『アパシー・シンドローム』

退却神経症とも呼ばれる日本独自の臨床疾患単位。
個人に負荷が掛かる、社会的役割を投げ出し、慢心的な無関心・無気力・無快楽を引き起こす一種の鬱症状。

元来、人一倍生真面目で怠ける様な素振りを見せない人間ほど患いやすい神経症。
意味の無い惰眠を貪るようになったり、社交性に乏しくなったりと退却の一途を辿る症状が見受けられる。



社会の喧騒に潜む綻を映すその少年の世界はただひたすらに虚構と欺瞞に溢れ、罅割れていた。




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