夏目の従妹が主人公。原作設定。黒髪に翡翠の瞳の美少女です。
第八話 雪の日の迷子
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『母さん! 母さん!』
ユキミツは母親らしき雪の子に一目散へと駆け寄っていった。
『まあ、ユキミツ……。よく無事で……』
美しい銀の髪のユキミツのお母さんはわが子を強く抱きしめた。
『町についたとたん、いなくなったのに気づいて心配したのよ……。一人で大変だったでしょう……?』
『ううん。夏目と美結花が一緒にいてくれたから大変じゃないよ』
ユキミツは笑顔で言った。
(会えてよかった……)
美結花は心の底からそう思った。
あんなに母親に会いたがっていたのだ。無事に会えてよかった。
『夏目様、美結花様。ユキミツを助けてくださりありがとうございます』
ユキミツの母親は丁寧に頭を下げた。
「いえ、別に私たちは……」
「特に何かしたわけじゃないですし……」
丁寧に頭を下げられて二人は戸惑ってしまう。こんなに丁寧に妖に接してもらったことがないからだ。
『いいえ。無事にこの子に会えたのはあなた方のおかげです。街についたとたんに強風のせいでこの子とはぐれたときはどうしようかと思った……』
「む。おまえ、かなりの力を持っているな。群れの長か」
『ええ。そうです。この群れの長をしております』
ニャンコ先生の言葉に彼女は頷いた。
『夏目様、美結花様。私たちは行かなければいけません。ユキミツを助けてくれたあなた方に大したお礼はできないのが申し訳ないです……。ただ一つ助言はできると思います』
「助言……?」
美結花は首を傾げた。
「もらっておきなさい。長く生きている分、多くのことを知っているから的確なアドバイスができるとおもうわ」
佐貝が口を挟む。
『夏目様、美結花様。あなた方はあなたの思うままに生きてください。人か妖。どちらかを選ばなければいけないと言われることもあるかもしれません。その時はあなた方の心の思うままに答えてください。どちらも大事だと思えばその通りにしていいのだと私は思います』
「人と妖か……」
夏目は呟いた。
この街に来てから多くのものを得た。温かい人たちと人と同じくらい優しい妖たち。それはこれまでと違っていて戸惑うことも多いけれど……。
『人の中にあなた方をいつも心配して寄り添うものがいるように妖の中にもあなた方を助けたい、力になりたいと思うものもいるはずです。…ちょうどカゲユの瘴気から守ってくれる呪術をかけてくれるものがいるように、カゲユの行動を緩める鏡を渡してくれたものがいるように……』
カゲユの瘴気を浴びたにも関わらず二人が無事だったのはヒノエの呪いのおかげだったのだと気づいた。たぶんカゲユの強い瘴気をあそこまで近くから浴びてしまうと美結花の加護がある体でも毒だったのだ。ヒノエはそれに気づいていたのかもしれない。
それに中級。彼らは一緒にユキミツを探してくれた。カゲユが苦手な光を反射させる鏡を渡してくれた。それは力になりたいという思いからなのだろうか。
『だからどちらか選ぶことをせずに心のまま答えてください』
そうユキミツの母親は言ってくれた。
やがて風が原っぱに吹いてきた。
『私たちはもう行かなければなりません……。でも覚えておいてください。別れは寂しいことだけれど、それにより得るものもあるのだと……』
風に多くの雪の子たちが乗っていく。彼女たちは多くの雪を拭き散らしながら飛んでいく。
『さあ、ユキミツ……』
『うん! 夏目! 美結花。ありがとう、無事に母さんに会えたよ。まだまだ僕は弱いけど、強くなってまた会いに行くからね!』
「うん、楽しみにしている」
「ああ。きっとユキミツなら強くなれるさ……」
夏目と美結花は微笑んだ。
『さようなら……。またお会いできることを祈っています』
『またね~!』
最後にユキミツと母親が風に乗っていく。
彼女たちは雪の結晶を散らしながら踊るように飛んでいった。
残された雪の結晶は地面に落ちて行きながらプリズムのように輝いて虹のきらめきを見せていく。
「わあ……!」
美結花は思わず声を上げる。
それは美しい光景だった。
「…雪の子が去っていったあと、稀にだが残された雪が結晶となり、太陽の光を浴びて虹の輝きを見せることがあるという。妖でもめったに見れない光景だ」
「斑の言うとおりね。運がいいわね、二人とも」
ニャンコ先生と佐貝が言った。
「綺麗だな……」
「うん……。ユキミツからのメッセージみたいね……」
「ああ」
夏目は頷いて微笑んだ。
(さよなら、ユキミツ。いつか強くなった君にまた会えるといいな……)
別れは寂しいけれど、それで得ることもある。きっとこれからも一つ一つ美結花は別れを積み重ねていくのだろう。
ユキミツとその母親が残した雪の結晶はしばらく輝き続けた。それはまるでユキミツからのさようならの言葉のようだった──。
ユキミツは母親らしき雪の子に一目散へと駆け寄っていった。
『まあ、ユキミツ……。よく無事で……』
美しい銀の髪のユキミツのお母さんはわが子を強く抱きしめた。
『町についたとたん、いなくなったのに気づいて心配したのよ……。一人で大変だったでしょう……?』
『ううん。夏目と美結花が一緒にいてくれたから大変じゃないよ』
ユキミツは笑顔で言った。
(会えてよかった……)
美結花は心の底からそう思った。
あんなに母親に会いたがっていたのだ。無事に会えてよかった。
『夏目様、美結花様。ユキミツを助けてくださりありがとうございます』
ユキミツの母親は丁寧に頭を下げた。
「いえ、別に私たちは……」
「特に何かしたわけじゃないですし……」
丁寧に頭を下げられて二人は戸惑ってしまう。こんなに丁寧に妖に接してもらったことがないからだ。
『いいえ。無事にこの子に会えたのはあなた方のおかげです。街についたとたんに強風のせいでこの子とはぐれたときはどうしようかと思った……』
「む。おまえ、かなりの力を持っているな。群れの長か」
『ええ。そうです。この群れの長をしております』
ニャンコ先生の言葉に彼女は頷いた。
『夏目様、美結花様。私たちは行かなければいけません。ユキミツを助けてくれたあなた方に大したお礼はできないのが申し訳ないです……。ただ一つ助言はできると思います』
「助言……?」
美結花は首を傾げた。
「もらっておきなさい。長く生きている分、多くのことを知っているから的確なアドバイスができるとおもうわ」
佐貝が口を挟む。
『夏目様、美結花様。あなた方はあなたの思うままに生きてください。人か妖。どちらかを選ばなければいけないと言われることもあるかもしれません。その時はあなた方の心の思うままに答えてください。どちらも大事だと思えばその通りにしていいのだと私は思います』
「人と妖か……」
夏目は呟いた。
この街に来てから多くのものを得た。温かい人たちと人と同じくらい優しい妖たち。それはこれまでと違っていて戸惑うことも多いけれど……。
『人の中にあなた方をいつも心配して寄り添うものがいるように妖の中にもあなた方を助けたい、力になりたいと思うものもいるはずです。…ちょうどカゲユの瘴気から守ってくれる呪術をかけてくれるものがいるように、カゲユの行動を緩める鏡を渡してくれたものがいるように……』
カゲユの瘴気を浴びたにも関わらず二人が無事だったのはヒノエの呪いのおかげだったのだと気づいた。たぶんカゲユの強い瘴気をあそこまで近くから浴びてしまうと美結花の加護がある体でも毒だったのだ。ヒノエはそれに気づいていたのかもしれない。
それに中級。彼らは一緒にユキミツを探してくれた。カゲユが苦手な光を反射させる鏡を渡してくれた。それは力になりたいという思いからなのだろうか。
『だからどちらか選ぶことをせずに心のまま答えてください』
そうユキミツの母親は言ってくれた。
やがて風が原っぱに吹いてきた。
『私たちはもう行かなければなりません……。でも覚えておいてください。別れは寂しいことだけれど、それにより得るものもあるのだと……』
風に多くの雪の子たちが乗っていく。彼女たちは多くの雪を拭き散らしながら飛んでいく。
『さあ、ユキミツ……』
『うん! 夏目! 美結花。ありがとう、無事に母さんに会えたよ。まだまだ僕は弱いけど、強くなってまた会いに行くからね!』
「うん、楽しみにしている」
「ああ。きっとユキミツなら強くなれるさ……」
夏目と美結花は微笑んだ。
『さようなら……。またお会いできることを祈っています』
『またね~!』
最後にユキミツと母親が風に乗っていく。
彼女たちは雪の結晶を散らしながら踊るように飛んでいった。
残された雪の結晶は地面に落ちて行きながらプリズムのように輝いて虹のきらめきを見せていく。
「わあ……!」
美結花は思わず声を上げる。
それは美しい光景だった。
「…雪の子が去っていったあと、稀にだが残された雪が結晶となり、太陽の光を浴びて虹の輝きを見せることがあるという。妖でもめったに見れない光景だ」
「斑の言うとおりね。運がいいわね、二人とも」
ニャンコ先生と佐貝が言った。
「綺麗だな……」
「うん……。ユキミツからのメッセージみたいね……」
「ああ」
夏目は頷いて微笑んだ。
(さよなら、ユキミツ。いつか強くなった君にまた会えるといいな……)
別れは寂しいけれど、それで得ることもある。きっとこれからも一つ一つ美結花は別れを積み重ねていくのだろう。
ユキミツとその母親が残した雪の結晶はしばらく輝き続けた。それはまるでユキミツからのさようならの言葉のようだった──。
