夏目の従妹が主人公。原作設定。黒髪に翡翠の瞳の美少女です。
第四十一話 小さい頃の思い出、帰る家
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「久しぶりね。美結花」
父の再従姉というその人はにこりともせず言った。
「ええ、お久しぶりです」
美結花は挨拶を返す。
「それで今日ここに来てもらった理由なんだけど……」
「父の遺品があったと……」
「ええ。整理したら出てきてそういえば渡しそびれたなと思って。ちょっと待ってて」
お茶を出すとその人は二階へとばたばたと向かった。
(相変わらずだな……。あの人……)
美結花に対しては愛想がよくない人だった。
父と何かあったのだということは父のことを話す態度からもうかがえる。
ただ父のことは置いておいて美結花を置いて育ててくれたことは感謝している。
(お父さんと何があったんだろう……? あ、そういえば……)
美結花には思いだしたことがある。
この家には妖が憑いていたことを。
天井を視ると大きな瞳と目があった。
「……!」
思わず固まってしまう。
『ふふっ。お前、相変わらず視えるようじゃの。面白い娘だ』
その一つ目の妖が笑う。
(無視……無視だ……)
ただからかってくるだけで害はないのだ。だから必死で無視をした。
『おい、視えているのじゃろう? なあ小娘』
ツンツンとつついてくる。
美結花は無視をした。
『これならどうじゃ』
「うわっ!」
肩をツンツンつつかれて悲鳴を上げる。
「美結花? どうしたの?」
二階に向かった父の再従姉が怪訝そうな顔で訊いてきた。
いつの間にか戻ってきたらしい。
「い、いえ……。何でもありません……」
美結花は首を横に振った。
「ただ虫が出て悲鳴を上げてしまって……」
「あらやだ。念入りに掃除したのにまだ虫がいたの? また掃除しなきゃ」
嫌そうな顔をその人はした。
「それよりもはい、これ」
父の再従姉は箱と鏡を渡してきた。
美結花は受け取った。
箱を見てみると数十冊の本でいっぱいだった。
「日記……?」
「そう。貴方のお父さんが死ぬ前日までつけていた日記と鏡よ。子供の頃から大事にしていたからよっぽど大事だったんでしょう。大事にするのよ」
「……はい……」
思わず箱をぎゅっと握りしめた。
「それじゃあ私はいかなければいけないので……」
ぺこりと頭を下げる。
「もう行くの?」
「はい。従兄と家を見に行く約束をしているので……」
「ああ。そうだったわね。最後にちゃんと見ておくのよ」
「はい。あの、父の遺品のことありがとうございました……」
ぺこりと頭を下げる。
『ふぉふぉふぉ。ずいぶんなものを貰ったものじゃのう。その鏡、使うときは気を付けるんじゃぞ。じゃないと閉じ込められてしまうからのう』
不穏な妖の忠告を背に美結花は家を出て行った。
「終わったのか?」
家を出てすぐに佐貝が声をかけてきた。
言いつけ通り待っていてくれたらしい。
「うん。終わったよ。父の遺品も貰ってきた」
「そうか。よかった」
佐貝の言葉には何事もなくてよかったと含まれている。
「そうだね……。行こう。貴志が待っている」
「ああ。そうだな」
一人と一匹は歩き始めた。
父の再従姉というその人はにこりともせず言った。
「ええ、お久しぶりです」
美結花は挨拶を返す。
「それで今日ここに来てもらった理由なんだけど……」
「父の遺品があったと……」
「ええ。整理したら出てきてそういえば渡しそびれたなと思って。ちょっと待ってて」
お茶を出すとその人は二階へとばたばたと向かった。
(相変わらずだな……。あの人……)
美結花に対しては愛想がよくない人だった。
父と何かあったのだということは父のことを話す態度からもうかがえる。
ただ父のことは置いておいて美結花を置いて育ててくれたことは感謝している。
(お父さんと何があったんだろう……? あ、そういえば……)
美結花には思いだしたことがある。
この家には妖が憑いていたことを。
天井を視ると大きな瞳と目があった。
「……!」
思わず固まってしまう。
『ふふっ。お前、相変わらず視えるようじゃの。面白い娘だ』
その一つ目の妖が笑う。
(無視……無視だ……)
ただからかってくるだけで害はないのだ。だから必死で無視をした。
『おい、視えているのじゃろう? なあ小娘』
ツンツンとつついてくる。
美結花は無視をした。
『これならどうじゃ』
「うわっ!」
肩をツンツンつつかれて悲鳴を上げる。
「美結花? どうしたの?」
二階に向かった父の再従姉が怪訝そうな顔で訊いてきた。
いつの間にか戻ってきたらしい。
「い、いえ……。何でもありません……」
美結花は首を横に振った。
「ただ虫が出て悲鳴を上げてしまって……」
「あらやだ。念入りに掃除したのにまだ虫がいたの? また掃除しなきゃ」
嫌そうな顔をその人はした。
「それよりもはい、これ」
父の再従姉は箱と鏡を渡してきた。
美結花は受け取った。
箱を見てみると数十冊の本でいっぱいだった。
「日記……?」
「そう。貴方のお父さんが死ぬ前日までつけていた日記と鏡よ。子供の頃から大事にしていたからよっぽど大事だったんでしょう。大事にするのよ」
「……はい……」
思わず箱をぎゅっと握りしめた。
「それじゃあ私はいかなければいけないので……」
ぺこりと頭を下げる。
「もう行くの?」
「はい。従兄と家を見に行く約束をしているので……」
「ああ。そうだったわね。最後にちゃんと見ておくのよ」
「はい。あの、父の遺品のことありがとうございました……」
ぺこりと頭を下げる。
『ふぉふぉふぉ。ずいぶんなものを貰ったものじゃのう。その鏡、使うときは気を付けるんじゃぞ。じゃないと閉じ込められてしまうからのう』
不穏な妖の忠告を背に美結花は家を出て行った。
「終わったのか?」
家を出てすぐに佐貝が声をかけてきた。
言いつけ通り待っていてくれたらしい。
「うん。終わったよ。父の遺品も貰ってきた」
「そうか。よかった」
佐貝の言葉には何事もなくてよかったと含まれている。
「そうだね……。行こう。貴志が待っている」
「ああ。そうだな」
一人と一匹は歩き始めた。
