夏目の従妹が主人公。原作設定。黒髪に翡翠の瞳の美少女です。
第四十三話 影茶碗と妖しいものの名
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美結花は祟りで疲れてぐっすりと眠っていた。
(……ん?)
夜中に何か気配がしたが、気のせいだと思ってそのまま眠ってしまった。
気のせいじゃなかったのは翌朝判明した。
「え⁉ おばばが夜来たの? もう!?」
美結花は驚いた。
「ああ。夜、俺の部屋に訪ねてきて……」
「早すぎない?」
待てなかったのだろうかと思った。
「待てなくて来たって言っていた……」
「はあ……」
ふかぶかとため息をついた。
ずいぶんとせっかちな妖だ。
「それで行くの?」
「ああ。行かなきゃ来るっていうし……」
「そうよね……」
藤原家には迷惑をかけたくなかった。
「私も行く」
美結花は夏目とともに家を出た。
「おい夏目。一応友人帳を持っとけよ」
先生が歩きながら忠告をする。
「……ああ」
夏目は頷いた。
「──あのおばば、先生も追い払えない妖なのか?」
「確かに……。追い払ってもらえば解決よね……」
「あれは多分社持ちだった神格の妖……。小物な妖など触れれば祟りを貰いかねない。……ふん忌々しい」
先生は吐き捨てた。
「つまり無理ってことね……」
「社持ちの神格は私でも厳しいわね……」
佐貝が言った。
「だけど今の時代、社持ちの妖はどこか気を病んだり弱まっているものよ」
佐貝が指摘する。
「佐貝の言う通りあのおばばも目がぼんやりとしか見えていなかった。適当に付き合って終わらせろ」
(なるほどね……。小物が気安く近づけないから私たちに助けを求めたのか……)
美結花は納得した。
(妖とも人ともうまく付き合えない……。レイコさんに似ているわね……)
美結花はそう思った。
『お。この匂い。坊や、お嬢ちゃん。よく来たね』
手を振って迎えてくれる。
「家に押しかけてきてよく言いますよ……。あ……」
「……拒否権はないんでしょう? ……あ」
二人はおばばの髪に注目した。
「「花……」」
おばばの髪にきれいな花が刺してあった。
『ふふふ。いい香りだろう。見せびらかすためにつけてきたのだ』
「いい香り……」
美結花はうっとりとした。
「そうですか。確かにきれいないい香りの花ですね」
『そうかい? そうだろうそうだろう』
おばばは嬉しそうだった。
『さあこっちだ。おいで坊や、お嬢ちゃん。この先の森で奴と出会ったのだ』
「坊やはやめてください……」
「お嬢ちゃんって……」
美結花はげんなりとした。
ただこの妖が夏目や美結花のことを知っていて声をかけたわけではないというのは分かった。
(……ん?)
夜中に何か気配がしたが、気のせいだと思ってそのまま眠ってしまった。
気のせいじゃなかったのは翌朝判明した。
「え⁉ おばばが夜来たの? もう!?」
美結花は驚いた。
「ああ。夜、俺の部屋に訪ねてきて……」
「早すぎない?」
待てなかったのだろうかと思った。
「待てなくて来たって言っていた……」
「はあ……」
ふかぶかとため息をついた。
ずいぶんとせっかちな妖だ。
「それで行くの?」
「ああ。行かなきゃ来るっていうし……」
「そうよね……」
藤原家には迷惑をかけたくなかった。
「私も行く」
美結花は夏目とともに家を出た。
「おい夏目。一応友人帳を持っとけよ」
先生が歩きながら忠告をする。
「……ああ」
夏目は頷いた。
「──あのおばば、先生も追い払えない妖なのか?」
「確かに……。追い払ってもらえば解決よね……」
「あれは多分社持ちだった神格の妖……。小物な妖など触れれば祟りを貰いかねない。……ふん忌々しい」
先生は吐き捨てた。
「つまり無理ってことね……」
「社持ちの神格は私でも厳しいわね……」
佐貝が言った。
「だけど今の時代、社持ちの妖はどこか気を病んだり弱まっているものよ」
佐貝が指摘する。
「佐貝の言う通りあのおばばも目がぼんやりとしか見えていなかった。適当に付き合って終わらせろ」
(なるほどね……。小物が気安く近づけないから私たちに助けを求めたのか……)
美結花は納得した。
(妖とも人ともうまく付き合えない……。レイコさんに似ているわね……)
美結花はそう思った。
『お。この匂い。坊や、お嬢ちゃん。よく来たね』
手を振って迎えてくれる。
「家に押しかけてきてよく言いますよ……。あ……」
「……拒否権はないんでしょう? ……あ」
二人はおばばの髪に注目した。
「「花……」」
おばばの髪にきれいな花が刺してあった。
『ふふふ。いい香りだろう。見せびらかすためにつけてきたのだ』
「いい香り……」
美結花はうっとりとした。
「そうですか。確かにきれいないい香りの花ですね」
『そうかい? そうだろうそうだろう』
おばばは嬉しそうだった。
『さあこっちだ。おいで坊や、お嬢ちゃん。この先の森で奴と出会ったのだ』
「坊やはやめてください……」
「お嬢ちゃんって……」
美結花はげんなりとした。
ただこの妖が夏目や美結花のことを知っていて声をかけたわけではないというのは分かった。
