夏目の従妹が主人公。原作設定。黒髪に翡翠の瞳の美少女です。
第六話 呪術師の会
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中に入るとたくさんの人がいた。
「これ全部……?」
「これみんな本当に……?」
二人は茫然とした。
「はは、君たちにはほとんどの妖も見えてるからね」
「そうですね……」
「そうみたいですね……」
二人には見分けがつかなかった。
「名取!」
ダークブラウンの髪の男性がこっちへとやって来た。紺色の着物をきている青年で名取より若く見え、背もかなり高かった。180㎝程あるじゃないだろうか。
「水崎」
名取はその青年を驚いたように見た。
「まさか君がここに来るとは思わなかったな」
「たまには来ようと思ってさ。それにしてもこの2人は?」
水崎と呼ばれた青年が美結花たちをみる。
「ああ。この子たちも視える子だよ。何かの手助けになればと思って連れてきた」
「そうか……。かなり力が強いようだね。私は水崎正道。よろしくね」
しゃがんで美結花に顔を合わせてきた。
「あ、夏目美結花です。こちらは従兄の貴志です」
慌てて挨拶をする。
(それにしても名取さんだけじゃなくてこっちも見たことあるような……)
美結花は考え込む。
「それにしても背が高いですね。モデルさんみたいだ」
夏目が呟いた言葉に美結花ははっとした。
「あ! あなたモデルの……。……!」
美結花は水崎の顔を蛙のあざが横切ったのを見て驚いた。
「正解。私は表でモデルをやっていて、裏で妖祓いをやっているんだ。それにしても本当にこのあざが視えるんだな……。驚いた」
「だろう? この子たちの力は強いよ」
名取が得意げに言った。
「君のいう通りだよ、名取」
水崎は頷いた。
「水崎さんは、あざがあることと言い、表で芸能関係をやり、裏で妖祓いをやっていることと言い。似ていますね」
「そうかい? まあ、境遇的にも似ているよね」
名取が頷く。
「それより、名取。この子たちに仮面は必要かい? これだけ力が強いんだ。目をつける変な輩がいないとも限らない」
「ああ、そうだね。みんな情報は欲しくて集まるが素性を知られたくないものもいるのはたしかだ。偽名を使うのも自由だ。面をつけよう」
そう言って名取は面をつけてくれる。
「名取さんや水崎さんはいいんですか? 素性隠さないで」
夏目が訊いてくる。
「隠そうとしても隠せるものではないからね。このきらめきは」
「顔は隠さない方がいいと思わないかい?」
なんとなくその顔をみて殴りたいと美結花は思ってしまった。
「むしろ名取と水崎のそっくりさんなノリだと思われてるんじゃないのか?」
「それだわ。なんとなくどちらも胡散臭いしね」
ニャンコ先生と佐貝が言った。
「ひどいな~。別に隠さなくてもいいんだよ。名取家も水崎家も有名だからね。な、名取」
「ああ。実は名取家と水崎家は祓い人を昔生業にしていたんだ。名取家はいつかの頭首が嫌気がさして廃業」
「水崎家は見える人間がいなくなって廃業したってわけ。だけどどちらにも資料は色々のこっていてね。僕と名取はそれを使わせてもらっているってわけ」
「いろいろと役に立つしね。──よく来てくれたね」
そう言って名取はにこりと笑ってくれた。
「…自分にできることを見つけたいんです」
「…私に何ができるのかを知りたいから来たんです」
二人はきっぱりと言った。
「それはいいことだね」
そういう名取の顔をやもりの痣が横切る。水崎と同じだ。そのことに美結花は軽い驚きを見せる。
「相変わらず不気味な痣だな。恐ろしくはないのか」
「! 先生」
夏目がニャンコ先生を叱る。
「はは。まったく害はなく動き回るだけだからね。もうなれたよ。ただね。この痣、左足には消していかないんだ。それが気持ち悪い」
その顔にはすごく嫌悪が現れていた。
「それってどういうことですか……」
夏目が訊く。
「それはね」
「名取、水崎」
名取が答えようとした時に誰かが声をかけた。
「名取が新しい式をつけたっていうから見に来たよ。最近はいつの式もろくなのがいなくなってね。どこかで強力なのを捕ってこないとならない」
そう言って女性が話し始める。
「「七瀬さん」」
名取と水崎が言った。
「先ほどはうちの式たちが失礼したようで,あんな小物、いつでも捨ててよいのだが」
(何、この人──)
言葉の端から妖をものとしか見ていないのが分かる。
「相変わらずですね。…的場さんもいらしているとか」
名取が訊いた。
その途端、水崎が舌打ちせんばかりの顔をした。なんとなく気に喰わない。そんな顔だ。
「ふふ、会長は会場をぐるっと見渡して面白いものを見たと言ってもう帰ってしまった」
「面白いもの…ですか?」
「…名取さん?」
夏目が怪訝そうな顔をした。
「ああ…的場さんっていうとても有力な妖祓い人がいるんだ。七瀬さんはその秘書のようなものだ」
名取がこっそりと教えてくれる。
「七瀬さん。こちらが私の友人、夏目貴志くんと美結花ちゃん。そちらが柊。新しくつけた式です」
「…ナツメ……?」
七瀬は夏目という姓に反応したようだ。夏目の面をぺラリとめくった。
「……君たち、ひょっとしてレイコを…夏目レイコを知っているかい?」
どくりと心臓が音を立てた。
「…祖母をご存じなんですか?」
「……どうして祖母を……」
「──祖母? では君たちはお孫さんか。──いや、すまない。よくは知らないんだ。ただ時々妖たちの話にのぼるのでね。とてもきれいで強い力を持った人だったと…」
「──そうですか……」
夏目が言った。
「まだご健在かい?」
「──いえ…。若いうちに亡くなったらしいです」
美結花が答える。
「亡くなった…。ご病気? 事故? それとも妖にでも──?」
「…え。いえ……。そんなことは……」
夏目は狼狽えた。
無理もない。夏目も美結花もどうして祖母が亡くなったのかを知らない。そもそも祖母が誰の子を身ごもったのかさえ誰も知らないのだ。
「どんなふうに亡くなったんだい? お身内でしょう。知らないのか?」
「…詳しくは知らないんです。小さいころ、どこかの木の下で亡くなっていたと聞いたことがあるだけで…」
「祖母は私の母や貴志の母が覚えていなくくらい小さいころに亡くなっていますし……」
「…知りたいとは思わなかったのかい?」
七瀬が訊いてくる。
「──そんなこと聞ける立場じゃなかったんです」
好奇心で聞いたことがあったけれど、帰ってくる答えは祖母を否定する言葉ばかり。だからいつしか聞くのを止めてしまった。たった一人の祖母を馬鹿にされたくなくて。
「──そうか。すまない」
「だがもう君たちだけで戦うことはないよ」
七瀬はそう言ってくる。
(本当にそう思ってもいいのだろうか──? 人を信じても──?)
「じゃあね。ゆっくりしていくといい。聞いたよ名取。賞金首狙うって?」
「ええ。まあ金も入りますし」
「はは。あれに式を喰われた者も結構いるらしいから懸賞金もかかったんだろう。お前に退治できるレベルの妖とは思えんな」
「ええ退治は無理でも封印位ならできるでしょう」
「…成程お前ほどの力なら可能かもしれないな。餞別代りにこの魔封じの壺をやろう。あまり自棄を気取るなよ名取」
そう言って壺を渡してくる。
「どうも」
「まったくあいつらいけ好かないな」
水崎が去って行く七瀬を睨みつけながら言った。
「まったくだ。──的場一門はどうもいけ好かないな……。大丈夫かい」
「あ、はい……いろいろ驚いただけです」
「……大丈夫です」
夏目と美結花が答えた。
「──お祖母さんも妖を見る人だったのかい?」
「はい──…」
夏目は頷いた。
「(ボソリ)貴志。名取さんにレイコさんのこと言ってなかったの?」
小さな声で美結花が訊く。
「(ボソリ)言ってない。祖母のことも友人帳の事も。話すべきだと思うか?」
それには首を横に振った。
「(ボソリ)妖だけでもこの騒動よ。もし話したら考えたくないけど……人からも狙われることになるかもしれない」
「(ボソリ)そうかもしれない……」
悩んだ二人は暗いオーラを醸し出した。
「…夏目? 美結花? どうした」
「……少し風にあたろうか。いい気分転換になるよ」
名取が誘ってくれる。
「そうか。それじゃあ私はここで失礼するよ」
「ああ、またな。水崎」
水崎も去っていく。
「これ全部……?」
「これみんな本当に……?」
二人は茫然とした。
「はは、君たちにはほとんどの妖も見えてるからね」
「そうですね……」
「そうみたいですね……」
二人には見分けがつかなかった。
「名取!」
ダークブラウンの髪の男性がこっちへとやって来た。紺色の着物をきている青年で名取より若く見え、背もかなり高かった。180㎝程あるじゃないだろうか。
「水崎」
名取はその青年を驚いたように見た。
「まさか君がここに来るとは思わなかったな」
「たまには来ようと思ってさ。それにしてもこの2人は?」
水崎と呼ばれた青年が美結花たちをみる。
「ああ。この子たちも視える子だよ。何かの手助けになればと思って連れてきた」
「そうか……。かなり力が強いようだね。私は水崎正道。よろしくね」
しゃがんで美結花に顔を合わせてきた。
「あ、夏目美結花です。こちらは従兄の貴志です」
慌てて挨拶をする。
(それにしても名取さんだけじゃなくてこっちも見たことあるような……)
美結花は考え込む。
「それにしても背が高いですね。モデルさんみたいだ」
夏目が呟いた言葉に美結花ははっとした。
「あ! あなたモデルの……。……!」
美結花は水崎の顔を蛙のあざが横切ったのを見て驚いた。
「正解。私は表でモデルをやっていて、裏で妖祓いをやっているんだ。それにしても本当にこのあざが視えるんだな……。驚いた」
「だろう? この子たちの力は強いよ」
名取が得意げに言った。
「君のいう通りだよ、名取」
水崎は頷いた。
「水崎さんは、あざがあることと言い、表で芸能関係をやり、裏で妖祓いをやっていることと言い。似ていますね」
「そうかい? まあ、境遇的にも似ているよね」
名取が頷く。
「それより、名取。この子たちに仮面は必要かい? これだけ力が強いんだ。目をつける変な輩がいないとも限らない」
「ああ、そうだね。みんな情報は欲しくて集まるが素性を知られたくないものもいるのはたしかだ。偽名を使うのも自由だ。面をつけよう」
そう言って名取は面をつけてくれる。
「名取さんや水崎さんはいいんですか? 素性隠さないで」
夏目が訊いてくる。
「隠そうとしても隠せるものではないからね。このきらめきは」
「顔は隠さない方がいいと思わないかい?」
なんとなくその顔をみて殴りたいと美結花は思ってしまった。
「むしろ名取と水崎のそっくりさんなノリだと思われてるんじゃないのか?」
「それだわ。なんとなくどちらも胡散臭いしね」
ニャンコ先生と佐貝が言った。
「ひどいな~。別に隠さなくてもいいんだよ。名取家も水崎家も有名だからね。な、名取」
「ああ。実は名取家と水崎家は祓い人を昔生業にしていたんだ。名取家はいつかの頭首が嫌気がさして廃業」
「水崎家は見える人間がいなくなって廃業したってわけ。だけどどちらにも資料は色々のこっていてね。僕と名取はそれを使わせてもらっているってわけ」
「いろいろと役に立つしね。──よく来てくれたね」
そう言って名取はにこりと笑ってくれた。
「…自分にできることを見つけたいんです」
「…私に何ができるのかを知りたいから来たんです」
二人はきっぱりと言った。
「それはいいことだね」
そういう名取の顔をやもりの痣が横切る。水崎と同じだ。そのことに美結花は軽い驚きを見せる。
「相変わらず不気味な痣だな。恐ろしくはないのか」
「! 先生」
夏目がニャンコ先生を叱る。
「はは。まったく害はなく動き回るだけだからね。もうなれたよ。ただね。この痣、左足には消していかないんだ。それが気持ち悪い」
その顔にはすごく嫌悪が現れていた。
「それってどういうことですか……」
夏目が訊く。
「それはね」
「名取、水崎」
名取が答えようとした時に誰かが声をかけた。
「名取が新しい式をつけたっていうから見に来たよ。最近はいつの式もろくなのがいなくなってね。どこかで強力なのを捕ってこないとならない」
そう言って女性が話し始める。
「「七瀬さん」」
名取と水崎が言った。
「先ほどはうちの式たちが失礼したようで,あんな小物、いつでも捨ててよいのだが」
(何、この人──)
言葉の端から妖をものとしか見ていないのが分かる。
「相変わらずですね。…的場さんもいらしているとか」
名取が訊いた。
その途端、水崎が舌打ちせんばかりの顔をした。なんとなく気に喰わない。そんな顔だ。
「ふふ、会長は会場をぐるっと見渡して面白いものを見たと言ってもう帰ってしまった」
「面白いもの…ですか?」
「…名取さん?」
夏目が怪訝そうな顔をした。
「ああ…的場さんっていうとても有力な妖祓い人がいるんだ。七瀬さんはその秘書のようなものだ」
名取がこっそりと教えてくれる。
「七瀬さん。こちらが私の友人、夏目貴志くんと美結花ちゃん。そちらが柊。新しくつけた式です」
「…ナツメ……?」
七瀬は夏目という姓に反応したようだ。夏目の面をぺラリとめくった。
「……君たち、ひょっとしてレイコを…夏目レイコを知っているかい?」
どくりと心臓が音を立てた。
「…祖母をご存じなんですか?」
「……どうして祖母を……」
「──祖母? では君たちはお孫さんか。──いや、すまない。よくは知らないんだ。ただ時々妖たちの話にのぼるのでね。とてもきれいで強い力を持った人だったと…」
「──そうですか……」
夏目が言った。
「まだご健在かい?」
「──いえ…。若いうちに亡くなったらしいです」
美結花が答える。
「亡くなった…。ご病気? 事故? それとも妖にでも──?」
「…え。いえ……。そんなことは……」
夏目は狼狽えた。
無理もない。夏目も美結花もどうして祖母が亡くなったのかを知らない。そもそも祖母が誰の子を身ごもったのかさえ誰も知らないのだ。
「どんなふうに亡くなったんだい? お身内でしょう。知らないのか?」
「…詳しくは知らないんです。小さいころ、どこかの木の下で亡くなっていたと聞いたことがあるだけで…」
「祖母は私の母や貴志の母が覚えていなくくらい小さいころに亡くなっていますし……」
「…知りたいとは思わなかったのかい?」
七瀬が訊いてくる。
「──そんなこと聞ける立場じゃなかったんです」
好奇心で聞いたことがあったけれど、帰ってくる答えは祖母を否定する言葉ばかり。だからいつしか聞くのを止めてしまった。たった一人の祖母を馬鹿にされたくなくて。
「──そうか。すまない」
「だがもう君たちだけで戦うことはないよ」
七瀬はそう言ってくる。
(本当にそう思ってもいいのだろうか──? 人を信じても──?)
「じゃあね。ゆっくりしていくといい。聞いたよ名取。賞金首狙うって?」
「ええ。まあ金も入りますし」
「はは。あれに式を喰われた者も結構いるらしいから懸賞金もかかったんだろう。お前に退治できるレベルの妖とは思えんな」
「ええ退治は無理でも封印位ならできるでしょう」
「…成程お前ほどの力なら可能かもしれないな。餞別代りにこの魔封じの壺をやろう。あまり自棄を気取るなよ名取」
そう言って壺を渡してくる。
「どうも」
「まったくあいつらいけ好かないな」
水崎が去って行く七瀬を睨みつけながら言った。
「まったくだ。──的場一門はどうもいけ好かないな……。大丈夫かい」
「あ、はい……いろいろ驚いただけです」
「……大丈夫です」
夏目と美結花が答えた。
「──お祖母さんも妖を見る人だったのかい?」
「はい──…」
夏目は頷いた。
「(ボソリ)貴志。名取さんにレイコさんのこと言ってなかったの?」
小さな声で美結花が訊く。
「(ボソリ)言ってない。祖母のことも友人帳の事も。話すべきだと思うか?」
それには首を横に振った。
「(ボソリ)妖だけでもこの騒動よ。もし話したら考えたくないけど……人からも狙われることになるかもしれない」
「(ボソリ)そうかもしれない……」
悩んだ二人は暗いオーラを醸し出した。
「…夏目? 美結花? どうした」
「……少し風にあたろうか。いい気分転換になるよ」
名取が誘ってくれる。
「そうか。それじゃあ私はここで失礼するよ」
「ああ、またな。水崎」
水崎も去っていく。
