君が生まれた日

「リディア。よく頑張ったね」
エドガーは生まれた息子を抱きながら言った。
その言葉にリディアは微笑んだ。出産後の疲れがその言葉で吹き飛ぶ。
エドガーは胸に抱いたアルヴィンをじっと見た。
彼はエドガーによく似ているが彼とは違った癖のある金髪と青い瞳を持っている。
息子は暖かくて柔らかくてなんだか泣きそうになってくる。
薄汚れた自分にもこんな幸せが来るなんて思いもしなかった。
「きみはぼくに素晴らしいものを与えてくれるね。ありがとう」
「あたしの方こそあなたにもらってばっかりだわ」
エドガーはリディアの言葉に顔を近づけるとこうささやいた。
「僕たちはお互いにお似合いってことだね」
そして夫婦は息子を見ると微笑んだ。
そしてどちらからともなく幸せだと思った。
長い戦いを終えた二人はふたりの子供と共にこれから幸せな人生を歩んでゆくのだろう。

END
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