公爵家の子供たち

アルヴィンは思わずため息をつきたくなった。
子供にまで迷惑をかけるなんてどんだけ大人気ないんだ。
アルヴィンはあの父の愛情を一身に受けている母を尊敬した。
「わかった。読んであげる」
かわいい弟と妹をがっかりさせたくない。
アルヴィンの言葉を聞いてイブリンとサイラスの顔が輝いた。
「やった~!」
ふたりはそう言って飛び跳ねた。
「じゃあいくよ」
アルヴィンはそう言って絵本を読み始めた。
サイラスとイブリンは顔をきらきらさせながら聞いていたのだった。


「ありがとう。アルヴィン」
寝る前に母が急に言った。
「何が?」
「サイラスとイブリンの相手をしてくれて。良いお兄さまね」
母はそう言ってアルヴィンを抱きしめた。
父がみたら拗ねるかもと思いながらも久しぶりの母の感触にアルヴィンは心がぽかぽかした。
弟と妹の前ではお兄さんだから甘えることはできないけどこういう時に甘えられるのはいいな。アルヴィンは思った。
今日はいい日だったなとアルヴィンは思って眠りについたのだった。


END
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