予感編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
どうしよう。
ローに抱き込まれたまま眠られてしまった。
そもそも何でこんなことに。
…あれかな、モテる男の常套手段なのかな。
抜け出そうと体を動かすと、ぎゅっと力の入る腕。
ベッドに引き込まれたことに正直すごく動揺して、
それを隠して笑顔を作ったものの、なぜか逆効果だったようで。
「…ロー、」
なんだろう、実はものすごく人恋しかったとか?
体調悪いときに傍に誰かいてほしい気持ちはわかる。
それなら少しは優しくしてあげようと思える。手段が強引だったことは後で苦情を付けるとして。
可能な範囲で手を動かして、肩から背中にかけてをゆっくりなでる。
「大丈夫だよ、起きるまでここにいるよ」
「…ん…」
声が聞こえたのかは分からないけど、肩をなでるたび徐々にローの体から力が抜けていく。
ぐっすりと熟睡し始めたところで、腕から抜け出すのに成功した。
スマホを見ると住人からの夕飯リクエストが。
…さっき起きるまでいるって言っちゃったしなあ。
たとえ夢の中だったとしても、約束には責任を持とう。
{ちょっと色々あって、今日は無理そう。ごめんなさい!}
雑炊は起きたら食べてもらうとして、と部屋を見渡す。
他人の部屋に入るとつい家事代行の血が騒いで、散らかっていると片づけをしたくなる。
頼まれてはいないけど、やってしまおう。
昼間に取り込んだ洗濯物は他のものを参考に畳んで、床に落ちた洗濯物は洗濯カゴに。
重なる医学書は手を付けないほうがいいと判断して放置、紙の束も同じく触らない。
いくつか溜まったマグカップを、水音しか出さずに洗い上げる。
ベビーシッターの仕事中は乳幼児が寝てる中で洗い物をすることもあるから、この辺りは得意分野。
床から物がなくなって、シンクが空になっただけで印象はかなり変わる。
あと、欲を言えば掃除機をかけて水回りの掃除をしたいけど、そうなるとたぶん家主が起きてしまうし。
どうするか考えていたら、ローが寝返りを打った。
手がさわさわと何かを探す。
近づいて、手に触れるとぎゅっと握られた。
ゆっくり持ち上がるまつ毛。
男の人だけど長いまつ毛だなあ、普段クマに見えてるのは一部まつ毛の影なのかも。
「…おい」
「なに?」
「誰が離れていいと言った」
「ロー、王様モードだねえ」
また引き込まれる腕を逆に引っ張り返す。
「そろそろ起きないと、寝すぎて逆にだるいんじゃない?」
「…」
ゆっくり体を起こしたローが部屋を見渡す。
「お前、片付けたのか」
「ごめん、つい気になっちゃって。本とか書類は触ってないから安心して」
「いや、別に」
雑炊を温めなおして食べてもらいながら、何とかローを言いくるめて水回りを掃除する。
単純に掃除をして部屋がきれいになることが好きなだけなので、
それが自分の部屋か他人の部屋かはあまり関係ないし、汚れが強いからと言ってその人の印象が変わるわけでもない。
我ながら、家事代行のバイトは向いていると思う。
「…うまかった」
「よかったです」
「あと、部屋、助かった。礼はする」
「いいよ、勝手にやったんだから」
すっかり通常営業の表情になったローを見て、元気になって良かったと思う反面、
頬を撫でたりはもう出来ないなあと少し惜しい気持ちにもなる。
まあでも、普段見られないローを見られたし貴重な一日だった。
「明日も休み?」
「休みだ」
「良かった、しっかり治してね。おやすみ」
「…ああ」
ローに抱き込まれたまま眠られてしまった。
そもそも何でこんなことに。
…あれかな、モテる男の常套手段なのかな。
抜け出そうと体を動かすと、ぎゅっと力の入る腕。
ベッドに引き込まれたことに正直すごく動揺して、
それを隠して笑顔を作ったものの、なぜか逆効果だったようで。
「…ロー、」
なんだろう、実はものすごく人恋しかったとか?
体調悪いときに傍に誰かいてほしい気持ちはわかる。
それなら少しは優しくしてあげようと思える。手段が強引だったことは後で苦情を付けるとして。
可能な範囲で手を動かして、肩から背中にかけてをゆっくりなでる。
「大丈夫だよ、起きるまでここにいるよ」
「…ん…」
声が聞こえたのかは分からないけど、肩をなでるたび徐々にローの体から力が抜けていく。
ぐっすりと熟睡し始めたところで、腕から抜け出すのに成功した。
スマホを見ると住人からの夕飯リクエストが。
…さっき起きるまでいるって言っちゃったしなあ。
たとえ夢の中だったとしても、約束には責任を持とう。
{ちょっと色々あって、今日は無理そう。ごめんなさい!}
雑炊は起きたら食べてもらうとして、と部屋を見渡す。
他人の部屋に入るとつい家事代行の血が騒いで、散らかっていると片づけをしたくなる。
頼まれてはいないけど、やってしまおう。
昼間に取り込んだ洗濯物は他のものを参考に畳んで、床に落ちた洗濯物は洗濯カゴに。
重なる医学書は手を付けないほうがいいと判断して放置、紙の束も同じく触らない。
いくつか溜まったマグカップを、水音しか出さずに洗い上げる。
ベビーシッターの仕事中は乳幼児が寝てる中で洗い物をすることもあるから、この辺りは得意分野。
床から物がなくなって、シンクが空になっただけで印象はかなり変わる。
あと、欲を言えば掃除機をかけて水回りの掃除をしたいけど、そうなるとたぶん家主が起きてしまうし。
どうするか考えていたら、ローが寝返りを打った。
手がさわさわと何かを探す。
近づいて、手に触れるとぎゅっと握られた。
ゆっくり持ち上がるまつ毛。
男の人だけど長いまつ毛だなあ、普段クマに見えてるのは一部まつ毛の影なのかも。
「…おい」
「なに?」
「誰が離れていいと言った」
「ロー、王様モードだねえ」
また引き込まれる腕を逆に引っ張り返す。
「そろそろ起きないと、寝すぎて逆にだるいんじゃない?」
「…」
ゆっくり体を起こしたローが部屋を見渡す。
「お前、片付けたのか」
「ごめん、つい気になっちゃって。本とか書類は触ってないから安心して」
「いや、別に」
雑炊を温めなおして食べてもらいながら、何とかローを言いくるめて水回りを掃除する。
単純に掃除をして部屋がきれいになることが好きなだけなので、
それが自分の部屋か他人の部屋かはあまり関係ないし、汚れが強いからと言ってその人の印象が変わるわけでもない。
我ながら、家事代行のバイトは向いていると思う。
「…うまかった」
「よかったです」
「あと、部屋、助かった。礼はする」
「いいよ、勝手にやったんだから」
すっかり通常営業の表情になったローを見て、元気になって良かったと思う反面、
頬を撫でたりはもう出来ないなあと少し惜しい気持ちにもなる。
まあでも、普段見られないローを見られたし貴重な一日だった。
「明日も休み?」
「休みだ」
「良かった、しっかり治してね。おやすみ」
「…ああ」