恋は戦争編
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病院の売店で舌打ちする。
時間が時間だからか、運悪くパンと梅干しおにぎりしか残っていない。
その上レジには長蛇の列で、これからカップ麺を待つ時間はないし、どうするか。
と、売店の中に見知った姿を見つけた。
「おい、マナ」
手には弁当袋。
あまりのタイミングの良さに口角を上げながらそれを掴み上げ、代わりに1000円札を押し付ける。
「え、ロー」
「これで好きなものを買え」
「え、え?」
「容器はスペースに戻しておく」
あと15分、医局に戻ってこれを食う時間はあるだろ。
「ロー!」
呼び止める声に振り向くと。
「おにぎり、念のため確認してから食べてね!」
「わかった」
向き直った途端、目の前ににやけた同期の顔が広がる。
「どけペンギン」
「おっと悪いね」
わざわざ着いてきやがるこいつは暇人なのか。
「へえー、人の作ったもの食べられないローがねェ」
「…邪魔だ」
「なになにあの子、本命?」
「…バラすぞ」
「それはさすがにご勘弁」
結局ペンギンは医局までついてきて興味津々に弁当の中身を眺めている。
「おにぎり、卵焼き、唐揚げ、ブロッコリー、ミニトマト。理想的ですねぇ」
おにぎりを割る。たらこ。セーフ。
頬張りながらもう一つを割る。鮭。これもセーフ。
あいつの料理は出来立てしか食ったことはないが、冷めても変わりないもんだな。
「いい奥さんになりそうな子じゃん」
「…お前は妻に飯炊き女しか求めねぇんだな」
「そういう訳じゃないけどさ」
ペンギンが卵焼きを一つ摘み上げて口に運ぶ。
「おい、勝手に食うな」
「んー、めっちゃうまい。仕事しながらこのクオリティはできる女だと思うよ?」
「…まあな」
それは、スペースの誰もが知る事実。