過去編
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ゾロに向き直ってトマトを切っていたら、サボが帰ってきた。
少し体に緊張が走りかけるけど、でも、それをサボもゾロも勘付くだろう。
小さく息を吐きだす。
しっかり目を見て「おかえり」と声をかける。
サボもいつも通りの「ただいま」。
いつも通りのにっこり。
「マナ、」
来た。
「昨日のこと、謝らないから」
え。
「謝るほうが失礼だと思うから、謝らない」
「…」
サボの真意が読めない。
「ただ、驚かせたことは謝る。悪かった」
「…うん。」
「それだけ、じゃ、部屋に戻るわ」
「うん、お疲れさま」
サボは軽くゾロに視線を投げてスペースを後にする。
軽く混乱した頭でサボを見送る。
そして完全に何かを察した表情でゾロがこっちを見ているのも感じる。
ひとまず視線を合わせて微笑んでみる。
険しい目つきが言葉より強く説明を求めてくる。
「…ちょっと、昔の話をしたのよね」
「何があった?」
「うーん…ひと悶着あった」
「で?」
「…あんまり深くは話せないけど」
話を打ち切るように後ろを向く。
でも、ゾロが席を立って私の横に立つ。
「おい」
ああ、もうこれは恫喝と取ってもいいのでは。
「なに?」
「言えねぇようなことか」
「うーん…」
言えないでしょう、部屋に招いて昔の話をして、結果キスされたとか。
「私がサボにその話をした意図と、サボが理解した意図が食い違って、ちょっと、傷ついたってだけ」
言語化して初めて、ああ、自分は傷ついていたんだと知る。
私は友人としての信頼であの話をしたけど、サボが理解したのはそうじゃなかった。
特別にはいろんな特別がある。
それが食い違ったからって、確かに謝る必要はないのかもしれない。
言葉の上ではゾロはなんとなく引き下がったけれど、私とサボの間で何かが起きたことは確信しただろう。
ゾロから今の私はどんな風に見えるだろう。
少しでも考えるとナイフで抉られるような気分になるから、考える自分を頭の中から追い出した。
少し体に緊張が走りかけるけど、でも、それをサボもゾロも勘付くだろう。
小さく息を吐きだす。
しっかり目を見て「おかえり」と声をかける。
サボもいつも通りの「ただいま」。
いつも通りのにっこり。
「マナ、」
来た。
「昨日のこと、謝らないから」
え。
「謝るほうが失礼だと思うから、謝らない」
「…」
サボの真意が読めない。
「ただ、驚かせたことは謝る。悪かった」
「…うん。」
「それだけ、じゃ、部屋に戻るわ」
「うん、お疲れさま」
サボは軽くゾロに視線を投げてスペースを後にする。
軽く混乱した頭でサボを見送る。
そして完全に何かを察した表情でゾロがこっちを見ているのも感じる。
ひとまず視線を合わせて微笑んでみる。
険しい目つきが言葉より強く説明を求めてくる。
「…ちょっと、昔の話をしたのよね」
「何があった?」
「うーん…ひと悶着あった」
「で?」
「…あんまり深くは話せないけど」
話を打ち切るように後ろを向く。
でも、ゾロが席を立って私の横に立つ。
「おい」
ああ、もうこれは恫喝と取ってもいいのでは。
「なに?」
「言えねぇようなことか」
「うーん…」
言えないでしょう、部屋に招いて昔の話をして、結果キスされたとか。
「私がサボにその話をした意図と、サボが理解した意図が食い違って、ちょっと、傷ついたってだけ」
言語化して初めて、ああ、自分は傷ついていたんだと知る。
私は友人としての信頼であの話をしたけど、サボが理解したのはそうじゃなかった。
特別にはいろんな特別がある。
それが食い違ったからって、確かに謝る必要はないのかもしれない。
言葉の上ではゾロはなんとなく引き下がったけれど、私とサボの間で何かが起きたことは確信しただろう。
ゾロから今の私はどんな風に見えるだろう。
少しでも考えるとナイフで抉られるような気分になるから、考える自分を頭の中から追い出した。