夏目の従妹が主人公。原作設定。黒髪に翡翠の瞳の美少女です。
第四十四話 裏山の噂
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「ふう……。お待たせ~」
なんとか小枝や彩と別れて美結花は夏目の所へと向かった。
すると先生も西村から同じ話を聞いていたようだった。
「聞いた話によるとそれがあの鬼猿の面が言っていたオミバシラってやつで間違いないだろうな」
「ああ……」
「ええ……」
二人は頷いた。
「あの岩がそうだったんでしょうね」
佐貝が口をはさむ。
どうやらついてきて影で話を聞いていたらしい。
「祠を割られて出てきてしまったというところか」
先生の言う通りだろう。
「裏山に行けば鬼猿の妖がいるかもしれない……」
「でもそうなったら今度こそさらわれるかもしれないわよ!?」
美結花は心配になった。
「いや、この感じ。近づかん方がよさそうだ。何も大本の所へ出向く必要はないだろう。あの鬼猿はそいつの子分のようだし、きっと今夜も回収に来るだろうからその時に──」
「あ、夏目。夏目さん」
先生が言いかけたところを田沼に声をかけられた。
「田沼君……」
話に夢中になってうっかり田沼が近づいていることが分からなかった。
「聞いたぞ。北本にやっと将棋で勝てたって。ん? 二人ともこんなところで何をしているんだ」
「え、ええと……」
どうごまかせばいいのか分からず視線がうろうろと彷徨う。
「気分でも悪いのか?」
「そ、そうなの!」
食い気味に美結花は頷いた。
「ああ」
先生は冷静に頷いた。
(どうか先生が貴志に化けているとばれませんように……)
心から祈った。
「具合が悪いから帰るのさ。じゃあな、タヌマ」
先生は立ち上がった。
「じゃあそういうことで」
美結花も後に続く。
「お前もあまりあの裏山に近づかない方がいい」
そう先生は忠告する。
「え……。ちょっと待て夏目。何か……」
「何もないわよ?」
「…………」
首を傾げる美結花に田沼は何か探るように先生が化けた夏目を見て、瓶をじっと見た。
「──なあ、夏目。その瓶はなんだ。何か変だ……」
探るように訊いてくる。
「ああ。これにはとても面白いものが入っている」
そう先生はうっすらと笑った。
「……お前、夏目じゃないのか?」
田沼はそれで何か悟ったようだった。
「ん? 何を言い出すかと思えば…。ちょっとおかしいんじゃないか? タヌマ」
「そうだよ。どこからどう見ても貴志でしょ?」
そう言いながらも内心ドキドキしていた。
(もうこれ半分見破られているでしょ。先生の馬鹿! 何変なことを言っているのよ……!)
思わず佐貝をぎゅっと抱きしめると佐貝が抗議するように美結花の腕をぱしぱし叩いた。
「…! お前何者だ!? 夏目はそんなこと言わない!」
田沼が先生に化けた夏目に食って掛かる。
「夏目はどうした!? 夏目さんまでだましてどうするつもりだ!? お前は妖か? 何者なんだ!」
「──ちょっと忠告してやるとこれだ。勘のいい奴は面倒だ……。そんなに私の正体が知りたいのか?」
「ちょ、本気!?」
美結花は焦った。
「とうっ!」
先生は化けを解除した。
「うわ──! ポン太~!?」
田沼の悲鳴があたりに響いた。
(どうすんのこれ……)
美結花は深々とため息をついた。
なんとか小枝や彩と別れて美結花は夏目の所へと向かった。
すると先生も西村から同じ話を聞いていたようだった。
「聞いた話によるとそれがあの鬼猿の面が言っていたオミバシラってやつで間違いないだろうな」
「ああ……」
「ええ……」
二人は頷いた。
「あの岩がそうだったんでしょうね」
佐貝が口をはさむ。
どうやらついてきて影で話を聞いていたらしい。
「祠を割られて出てきてしまったというところか」
先生の言う通りだろう。
「裏山に行けば鬼猿の妖がいるかもしれない……」
「でもそうなったら今度こそさらわれるかもしれないわよ!?」
美結花は心配になった。
「いや、この感じ。近づかん方がよさそうだ。何も大本の所へ出向く必要はないだろう。あの鬼猿はそいつの子分のようだし、きっと今夜も回収に来るだろうからその時に──」
「あ、夏目。夏目さん」
先生が言いかけたところを田沼に声をかけられた。
「田沼君……」
話に夢中になってうっかり田沼が近づいていることが分からなかった。
「聞いたぞ。北本にやっと将棋で勝てたって。ん? 二人ともこんなところで何をしているんだ」
「え、ええと……」
どうごまかせばいいのか分からず視線がうろうろと彷徨う。
「気分でも悪いのか?」
「そ、そうなの!」
食い気味に美結花は頷いた。
「ああ」
先生は冷静に頷いた。
(どうか先生が貴志に化けているとばれませんように……)
心から祈った。
「具合が悪いから帰るのさ。じゃあな、タヌマ」
先生は立ち上がった。
「じゃあそういうことで」
美結花も後に続く。
「お前もあまりあの裏山に近づかない方がいい」
そう先生は忠告する。
「え……。ちょっと待て夏目。何か……」
「何もないわよ?」
「…………」
首を傾げる美結花に田沼は何か探るように先生が化けた夏目を見て、瓶をじっと見た。
「──なあ、夏目。その瓶はなんだ。何か変だ……」
探るように訊いてくる。
「ああ。これにはとても面白いものが入っている」
そう先生はうっすらと笑った。
「……お前、夏目じゃないのか?」
田沼はそれで何か悟ったようだった。
「ん? 何を言い出すかと思えば…。ちょっとおかしいんじゃないか? タヌマ」
「そうだよ。どこからどう見ても貴志でしょ?」
そう言いながらも内心ドキドキしていた。
(もうこれ半分見破られているでしょ。先生の馬鹿! 何変なことを言っているのよ……!)
思わず佐貝をぎゅっと抱きしめると佐貝が抗議するように美結花の腕をぱしぱし叩いた。
「…! お前何者だ!? 夏目はそんなこと言わない!」
田沼が先生に化けた夏目に食って掛かる。
「夏目はどうした!? 夏目さんまでだましてどうするつもりだ!? お前は妖か? 何者なんだ!」
「──ちょっと忠告してやるとこれだ。勘のいい奴は面倒だ……。そんなに私の正体が知りたいのか?」
「ちょ、本気!?」
美結花は焦った。
「とうっ!」
先生は化けを解除した。
「うわ──! ポン太~!?」
田沼の悲鳴があたりに響いた。
(どうすんのこれ……)
美結花は深々とため息をついた。
