終電逃したとかそういう事情かと思ったが。

「じゃあうちに。コレクティブハウス。」
「…うち？」
「部屋に人を泊めることになって」
「なるほどな」

到着時間を伝えて電話を切る。
車のカギを手に取りながら、部屋を見渡す。
マナが来て、見られると困るものはないはずだ。
女も上がらせてないし、まあシンクが汚いのは目をつぶってくれるだろう。

あいつがここに来るのはいつ以来だろう。
食事するって言っても外で会うことが多かったから、もう３年近くになるかもしれない。
鼓動が早くなる自分に苦笑いしながら車に乗り込んだ。