「ただいま」
「サボ、おかえり」
「いい匂いだなー」
「おかえりー」
「おうはえーな！」

サボがスペースを見渡す。

「俺、ここを出ることになった」

え。

「嘘だろ！？」
「なんで！？」
「アメリカの大学に行くことにした」
「アメリカ！？」
「みんな遊びに来いよ」
「え、いつから？」
「来月」
「早すぎねえか！？」

うそ。
サボがいなくなる？

ニッコリいい笑顔を作ったサボが「そういう訳だから、送別会よろしくな！」と言ったことで、
スペースは変な興奮状態になった。
今生の別れみたいに嘆くルフィ、送別会企画に熱意を燃やすエース他数名と。

そんなみんなを見渡しながら、私は固まったままだった。

想像がつかない。
サボが、ここからいなくなる？



サボが、不意に近づいてきて、耳元で囁いた。

「マナ、頼みがある」
「・・・なあに？」
「二日間、マナを独り占めしたい」