夏目の従妹が主人公。原作設定。黒髪に翡翠の瞳の美少女です。
第三十九話 視えない人の繋がり
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「こっちよ」
多軌を先頭に美結花と速水が並び、最後尾を田沼と夏目が並んで歩く。
「速水君」
こっそりと速水に声をかける。
「僕は大丈夫だから」
速水がほほ笑む。
「え?」
「今、僕と田沼だけでも帰れって思ったでしょ?」
「…………」
美結花は黙り込んだ。図星だったからだ。
「だって危険だもの……」
「そんなに状況は悪いのか?」
「うん。かなり」
美結花は頷いた。
「全部体を取り戻したら私たちじゃ相手にならないみたい。ただどれほど怖い妖なのか想像がつかないの」
「そうか……。どうすればいいんだろうね」
速水も一緒に考えてくれる。
(こんな風に話を聞いてくれる人がいるって嬉しいものなんだな─…)
こうして話を聞いてくれるのはなかなかないので美結花はくすぐったく思った。
話を聞いて一緒にいてくれる。それは滅多にないことだと美結花は知っている。
(考えなくちゃ……。いつまでもこうしているために……)
カクラを何とかしなければいけない。
そんなことを考えつつ廊下を歩く。
「タキ、田沼、速水、美結花逃げ……」
夏目の声が途中で途切れた。
美結花たちは後ろを振り向く。
そこには夏目の姿がなかった。
「貴志!?」
「…え? 夏目君!?」
「夏目!? どこだ? 夏目」
「夏目がいない!?」
あちこち探し回るもどこにもいなかった。
「…いない」
「…まさか妖に捕まったのか?」
「その可能性あるわね」
「そんな……視えない相手をどうやって…」
速水が戸惑う。
「こっちで視えるのは美結花ちゃんだけよね……」
「夏目さんだけに頼っていると時間がかかりそうだし僕たちも視えるといいんだけどね……」
「だよな……。もやしか俺は視えないし……」
田沼と速水は苦い顔をした。
「…そうだ。陣があれば……」
多軌が思いつく。
「陣って…確かその中に入った妖の姿を視ることができるってやつか」
田沼はその話を聞いたことがあったのだ。
「ええ。それを使えば夏目君や美結花ちゃんと話していた妖さんに力をかりられるかもしれない。部屋に大きめの紙があったからとってくる」
「あ、僕も行くよ。もし部屋に手鏡があれば借りたい。似たような効果の陣を持っているんだ。鏡に描けば視えるから……」
「分かったわ。速水君は私と行きましょう」
多軌は頷いた。
「──おれは夏目の言っていた奥階段に行ってみる。何か夏目の手がかりがあるかもしれない」
「私も行ってみる。妖の痕跡が残っているかもしれない」
美結花は田沼についていくことを伝えた。
「わかった。ここをまっすぐよ」
多軌は道を示した。
「ありがとう、気を付けてね」
多軌と速水を別れて奥階段へと走って向かった。
多軌を先頭に美結花と速水が並び、最後尾を田沼と夏目が並んで歩く。
「速水君」
こっそりと速水に声をかける。
「僕は大丈夫だから」
速水がほほ笑む。
「え?」
「今、僕と田沼だけでも帰れって思ったでしょ?」
「…………」
美結花は黙り込んだ。図星だったからだ。
「だって危険だもの……」
「そんなに状況は悪いのか?」
「うん。かなり」
美結花は頷いた。
「全部体を取り戻したら私たちじゃ相手にならないみたい。ただどれほど怖い妖なのか想像がつかないの」
「そうか……。どうすればいいんだろうね」
速水も一緒に考えてくれる。
(こんな風に話を聞いてくれる人がいるって嬉しいものなんだな─…)
こうして話を聞いてくれるのはなかなかないので美結花はくすぐったく思った。
話を聞いて一緒にいてくれる。それは滅多にないことだと美結花は知っている。
(考えなくちゃ……。いつまでもこうしているために……)
カクラを何とかしなければいけない。
そんなことを考えつつ廊下を歩く。
「タキ、田沼、速水、美結花逃げ……」
夏目の声が途中で途切れた。
美結花たちは後ろを振り向く。
そこには夏目の姿がなかった。
「貴志!?」
「…え? 夏目君!?」
「夏目!? どこだ? 夏目」
「夏目がいない!?」
あちこち探し回るもどこにもいなかった。
「…いない」
「…まさか妖に捕まったのか?」
「その可能性あるわね」
「そんな……視えない相手をどうやって…」
速水が戸惑う。
「こっちで視えるのは美結花ちゃんだけよね……」
「夏目さんだけに頼っていると時間がかかりそうだし僕たちも視えるといいんだけどね……」
「だよな……。もやしか俺は視えないし……」
田沼と速水は苦い顔をした。
「…そうだ。陣があれば……」
多軌が思いつく。
「陣って…確かその中に入った妖の姿を視ることができるってやつか」
田沼はその話を聞いたことがあったのだ。
「ええ。それを使えば夏目君や美結花ちゃんと話していた妖さんに力をかりられるかもしれない。部屋に大きめの紙があったからとってくる」
「あ、僕も行くよ。もし部屋に手鏡があれば借りたい。似たような効果の陣を持っているんだ。鏡に描けば視えるから……」
「分かったわ。速水君は私と行きましょう」
多軌は頷いた。
「──おれは夏目の言っていた奥階段に行ってみる。何か夏目の手がかりがあるかもしれない」
「私も行ってみる。妖の痕跡が残っているかもしれない」
美結花は田沼についていくことを伝えた。
「わかった。ここをまっすぐよ」
多軌は道を示した。
「ありがとう、気を付けてね」
多軌と速水を別れて奥階段へと走って向かった。
