夏目の従妹が主人公。原作設定。黒髪に翡翠の瞳の美少女です。
第四十話 両親の写真
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「貴志く~ん~! 美結花ちゃ~ん! お友達が来てくれたわよ~」
「は、は~い! 今行きます! 佐貝起きて!」
慌ててノートに見ていた写真を挟んで佐貝を叩き起こして部屋を出て行った。
「行ってきます!」
「行ってきま~す!」
「貴志君…美結花ちゃん……」
無理に笑う二人を塔子が心配そうに見送る。
「暑い……」
美結花がこぼす。
「本当にね。北本~、西村~。本当にこっちであっているの?」
彩が訊く。
「あ~。本当にこっちであっているっけ?」
「父ちゃんがくれた地図によるとこっちのはずだ。というか公道から行けば分かりやすいって言っているだろう」
「あほう。チャリンコですぐ着いちゃったらありがたみがないだろう」
「何! チャリで行けるのか! 西村!」
夏目と西村がぎゃーぎゃーと言い争う。
「男子って……」
「お馬鹿ねえ……」
彩と小枝が呆れる。
「ふふっ。でもこうやって歩くのも楽しいよ」
多軌がくすくすと笑う。
「そういう考えもあるね」
美結花は道を歩き続けた。
(お父さんが残したもの……。いったい何なんだろう。でもあの家に帰れるのかな……)
歩きながら考える。
いつの間にか夏目と並んで歩いていた。
(もうあの家は空っぽで誰も帰らないのに……)
従兄も自分の居場所を見つけ、あそこには誰も帰らない。
売り家になってしまった場所だ。
そんなところを見に行ったとしても切ない思いが増すだけじゃないだろうか。
考え事をしていたせいだろうか。足を引っ張る手に気づくのに遅れた。
「! わ!」
「! きゃっ!」
崖下に二人して落ちて行った。
『ああ……。美味そうだ……』
『本当だ。美味そうだ……』
目の前には二匹の角の生えた妖がいた。
『美味そうだ!』
『いただきます!』
「わあ!」
「きゃあ!」
悲鳴を上げてよける。
『こんなところでごちそうに出会うとは……』
『逃してなるものか!』
「「わっ──!」」
「やれやれ」
「まったくもう……」
先生と佐貝が頭の上に落ちてきた。
「「去れっ‼」」
二匹の光で妖たちは逃げて行った。
「先生」
「佐貝」
二人はほっとした。
「阿呆。何をやっている。あの程度の奴拳で黙らせんか」
「美結花もよ。お得意の蹴りはどうした」
ぷんすかの二匹は怒る。
「…悪い」
「…ごめん」
素直に謝った。
「何をぼぉーっとしていたのだ」
「美結花もよ。らしくない」
「……そうだね。考えても仕方ないことだった」
「そうだな。少し気を抜きすぎた。せっかく忘れていたのに今更こんな写真見たから……」
夏目の動きが止まる。
「貴志?」
「わっ! 写真がない!」
「何?」
「ええ!? 伯父さまと伯母さまの写真を失くしちゃったの!?」
美結花は驚いた。
「まずい……探さないと……」
「もっー。どのへんで落としたんだ?」
「そうよ。手がかりがないと探せないわ」
先生と佐貝が訊く。
「……まったく心当たりがない」
「何!?」
「噓でしょ!? 捜索範囲森よ!?」
「どうしよう……」
二人はしばらくうなだれていた。
「は、は~い! 今行きます! 佐貝起きて!」
慌ててノートに見ていた写真を挟んで佐貝を叩き起こして部屋を出て行った。
「行ってきます!」
「行ってきま~す!」
「貴志君…美結花ちゃん……」
無理に笑う二人を塔子が心配そうに見送る。
「暑い……」
美結花がこぼす。
「本当にね。北本~、西村~。本当にこっちであっているの?」
彩が訊く。
「あ~。本当にこっちであっているっけ?」
「父ちゃんがくれた地図によるとこっちのはずだ。というか公道から行けば分かりやすいって言っているだろう」
「あほう。チャリンコですぐ着いちゃったらありがたみがないだろう」
「何! チャリで行けるのか! 西村!」
夏目と西村がぎゃーぎゃーと言い争う。
「男子って……」
「お馬鹿ねえ……」
彩と小枝が呆れる。
「ふふっ。でもこうやって歩くのも楽しいよ」
多軌がくすくすと笑う。
「そういう考えもあるね」
美結花は道を歩き続けた。
(お父さんが残したもの……。いったい何なんだろう。でもあの家に帰れるのかな……)
歩きながら考える。
いつの間にか夏目と並んで歩いていた。
(もうあの家は空っぽで誰も帰らないのに……)
従兄も自分の居場所を見つけ、あそこには誰も帰らない。
売り家になってしまった場所だ。
そんなところを見に行ったとしても切ない思いが増すだけじゃないだろうか。
考え事をしていたせいだろうか。足を引っ張る手に気づくのに遅れた。
「! わ!」
「! きゃっ!」
崖下に二人して落ちて行った。
『ああ……。美味そうだ……』
『本当だ。美味そうだ……』
目の前には二匹の角の生えた妖がいた。
『美味そうだ!』
『いただきます!』
「わあ!」
「きゃあ!」
悲鳴を上げてよける。
『こんなところでごちそうに出会うとは……』
『逃してなるものか!』
「「わっ──!」」
「やれやれ」
「まったくもう……」
先生と佐貝が頭の上に落ちてきた。
「「去れっ‼」」
二匹の光で妖たちは逃げて行った。
「先生」
「佐貝」
二人はほっとした。
「阿呆。何をやっている。あの程度の奴拳で黙らせんか」
「美結花もよ。お得意の蹴りはどうした」
ぷんすかの二匹は怒る。
「…悪い」
「…ごめん」
素直に謝った。
「何をぼぉーっとしていたのだ」
「美結花もよ。らしくない」
「……そうだね。考えても仕方ないことだった」
「そうだな。少し気を抜きすぎた。せっかく忘れていたのに今更こんな写真見たから……」
夏目の動きが止まる。
「貴志?」
「わっ! 写真がない!」
「何?」
「ええ!? 伯父さまと伯母さまの写真を失くしちゃったの!?」
美結花は驚いた。
「まずい……探さないと……」
「もっー。どのへんで落としたんだ?」
「そうよ。手がかりがないと探せないわ」
先生と佐貝が訊く。
「……まったく心当たりがない」
「何!?」
「噓でしょ!? 捜索範囲森よ!?」
「どうしよう……」
二人はしばらくうなだれていた。
