夏目の従妹が主人公。原作設定。黒髪に翡翠の瞳の美少女です。
第三十九話 視えない人の繋がり
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「貴志!」
美結花は叫んだ。
蔵へ向かうと目に入ったのがカクラが夏目に向かって斧を振りかぶっているところだった。
「夏目君」
多軌が叫ぶ。
「先生! 佐貝! お願い」
美結花は頼んだ。
先生と佐貝が弾丸のようにカクラに向かっていき抑える。
『ぎゃっ!』
『ふぎゃっ!』
カクラに攻撃されて二匹が悲鳴を上げる。
「! ニャンコ先生…」
「! 佐貝!」
強い妖である二匹が攻撃されて驚く。
「夏目」
「夏目」
「夏目君」
遅れて三人がやってくる。
「! タキ、田沼、速水」
夏目が三人の名前を呼ぶ。
「!」
「あ」
「うわっ!」
そこへすごいスピードでカクラがやってきて鏡と紙を落とす。
「危ない!」
「あぶない! 来るな!」
三人に警告する。
『ええい、ちょこまかと狙いが定まらん』
『大きさの割にすごいスピードをだしやがって』
佐貝の言葉が荒くなる。
「ニャンコ先生…。うわっ!」
「佐貝…。きゃっ!」
二人の顔に傷がつく。
『やれやれ見ておれん』
『まったくだ』
複数の足音が聞こえる。
見るとカクラを大勢の妖達が抑えていた。
『いいぞ。そのまま抑えていろ。佐貝』
『ええ。今ならいける』
「先生待…」
「佐貝ちょ…」
止める間もなく大きな閃光が部屋に満ちる。
美結花は夏目とともにふらりと倒れこんだ。
そしてある記憶を夢見る。美結花にとって珍しいことでよほど強い思いだったのだろう。そしてそれはその通りだった。
『どうしたのだ? 最近の慎一郎は本も読まぬし。おかしな絵も描かん』
『どうやら病にかかったらしい。ふむつまらぬ』
『そうだ。医者というものが紐に筒のついたものを体に当てて耳につなぎ治療していたぞ』
ある妖がそんなことを言いだした。
『おおそっくりにできた』
『こんな物で治るのか? 人とは脆弱なものだ』
想像だけで聴診器を作る。
それは本物とは違ったけれど妖たちは多軌のおじいさんの体に当てる。
『人ごときに治せるのだ。我らにできぬはずがない』
『ふふ。よくなれ慎一郎』
『まったく脆弱な生き物め』
『よくなれ』
『よくなれ慎一郎』
『このままなんぞつまらんぞ』
『会いたいと言ったのはお前じゃないか』
妖達がよくなることを願う。
(視えない人である透のおじいさんの繋がり。それはきっときらきらと輝いている)
美結花にはそう見えた。
しかしタキのおじいさんは妖たちを目にうつすことなく亡くなってしまった。
(泣き声が聞こえる……)
小さな多軌の泣き声とともに多くの泣き声が……
(それはきっと─)
言葉を言う前に美結花の意識が浮上した。
美結花は叫んだ。
蔵へ向かうと目に入ったのがカクラが夏目に向かって斧を振りかぶっているところだった。
「夏目君」
多軌が叫ぶ。
「先生! 佐貝! お願い」
美結花は頼んだ。
先生と佐貝が弾丸のようにカクラに向かっていき抑える。
『ぎゃっ!』
『ふぎゃっ!』
カクラに攻撃されて二匹が悲鳴を上げる。
「! ニャンコ先生…」
「! 佐貝!」
強い妖である二匹が攻撃されて驚く。
「夏目」
「夏目」
「夏目君」
遅れて三人がやってくる。
「! タキ、田沼、速水」
夏目が三人の名前を呼ぶ。
「!」
「あ」
「うわっ!」
そこへすごいスピードでカクラがやってきて鏡と紙を落とす。
「危ない!」
「あぶない! 来るな!」
三人に警告する。
『ええい、ちょこまかと狙いが定まらん』
『大きさの割にすごいスピードをだしやがって』
佐貝の言葉が荒くなる。
「ニャンコ先生…。うわっ!」
「佐貝…。きゃっ!」
二人の顔に傷がつく。
『やれやれ見ておれん』
『まったくだ』
複数の足音が聞こえる。
見るとカクラを大勢の妖達が抑えていた。
『いいぞ。そのまま抑えていろ。佐貝』
『ええ。今ならいける』
「先生待…」
「佐貝ちょ…」
止める間もなく大きな閃光が部屋に満ちる。
美結花は夏目とともにふらりと倒れこんだ。
そしてある記憶を夢見る。美結花にとって珍しいことでよほど強い思いだったのだろう。そしてそれはその通りだった。
『どうしたのだ? 最近の慎一郎は本も読まぬし。おかしな絵も描かん』
『どうやら病にかかったらしい。ふむつまらぬ』
『そうだ。医者というものが紐に筒のついたものを体に当てて耳につなぎ治療していたぞ』
ある妖がそんなことを言いだした。
『おおそっくりにできた』
『こんな物で治るのか? 人とは脆弱なものだ』
想像だけで聴診器を作る。
それは本物とは違ったけれど妖たちは多軌のおじいさんの体に当てる。
『人ごときに治せるのだ。我らにできぬはずがない』
『ふふ。よくなれ慎一郎』
『まったく脆弱な生き物め』
『よくなれ』
『よくなれ慎一郎』
『このままなんぞつまらんぞ』
『会いたいと言ったのはお前じゃないか』
妖達がよくなることを願う。
(視えない人である透のおじいさんの繋がり。それはきっときらきらと輝いている)
美結花にはそう見えた。
しかしタキのおじいさんは妖たちを目にうつすことなく亡くなってしまった。
(泣き声が聞こえる……)
小さな多軌の泣き声とともに多くの泣き声が……
(それはきっと─)
言葉を言う前に美結花の意識が浮上した。
