夏目の従妹が主人公。原作設定。黒髪に翡翠の瞳の美少女です。
第五話 蛍の妖
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その夜、夢を見た。
キヨと章史さんが楽しそうにいろいろなところに行って、いろいろな話をしたりした夢。
だけどその時も終わりを迎える。
『どこに行ったんだ!? 出てきてくれ。隠れているのか!? ホタル! 見えない。出てきてくれ、ホタル』
目の前にホタルがいるのにも関わらず章史さんは呼び続ける。
『傍に──……』
それから章史さんはずっと沼に行ってホタルを待ち続けた。しかし見えない彼にはホタルがそばにいるのも分からない。
『……出てきてくれ。おれのこと。嫌いになったのかい?』
ホタルは章史さんを抱きしめる。
『キ……キヨ』
『好キヨ』
『好キ』
『好き』
『好きよ』
聞いて。好きよ──…
美結花ははっと目を覚ました。
今まで妖の記憶は強烈な感情がない限り流れてこなかった。今、流れてきたのは──……
隣を見ると夏目がいた。彼女の手は夏目の腕に触れていた。昼寝していたのがいつの間にか夜になっていた。
(貴志が見ていた夢──……)
貴志は美結花と違って妖と同調しやすい。彼が見ていた夢がこちらにも流れてきたのだ。
「──キヨ、俺は章史さんじゃないよ」
夏目が言った。彼の手をキヨが握っていたのだ。
「でも、見えるよ。俺には。聞こえるよ。──「ホタル」。それが君の名前だね。あの人がつけてくれた」
夢の中の「ホタル」はキヨだった。さっきまで見ていた夢はキヨの記憶。
『私は蛍の妖。実体を持たないが一度だけただの虫(ホタル)の姿に戻ることができる』
「そうなると今の姿には戻れず、虫としての寿命で命が終わると聞いたことがあるが」
「「先生……」」
『それでもかまわない。私が居なくてももうあの人は笑ってくれる』
ホタルの仮面が燃える。
『ならばせめてもう一度。虫の姿でもいい。あの人に会いたい』
ホタルの姿が光る。
「ホタル。待て」
「待って!」
窓から虫の蛍が出て行く。
「──む、おいあいつ沼へ行くんじゃあるまいな」
ニャンコ先生が言った。
「…そうかもしれないな」
「可能性としては高いわね」
章史さんに会いに行くのならそこに行くのが一番いい。
「だとしたらマズいわ」
「何がマズいの?」
美結花は不思議そうに佐貝を見た。
「沼にいたあの妖は人は襲わないが「蛍」を喰うのだ。奴が喰べ回っているからここらの蛍はどこかに隠れてしまっておるんだ」
ニャンコ先生が続ける。
「何!?」
「何ですって!?」
二人は慌てて家を出た。
キヨと章史さんが楽しそうにいろいろなところに行って、いろいろな話をしたりした夢。
だけどその時も終わりを迎える。
『どこに行ったんだ!? 出てきてくれ。隠れているのか!? ホタル! 見えない。出てきてくれ、ホタル』
目の前にホタルがいるのにも関わらず章史さんは呼び続ける。
『傍に──……』
それから章史さんはずっと沼に行ってホタルを待ち続けた。しかし見えない彼にはホタルがそばにいるのも分からない。
『……出てきてくれ。おれのこと。嫌いになったのかい?』
ホタルは章史さんを抱きしめる。
『キ……キヨ』
『好キヨ』
『好キ』
『好き』
『好きよ』
聞いて。好きよ──…
美結花ははっと目を覚ました。
今まで妖の記憶は強烈な感情がない限り流れてこなかった。今、流れてきたのは──……
隣を見ると夏目がいた。彼女の手は夏目の腕に触れていた。昼寝していたのがいつの間にか夜になっていた。
(貴志が見ていた夢──……)
貴志は美結花と違って妖と同調しやすい。彼が見ていた夢がこちらにも流れてきたのだ。
「──キヨ、俺は章史さんじゃないよ」
夏目が言った。彼の手をキヨが握っていたのだ。
「でも、見えるよ。俺には。聞こえるよ。──「ホタル」。それが君の名前だね。あの人がつけてくれた」
夢の中の「ホタル」はキヨだった。さっきまで見ていた夢はキヨの記憶。
『私は蛍の妖。実体を持たないが一度だけただの虫(ホタル)の姿に戻ることができる』
「そうなると今の姿には戻れず、虫としての寿命で命が終わると聞いたことがあるが」
「「先生……」」
『それでもかまわない。私が居なくてももうあの人は笑ってくれる』
ホタルの仮面が燃える。
『ならばせめてもう一度。虫の姿でもいい。あの人に会いたい』
ホタルの姿が光る。
「ホタル。待て」
「待って!」
窓から虫の蛍が出て行く。
「──む、おいあいつ沼へ行くんじゃあるまいな」
ニャンコ先生が言った。
「…そうかもしれないな」
「可能性としては高いわね」
章史さんに会いに行くのならそこに行くのが一番いい。
「だとしたらマズいわ」
「何がマズいの?」
美結花は不思議そうに佐貝を見た。
「沼にいたあの妖は人は襲わないが「蛍」を喰うのだ。奴が喰べ回っているからここらの蛍はどこかに隠れてしまっておるんだ」
ニャンコ先生が続ける。
「何!?」
「何ですって!?」
二人は慌てて家を出た。
