世界への門
___________日本代表イナズマジャパン選考会終了直後。
足早に会場を後にした青年は近くのコーヒー店に腰を下ろす。
愛用のパソコンを立ち上げ、パスコードを打ち込んだ。
とりあえず当選、した。青年は安堵で気が抜けそうだった。
立ち上がったパソコンでインターネットを開き、日本代表の検索をかければ、メンバーのデータがいとも簡単に表示された。さっそくブログ等に書き込んでいる人がいる。感謝しつつその1つをクリックした。
コール時に唯一無知の選手がいたのが予想外だった。聞いたことのない選手。
……そう、このFWで5番目にコールされてた……
“水月 大河”
お目当の名はすぐに見つかった。
コピーしたその名を検索にかける。ものの数秒で何千と言う検索結果が表示された。
青年は一通りスクロールし、首を傾げる。
出て来たのは今日の選抜による案件ばかりだ。
後は同名のTwitter垢やYouTube名等。
何かのチャットの鏡花水月だなんて垢まで出て来ている。いやいやいや。……え?
「……データがない!?」
青年はポカン、と口を開けるほかなかった。
どう言う事だ、これ。全く引っかからない。
情報規制でもしてるのか、というほど全く出てこないその事態は青年にとって予想外すぎた。
仕方ない、現地で彼のデータを分析するしかない。
頼んだコーヒーはまだ半分以上残っていたが気にも問わず排水溝に流し込む。
パソコンを鞄に突っ込ませ、青い癖のある髪を靡かせながら、彼は店を後にした。
足早に会場を後にした青年は近くのコーヒー店に腰を下ろす。
愛用のパソコンを立ち上げ、パスコードを打ち込んだ。
とりあえず当選、した。青年は安堵で気が抜けそうだった。
立ち上がったパソコンでインターネットを開き、日本代表の検索をかければ、メンバーのデータがいとも簡単に表示された。さっそくブログ等に書き込んでいる人がいる。感謝しつつその1つをクリックした。
コール時に唯一無知の選手がいたのが予想外だった。聞いたことのない選手。
……そう、このFWで5番目にコールされてた……
“水月 大河”
お目当の名はすぐに見つかった。
コピーしたその名を検索にかける。ものの数秒で何千と言う検索結果が表示された。
青年は一通りスクロールし、首を傾げる。
出て来たのは今日の選抜による案件ばかりだ。
後は同名のTwitter垢やYouTube名等。
何かのチャットの鏡花水月だなんて垢まで出て来ている。いやいやいや。……え?
「……データがない!?」
青年はポカン、と口を開けるほかなかった。
どう言う事だ、これ。全く引っかからない。
情報規制でもしてるのか、というほど全く出てこないその事態は青年にとって予想外すぎた。
仕方ない、現地で彼のデータを分析するしかない。
頼んだコーヒーはまだ半分以上残っていたが気にも問わず排水溝に流し込む。
パソコンを鞄に突っ込ませ、青い癖のある髪を靡かせながら、彼は店を後にした。