予感編
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大晦日にカウントダウンを待ちながら、「今年あんまり遠出しなかったな」と言ったら
サボが「じゃあ富士急行こう、久々に」と言い出して、さっそく年明けの予定を合わせた。
昨日、ワクワクしながら夕飯を作っていたら、サボがスペースにやってきた。
「マナ、明日ちょっとオシャレしてきて」
「オシャレ?どんな?」
「どんなって?」
「うーんと…例えばデート服とか、カジュアルな感じとか、色々あるじゃない」
「ああ、そういわれると難しいな」
結局サボ自身に服を選んでもらうことになった。
寒さ対策も考えてくれた結果、スキニーにショートブーツ、
キャメルのチェスターコート、インナーにグレーのハイネックニットの組み合わせになった。
朝5時に起きて身支度をしながら、これは誰に向けてのオシャレなんだろう、という疑問が頭をよぎる。
なんとなく、男受けというよりは、女子がオシャレと感じるような服装に思える。
今までも何度か一緒に遊園地に行っているけど、服装を指定されたことはなかったのに。
いざ集合してみると、サボもチェスターコートを着てきていた。
チェスターコート割引みたいなものがある日なのかしら。や、ありえないか。
「やっぱ寒いねー!」
「でも人も少ないな!」
「1月はこうでなきゃ!」
寒さにはしゃぎながら、絶叫系を順に乗り終えてお昼に差し掛かったころ。
「あれ?サボくん??」
声に振り向くと、大学生グループの中の目のくりっとした女の子がこちらを見ていた。
「サボさん、デートだったんすか!?」
「あーだから俺らの誘い断ったんですね」
後ろから後輩と思われる大学生が囃し立てる中、最初に声をかけてきた女の子は強い目力で私を射抜く。
…この感じはもしかして。
ひとまず、大人らしくにっこり笑いかけておく。
「悪いな、そういうことだ」
や、どういうことですか。誤解されてるでしょう。と心の中で突っ込みながらサボを見る。
「次行こうぜ、お前らも楽しんで」
「はーい!また月曜のゼミでー!」
立ち去る中でもあの女の子の強い視線を背中に感じていた。
しばらく無言で歩いた後にサボが口を開く。
「ゼミの後輩たちだ」
「そうみたいだね」
「昨日、あいつらが遊園地行くって言い出してて、もしかして遭遇するかなーと思ってたんだが」
「見事に遭遇したと」
「ああ」
「もしかして、私の服装指定したのって、あの女の子と関係ある?」
「まあ、そこは…察してくれ」
やっぱりか。
あの女の子はサボが好きだ。
でもたぶんサボはその想いに応えないつもりで、私と服装をお揃いにすることで誤解を与えて回避しようとしたと。
「モテますねえ、サボさん」
「そんなことはねえけどな」